【レビュー】

PCをAV機器に変える - DigiOn 「DiXiM」

1 DLNAは今後の"標準"となるか?

    海上忍  [2004/12/17]

    Drag'n Drop CD+DVDやDigion Soundといったマルチメディア系を得意分野としているデジオンが満を持して発売した「DiXiM」は、DVDレコーダなどデジタル家電との相互接続を可能にする新しいアプリケーションだ。今回、同社のご厚意により製品の最終プロトタイプを試用する機会に恵まれたため、技術的背景を解説しつつ使用感などをレビューしてみたい。

    リモコンを同梱した「DiXiM マルチメディア・ホームネットワーク・スターター・パック」

    DiXiM Media Clientのトップ画面。どちらかといえばインタフェースは家電風

    DLNAガイドラインに対応したDVDレコーダにアクセスすることも可能(画面はPanasonic DMR-E500Hに接続したところ)

    DiXiMとDLNAの関係

    • DiXiMの特徴

    DiXiMの機能を一言でいうと、「DVDレコーダと相互接続可能なマルチメディア再生ソフト」。接続可能なDVDレコーダは、現在のところ「Panasonic DMR-E500H」など数機種に限られるが、録画したデータをPCへ移動/コピーすることなく視聴できる。Ethernet端子を備えるなどLANに接続可能なだけでなく、後述するDLNAという規格に対応した機種に限られるが、PCとDVDレコーダの間にある"壁"をなくす役割を果たすわけだ。録画やデータの変換といった処理には対応しないが、PCとDVDレコーダに統一したインタフェースを提供する。

    なお、DiXiMはデジタルコンテンツにアクセスするための手段を提供する役割を負うが、デコード処理は行わない。デコーダとしての機能はクライアント側に依存するため、DVDプレイヤーソフトがインストールされていない(MPEG-2コーデックがない)環境では、DVDレコーダに貯えられたMPEG-2ムービーは視聴できない仕組みだ。DiXiMには「DiXiM MPEGキット」というMPEG-1/2のデコーダが付属するので問題にならないが、この点を理解しなければDiXiMというソフトの本質を見誤ることになる。

    DiXiMのアーキテクチャ

    DiXiMのインタフェースは、PCのマルチメディアソフトにありがちな派手な装飾はないものの、テレビ出力時にも見やすいよう工夫されている。リモコンと受信機が付属するので、再生するタイトルの選択や巻き戻し/早送りなどすべての操作は離れた場所からリモコンで指示できる。この意味では、PCをデジタル家電に変えるためのソフトということもできるだろう。

    フォルダをMedia Server Toolの「公開フォルダリスト」に登録しておけば、DiXiM Media Clientからアクセスできる

    DiXiMでは動画のみならずMP3などのサウンドファイルも扱える

    • DLNAは今後の"標準"となるか?

    DiXiMが準拠する「DLNAガイドライン1.0」という規格は、Microsoftや松下電器産業、ソニーなど国内外の有力企業16社により2003年6月に設立されたDLNA(Digital Living Network Alliance)により制定されたもの。この団体は、家電やPCなどの異種デバイス間でデジタルコンテンツを共有するために必要な技術的指針の策定を目的とし、2004年12月現在では191社を数えるまでに規模を拡大。参加企業の顔ぶれや対応機種も増えつつある状況を考えると、今後の"標準"を左右する存在となることは確実だろう。

    そのDLNAガイドラインの内容だが、2004年6月に発表された現行バージョン(1.0)では"デジタル家電の相互運用性の大まかなルール"とされ、規格と呼べるほど厳密なものではない。デバイスの検出にUniversal Plug And Play(UPnP)およびUPnP AV(UPnPの仕様に基づくAV機器用の相互接続規格)を使用すること、MPEG-2やJPEGといったすでに広く浸透している規格を取り入れていることなど、固まったと思われる仕様も多いが、DRMのように参加企業それぞれが独自の技術を持つ項目は(調整に手間取るためか)目下のところ規格に盛り込まれずにいる。電子番組表についても標準化の作業が完了していないなど、PCと相互接続するためには整備されるべき項目が多いと言わざるをえない。

    ○DLNAガイドライン1.0の概要

    ネットワーク接続方式IEEE 802.3i/802.3u(Ethernet)、IEEE 802.11a/b/g(無線)
    ネットワークスタックIPv4
    プロトコルHTTP 1.0/1.1
    デバイス接続とメディア管理UPnPデバイスアーキテクチャ1.0、UPnP AV 1.0
    メディアフォーマット(必須)JPEG(静止画)、LPCM/2ch(オーディオ)、MPEG-2(ビデオ)
    メディアフォーマット(オプション)AC3/AAC/ATRAC3plus/MP3/WMA(以上音声)
    PNG/GIF/TIFF(以上静止画)、MPEG-1/MPEG-4/WMV9(以上ビデオ)

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