【レポート】

SFC Open Research Forum 2004

1 メインテーマは「21世紀をつくる対論12~未来技術戦略から福澤精神まで~」

    山田久美  [2004/12/09]

    11月23日(祝)と24日(水)の2日間、六本木アカデミーヒルズ40で慶応義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)研究所が主催するフォーラム「SFC Open Research Forum 2004」が開催された。今回の実行委員長は環境情報学部長の熊坂賢次氏が務めた。

    これは、SFC研究所が日ごろの研究活動の成果を広く社会に公開していこうという趣旨で毎年開催しているもの。毎回、同研究所で実施している様々な研究プロジェクトの現状と将来計画をシンポジウムや展示・デモンストレーションなどを通じて、産業界・国・地方自治体・学会等に広く紹介している。

    今回のメインテーマは「21世紀をつくる対論12~未来技術戦略から福澤精神まで~」。メイン会場で行われたパネル・ディスカッションでは、日本の大きな課題となっている少子高齢化問題、グローバルな視点から語る必要がある環境問題など21世紀が抱える多くの緊急問題の中からピックアップした12のテーマについて、SFC研究所の教授陣を中心に、実業界や行政の知識人たちが3人1組となってディスカッションを行った。

    ディスカッションはメイン会場を中心に大小5つの会場で行われた。また、現在、SFC研究所には、同じ研究テーマを持つSFC研究所内の研究者たちが横断的・融合的に組織構成する「ラボラトリ」(現在、10ラボラトリが活動中)、相互利益を前提に、企業や政府など外部の機関と大規模な課題に取り組むための共同研究組織である「SFC研究コンソーシアム」(現在、14コンソーシアムが活動中)、「ベンチャー・インキュベーション支援」といった組織があるが、展示・デモンストレーション会場も常設され、そこでは、各組織の研究者や学生が研究内容を公開していた。特にフォーラム開催初日の23日は祝日ということもあり、大勢の人が訪れ、各研究内容に高い関心を示していた。

    ネットワークの状態が3DCGで見られる「3D-tcpdump:3次元視覚化ネットワークブラウザ」

    来場者に貸し出されたUHF帯とHF帯という周波数帯の違う2種類のRFIDタグ

    今回は、SFCならではの初の試みとして、無線ICタグであるRDIFを用いた新しい可視化システム「ORF Activity Score」の社会実験が実施された。そのため、会場では入場時、来場者にUHF帯とHF帯という周波数帯の違う2種類のRFIDタグが貸し出された。これは、各出展ブースやセッション会場に設置されたRFIDリーダーにRFIDタグをタッチさせることで、来場者が「興味のブックマーク」をつけながら、フォーラムを楽しむことができるというもので、RFIDリーダーに入力された来場者の傾向が、会場内に複数設置された大型スクリーンにリアルタイムに映し出されるというしくみだ。出展者は、来場者がブックマーク(RFIDタグをRFIDリーダーにタッチ)することで、どのような顧客が自分のブースを訪れたかを知ることができ、一方、来場者は、訪れたブースの研究紹介情報を、後日、メールで受け取ることができるという。ただし、RFIDを用いたアプリケーションは、「電子タグに関するプライバシー保護ガイドライン(総務省・経済産業省発表)」)によって厳しく規制されており、プライバシーの保護に対しては細心の注意を払っているとのこと。実際、入場時、実験に対する参加の意思確認が行われたほか、RFID自体が保有する情報はカード識別番号のみで、入場時に登録した名前、会社住所、連絡先などの情報は含まれていないという。それらの情報はRFIDに記録された個別のシリアル番号と連携する形でデータベースに蓄積され、データの保有期限も2005年12月31日の24:00とし、その後は完全に消去されるということだ。

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

      イチオシ記事

      新着記事

      特別企画

      マイナビニュースマガジン