【レポート】
Operaは高速ブラウザとして定評のあるWebブラウザで、Internet Explorerの代わりのブラウザとして愛用しているユーザーも多いかと思う。少し前にはLinuxザウルスに、最近では京セラのPHSやカシオ計算機の携帯電話にOperaが入っていて「PC以外にもOperaは入っているんだ」と驚いた読者もいるかもしれない。そんなOpera開発元のOpera Software本社を訪ねた。
同社はノルウェーの首都オスロに本社を置く。国際的に有名な企業だが、ビルの2フロアに本社のオフィスがあるだけで、意外と小さい。従業員はノルウェー人のほか、様々な国籍の技術者がトータルで180名働いている。ちなみに同じビルの別フロアにはLinuxのウィンドウシステム「KDE」などで有名なTrolltechもある。
まず同社の考えるブラウザとは何か? その答えは「Webブラウザという範疇を越えた、Webテクノロジを見るビューア(同社ではプレゼンテーションエンジンと呼んでいる)」。例えば携帯電話などで、UIをHTMLやDHTMLなどのWebテクノロジを表示するためのもの、またブロードバンドの普及で、ブロードバンド放送をSTB見るためのもの、といえばわかってもらえるだろうか。
Operaの歴史は1992年にさかのぼる。Telenor(日本でいえばNTTにあたるノルウェーの通信業者)で現Opera CEOのJon von Tetzchner氏と何人かのプログラマが、Webテクノロジを使っていろいろなプロジェクトを行っていた。その中で、自分らならもっといいブラウザが作れると考えたTetzchner氏は、Telenorからスピンアウトし、1995年にOpera Softwareを設立。その後Opera 2.1をリリース、当初はデスクトップ版を作っていたものの、途中から携帯電話向けなど、非PC向けのOperaを作るように方針が変わっていった。1998年からはWindows用以外のOS版もリリース。現在は月間ダウンロード数が160万になるほど、支持されるに至る。
同社製品のリリースの流れは、まずPCやMac用プラットフォームで新しいバージョンをリリースする。ユーザーがバグを発見して同社に報告、同社でバグフィックスを行う。これを繰り返し、鍛えられたOperaのブラウザエンジンとUIを、携帯電話向けなどにリリースする。つまり基本的には(例えば携帯電話向けなどではそのビューアで快適に見られるよう、画面のリサイズは行ってはいるものの)、携帯電話向けのOperaもPC向けのOperaも、どのOperaも同じ機能を持っている。ブラウザエンジンのサイズは小さく、あとは各組み込み機器のUIを実装すれば、デスクトップ版のOperaと同様のものが動くわけだ。例えば現在出荷されている組み込み向けブラウザの最小バイナリサイズは1.3MBであるという。
同社の収入は、無償のPC用ブラウザによる広告収入や、広告のない有料版ブラウザによる収入だけではない。携帯電話やデジタル家電、カーナビなどへの実装技術・ライセンスによる収入は、同社のビジネススタイルの柱でもある。
同社は、Webオーサリングツールを開発するMacromediaやAdobeと協力関係を築き、両社のオーサリングツール内のビューアとして、Operaのエンジンがインテグレーションされているほか、携帯電話用OSのSymbianや、そのUIを開発したNokiaなど、Symbianベースの携帯電話を販売する各国のメーカーとも協力関係を築いている。つまりOperaが動き、Webページが見られる携帯電話は、世界中のメーカーから販売されているわけだ。
--なぜOperaはノルウェーから生まれたのか?
当社はTelenorの研究チームから生まれた。ノルウェーや北欧の国々では携帯電話の普及は早かったし、またこのような研究は常に他の国々よりも一歩先をいっている。だから当社はここで生まれた。NokiaもEricssonも1990年代に成長した。
--商用版を購入するユーザーの割合は?
ほとんどのユーザーがフリーバージョンを使っている。なぜ商用版を販売するかというと、ユーザーに選択肢を与えたいからだ。
--次はどのような機能の実装をユーザーは望んでいるか?
我々は望まれるというよりも、新バージョンを先にリリースし、先進的なユーザーがテストする。ユーザーと当社はそのような関係だ。
--将来LinuxやMozillaのようにオープンソースにすることは考えているか?
ノーだ。ブラウザカンパニーである我々の製品を(オープンソースとして)公開することはないだろう。
--Webブラウザは常に進化していてコンスタントなバージョンアップが必要だ。組み込み機器、携帯電話、TV用などのアップデートはできるのか?
携帯電話やTVなど組み込み機器の場合には、基本的にハードウェアメーカーやさらにその上流のオペレーターの仕様に基づいて開発を行うため、アップデートの方法もこうした仕様の制限を受けることとなる。これまでネットワークを介してOperaのアップデートを行っているケースもあるし、SymbianやWindows Mobileのようにパブリックなソフトウェアのディストリビューションが確立されている場合には、新しいバージョンがリリースされるとユーザーへソフトウェアのアップデートを促すということも可能である。
--Operaにとっての日本市場は?
日本人は新技術が好きだとは感じる。ユーザー数はデスクトップ製品でいえば世界でもトップクラスで、全世界の月間ダウンロード数160万のうち、日本は16万を記録している。
--日本市場で今後Operaを搭載した新製品は出るか?
ニュースリリースが出ない限りはなんともいえないが、KDDIと良好な関係を結んでいて、KDDIからニュースリリースが出ると思うので、それを見て欲しい。
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