【レポート】
2004年は、映像機器の分野で新製品が非常に多く発表された年だった。アテネ五輪が開催された8月を目標に、各社が製品開発スケジュールを決め、一気に新製品を投入したからである。その反動からか、現在は少し穏やかに推移しており、やはりピークは7~8月に来たと見るのが常識になりつつある。
とくに薄型テレビは、市場への投入の増加、ユーザーへの浸透もあって、2003年以上に賑わった。それを支えたのは価格の低下も大きい。この年末には、1インチ1万円の時代を迎えつつあり、最新モデルでもないかぎり、薄型テレビも42V型プラズマテレビで40万円台をつけるモデルが店頭に並びつつある。この価格帯はユーザーが1つの目標にしていたところに近付くため、さらに普及へはずみがつくと思われる。
この価格は、来年にはさらに低下することが見込まれており、それに対応可能なメーカーとそうでないメーカーの選別が進むのではないだろうか。
現状では、大画面・薄型テレビの主力はプラズマと液晶として間違いない。市場に出回っている大画面・薄型テレビを眺めても、この方式以外が見当たらず、ここに集約されているとらえても問題ないだろう。ただし、最近になって、リアプロの新製品が登場しており、プラズマ・液晶の薄型テレビと競うような勢いを見せ始めている。最新のリアプロは、プラズマ・液晶に近い薄さを実現しているだけでなく、画質面も向上してきている。さらに、価格面ではプラズマ・液晶よりも優位に立っているといった特徴がある。ただプロジェクターを薄型テレビの仲間に入れるとなると少し抵抗感もあるため、ここではプラズマと液晶テレビの2つのみを薄型テレビとして取り上げる。
さてこの2つ、画面サイズと価格から、ポジショニングがどうなっているかを捉えてみよう。プラズマと液晶テレビ、それぞれ得意な分野が異なり分かれている。一言で表わせば、プラズマは大画面向きで、液晶は小画面向きということになる。方式ごとに構造面にからくる得手不得手があり、画面サイズのポジショニングとして認知されている。
ちなみに、店頭の大画面・薄型テレビコーナーに置かれる画面サイズを整理すると、小は26V型から、大は65V型まで揃うようになった(型番のVはワイド画面、それも固定画素式テレビによる画面サイズの表わし方)。この中で、小画面に多いのが液晶で、大画面に多いのがプラズマである。サイズは、26V型、30V型、32V型、35V型、37V型、42V型、43V型、50V型、55V型、60V型、63V型、65V型と非常に多くが揃っている。ただこの中でも集約サイズというものがあり、それが26V型、32V型、37V型、42V型、50V型の5タイプになる。液晶テレビは26V型、32V型、37V型、42V型に、プラズマテレビは32V型、37V型、42V型、50V型が中心ゾーンとして製品化されている。なお、一部オーバーラップゾーンがあることが分かるだろう。それが32V型、37V型、42V型の3つで、液晶・プラズマの両タイプがあり、ユーザーの選択眼を惑わす要因になっている。
そこでまず価格ゾーンで分けてみることにする。オーバーラップの3つのゾーンの、サイズ別の価格を比べてみると、32V型と37V型の間に大きな価格の壁が存在することがわかる。液晶テレビの方がプラズマよりも高くなってしまうという逆転現象もある。一般的にテレビは画面サイズの小さな方が安くなるのが常識だが、37V型にあってはこうしたセオリーが通じないし、プラズマと液晶を比べてみると、液晶の方が高くなる。それも42V型のプラズマよりもまだ高いという、理屈に合わないような結果にもなっている。その理由の1つは製造コストの差である。液晶テレビは大画面化が難しいということが、この価格で証明されるわけだ。
これを裏返して見れば、もう1つの現象も見える。それはプラズマに26V型などの小サイズモデルがないことだ。理由は、プラズマは小型テレビが作りにくいことにある。自発光型のプラズマの場合、1つの発光部(画素)のサイズが、ある大きさ(容積)を持たないと発光しないという、構造面からくる宿命がある。画素の大きさは発光するための閾値ともとらえることができるが、最低限の容積がどうしても必要で、それより画素を小さくしてしまうと、発光しなくなってしまうのだ。この容積は、縦と横の寸法に奥行(深さ)の3つの寸法が関係する。より小さな画素が欲しければ奥行を増やせば済むのだが、残念ながら今のところパネル技術から、奥行を稼ぐ手段を持ち合わせていない。したがって、プラズマは小画面サイズに制約があるわけだ。
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