【インタビュー】
米Intelが満を持して投入したモバイルプラットフォーム「Centrino」も、発表からすでに1年半以上が経過した。この間、多くのノートPCメーカーが採用製品を発売するなど、その普及には目覚ましいものがあった。そして来年第1四半期には、いよいよ次世代の「Sonoma」(コードネーム)プラットフォームが投入される予定であるほか、次々世代の「Napa」の話も伝えられるなど、将来的な注目度も高い。
そんな同社のモバイルプラットフォーム戦略を占う上で、キーパーソンの一人と言えるのが、同社Mobile Platforms Group(MPG)・CTOのShreekant (Ticky) Thakkar氏だ。
氏はIntelに入社してから、アーキテクチャマネージャとしてP6 MPの開発を指揮。そのほかSSE1/2の開発などに関与した後、2001年よりは現在のMPGに在籍している。「私の役割は(CTOとして)ビジョン・技術を構築すること。そしてMPGにそのビジョンを適用して、夢を実現するようなコンポーネントを構築すること」という氏に対し、今回、インタビューする機会を得ることができた。以下、その内容をお伝えしたい。
※じつはこのインタビューは10月末のWPC EXPOの時期に行われたものだが、筆者の諸々の都合で掲載が遅れてしまった。なので、内容的にはその時点でのもの、ということは予めお断りしておきたい。
-- Pentium Mは本来はモバイル向けのプロセッサだが、秋葉原などではCPU・マザーボードとも普通に売られており、省電力型のデスクトップPCとして利用しているユーザーも増えてきている。現状はまだ価格が高めなこともあり、量的にはそれほど大きくないが、もし今後価格が下がってきた場合、デスクトップ向けのPentium 4と市場を奪い合うことにはならないか?
「こういったテクノロジがデスクトップで使われることについて、懸念はしていない。それは市場自体が決めることだと思っているので、Pentium Mを使って、よりコンパクトなデスクトップを作りたいというマーケットニーズがあるのであれば、使ってもらっても全く問題はない」
-- 当初は組み込み向けの製品がリテールに流れるようなことが多かったが、最近はAOpenなど、メジャーなマザーボードベンダーの製品も出るようになってきている。Intelとして、何かポリシーの変更はあったのか?
「需要が大きくなればそれに対してコンポーネントの数が増えていく、ということが起きているだけだろう。特にモバイルの製品をデスクトップに積極的に出していこうというポリシーになったわけではない」
-- では、プロセッサの消費電力について聞いていきたい。現在、DothanコアのPentium Mでは、最上位の765(2.1GHz)でもTDPは21Wに留まっているが、今度の見通しはどうなっているか? 上昇していくのか?
「これは平均消費電力で考えた方がいいと思うが、プラットフォームの中でCPUはコンポーネントの1つにすぎない。例えば、第1世代のCentrino(Banias)の場合で考えると、CPUの消費電力は全体の10%以下に過ぎない。システム全体の平均が10Wで、それに対してCPUは0.7~0.8Wというレベルだった。第2世代となるDothanでは、CPUの平均消費電力が1.1~1.2Wくらいになっているが、それでも全体の10%程度に過ぎないので、バッテリの持続時間でいうとほんの数分の差にすぎないと思う」
-- システムの中でCPUの消費電力が占める割合は、10%程度が理想と考えているのか?
「できるだけの努力をして、10%以下に抑えようとしている。マイクロアーキテクチャからプロセスにいたるまで、あらゆることを考慮に入れて努力をする」
-- Intelはディスプレイの消費電力についての研究もしていたと思うが?
「Mobile PC Extended Battery Life Working Group」を社外で立ち上げて調査したところ、ディスプレイが最も消費電力が大きかった。大半のディスプレイが4.5~5Wレベルだったが、それを3Wに下げようという目標を設定した。そして18カ月でそれができて、現時点までに400万台が出荷されており、来年末までには1,000万台になる見込みだ。ディスプレイベンダーとも協力している」
-- 今年のIDF Japan Springのセッションにおいて、Intelは「2005年に薄型軽量ノートで持続時間を8時間以上とする」目標を述べていたが、進捗状況はどうなっているか?
「目標を訂正させてもらう。薄型軽量ノートだが、時期的には2010年を目標としている。現状の6セルバッテリでは、今は4.5時間くらいだが、2010年までには倍にしたい。進捗状況だが、やっていることは3つある」
「1つ目は、我々のコンポーネント自体の平均消費電力を最低に抑えること。これはチップセット・CPUの両方で消費電力を抑えながら、パフォーマンスを向上させていくということをやっている」
「2つ目は、より高密度なバッテリを作ること。同じフォームファクタのままで、容量を2倍にしたい。バッテリの容量を上げるために、何社かの新しい会社や業界のプレイヤーとも協力している。9月のIDFで発表したのは、そうした2社と協力しているということで、これらは代替的な化学物質を使ってバッテリの容量を倍増しようとしている」
「低消費電力プラットフォームを設計するためにOEM・ODMと協力しているが、そのプログラムを拡張して、参加する企業の数を増やしているのが3つ目だ。現在のノートブックでも、同じサイズのもので平均消費電力が10Wくらいのものから14.5Wくらいものまで幅があるので、その高い方をできるだけ低い方に近づけたいと努力している」
-- 基礎技術の話で構わないが、将来的にプロセッサの消費電力をもっと下げる技術・アイデアはすでに持っているのか?
「(ニヤリと笑いながら)イエス」
-- それはやはり教えてもらえない?(笑)
「申し訳ないが(笑)」
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