【レポート】

「MEGASTAR-II cosmos」大平貴之氏×毛利衛氏 - 「宇宙の星空に近づく夕べ」

2 「世界で最も先進的なプラネタリウム」としてギネスワールドレコードに認定

    山田久美  [2004/12/22]

    大平氏は小学生の頃から数々のプラネタリウムを自作し続け、大学時代には個人開発では前例のないレンズ投影式プラネタリウム「アストロライナー」を完成。さらに1998年には、恒星数100万個の4号機「メガスター」をIPS(国際プラネタリウム協会)ロンドン大会で発表するなど地道な活動を行ってきた。そういった中、評判が評判を呼び、徐々にその名が知れわたることとなっていったわけだが、今回のトークショーでは、その活動の総決算とも言うべきビッグニュースが報告された。今年7月、MEGASTAR-II cosmosが「世界で最も先進的なプラネタリウム」として、ギネスワールドレコードに認定されたというのだ。しかも500万個という、単なる投影できる星の数だけでなく世界で最も先進的で最も優れたプラネタリウムであると認められたのである。

    ギネスワールドレコードに認定されたことを報告する大平貴之氏(左)と毛利衛氏(右)

    しかしながら、500万個という星の数は実際にわれわれが肉眼で見ることができないため、逆にリアルさに欠けるのではないかとの見方から、100万個超の星を再現する必要性を疑問視する声も少なくなかったという。しかし、大平氏はあくまで本物に近づけることにこだわり追求し続けたという。今回のギネス認定は、その独自に切り開いた方向性が間違っていなかったことを証明したという点においても大変意義深い。

    また、毛利氏も「米国などにはデジタルのプラネタリウムがありますが、観客が喜ぶという観点から安易に誇張表現したものも少なくありません。そんな中、本物により近づけていきたいという大平さんの”研究者としての純粋な心”を私はこれからも大事にしていきたいと思っています」と述べた。

    「今後はさらに星の数を増やしていくほか、より広い場所での投影なども可能にしていきたい」という大平氏の言葉からは同氏のプラネタリウム製作への飽くなき情熱が伺えた。

    また、トークショーの最後には観客による質問コーナーが設けられていた。その中の観客からの「大平さんはどういったときに星を見たくなりますか。人はなぜ、夜空を見上げるのだと思いますか」といった質問に対し、大平氏は「なぜ見上げるかはわかりませんが、私にとっては食事をするのと同じで、本能なのではないかと思っています。もしかすると私は星が特別好きなわけではないのかも知れないと思うのです。つまり、星は昔からきれいなものの喩えとされてきていていることを考えると、人間は星を見て“きれいだ”と感じるように始めから作られてしまっているのではないかと思うわけです。青空や水の流れなどを見て、“どこか懐かしい”と感じ癒されるのも同じで、それは自然が、人類が誕生する前から存在していたからなのではないでしょうか」と答えたが、筆者はこの話が最も印象深かった。

    今月22日からはMEGASTAR-II cosmosの星空が大きくバージョンアップし、500万個の星が一層明るく輝くようになるという。それに伴い、23~25日の3日間に限り、大平氏の解説による特別映写会も予定されている。そこでは、50万年前の冬の星空を見ることができるという。特別映写会の受け付けは残念ながら締め切られてしまっているが、6Fのドームシアターガイアでは平日2回、土日祝は3回常設上映が行われている。双眼鏡を持参していくとさらに楽しめるとのことなので、是非、双眼鏡を片手に、毛利氏が宇宙から見た星空を体験しに行ってみて欲しい。

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