【レポート】
11月17日、オープンソースのWebコンテンツ管理システム「Zope」を手がけるゾープ・ジャパンの戦略発表会が赤坂で開催された。Zopeは、「The(Z) Object Publishing Environment」の略から名付けられた高機能なWebプラットフォームで、Windows、Linux、BSD、Solaris、Mac OS Xなど、ほとんどのプラットフォーム上で動作する。Webコンテンツ管理システム(CMS)としても、動的Webコンテンツの開発環境としても利用できることに加え、Webサーバを内蔵した高度なWebアプリケーションサーバとしても動作する。開発言語はオブジェクト指向言語「Python」だ。
また、バックエンドのデータストアとしてZope独自の「ZODB」が内蔵されている他、OracleやMySQL、PostgreSQLなどほとんどのリレーショナルデータベースに接続できるインタフェースも備える。「Zopeプロダクト」と呼ばれる豊富なサードパーティ製アプリケーション群が、簡単に導入、利用可能なことも大きな特徴だ。
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米Zope CEO、Rob Page氏 |
発表会は、まず米Zope CEO、Rob Page氏のビデオレターから始まった。日本国内では他のオープンソース・ソフトウェアに比べてまだ認知度が高くはないZopeだが、Rob氏によれば、CBSテレビやパラマウント・ピクチャーズ、MTVなどを擁するメディア企業「Viacom」をはじめ、ハッブル宇宙望遠鏡研究所、バンクオブアメリカ、NATOなど、多数の大規模アプリケーションの構築・運用実績があるという。
今年8月に設立されたゾープ・ジャパンは、Zopeの製品の日本語化や教育、販売等を行っていくが、今回の発表の一つ目のトピックは、Zopeとして初の公式な日本語版となる「Zope日本語版」の公開だ。Zope日本語版は、ユーザインタフェースを単に日本語化するだけでなく、使い方をわかりやすく解説するインストラクションを目指したものになっているという。現在はZopeにプリインストールされる機能のうち代表的なもの、今日的なものを中心に日本語化に注力しているが、今後はサードパーティ製のZopeアプリケーションを日本語化する手法も提供していく他、日本語以外の言語に向けた国際化も視野に入れた作業を行っていく方針とのことだ。なお、日本語化は英語版Zopeに手を加えるのではなく、外部ファイルの追加で実現している。オリジナル版のアップデートに対しても容易に追随できるため、ユーザは安心して利用できるだろう。
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ゾープ・ジャパンCTOの柴田淳氏 |
さらに、日本語版のみの追加機能としては、ゾープ・ジャパンCTO 柴田淳氏の開発したブログプロダクト「COREBlog」が同梱される。これは、Zope導入後すぐにブログサイトを立ち上げられるのはもちろん、Zope初心者が操作を理解するためのチュートリアル的な役割も狙ったものだ。従来、Zopeが汎用的かつ高機能であるが故に、敷居が高いと思われがちだった面は否めない。一般ユーザにとって馴染みの深いブログ機能は、Zopeの弱点を補完し、普及を推進する大きな強みになるだろう。
ゾープ・ジャパンでは、オープンソースで配布するZope日本語版以外に、エンタープライズ向けのいくつかの製品を日本語化して販売していく。最初に日本語化されるのが、「Zope Enterprise CMS (ZECMS)」と呼ばれるCMS構築・開発のための統合環境だ。ZECMSはZope上に構築されてはいるが、ワークフローベースのテンプレート機能やリポジトリなど、Zopeのサイト管理ノウハウを駆使した先進的な機能が付加されている。
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ゾープ・ジャパンCEOの山本烈氏 |
ZECMSは商用プロダクトになるが、ライセンス形態としてはZope独自の「ビジブル・ソース」ライセンスが適用される。これは、ライセンス購入者に対してはソースコードを公開し、組織内でのカスタマイズ、再配布を自由に行えるようにするというもの。ゾープ・ジャパンCEOの山本烈氏は、従来の「買う」か「自社内で開発する」かしかなかったソフトウェアの導入方法を「買って作る(buy & build)」に変えることで、業務にマッチしたシステムを低い開発コストで導入できるようになると語った。
なお、ゾープ・ジャパンでは、Zopeを使ったシステム開発を行うパートナーを支援する「Zope Solution Alliance (ZSA)」制度を用意する。2005年1月からスタートするZSA公認デベロッパの認定を受けた企業・個人に対しては、各種トレーニングの優待、自社サイトでのZSAデベロッパロゴの使用、Zope関連情報の配信等のサービスを提供していく。また、12月2日には東京・恵比寿にて「Zopeワークショップ 入門コース」が開講されるとのことだ。Zopeに興味のある方は、ゾープ・ジャパンのサイト上で詳細を確認して欲しい。
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