【レポート】
Mozilla FireFox 1.0のリリースを9日に控え、米国Mozilla Foundationのエンジニアリングディレクターを務めるChris Hoffman氏が、FireFoxのプロモーションのため来日している。2日には同氏を囲んでのプレスセッションが行われ、同氏がFireFoxの有利な点や今後の展開見通しなどについて語った。
前半は、前日に行われたMozilla Japanセミナーでも使用したプレゼンテーションを使い、Hoffman氏がMozilla Foundation並びにFireFoxについて解説を行った。
まずMozilla Foundationの現状だが、今のところMozilla Foundation単体でのフルタイムスタッフは12人。しかし実際には、これにパートナー企業であるIBM・Sun Microsystems・RedHatなどの企業の開発者が加わり、実質的には約50人がフルタイムでMozilla関連製品の開発に従事しているという。これに加え世界各地に散らばる数多くのコミュニティやボランティアの協力もあり、既にFireFoxについては24の言語について翻訳が完了しているなど、運営は比較的順調に進んでいるという。
またパートナー企業との関係についても、Hoffman氏は「ここ数年MicrosoftのWebブラウザへの関心が薄れていることでWeb関連の標準化も停滞しているが、この状況を変えて行く必要がある」として、Opera Softwareや「Safari」を持つAppleなど、他のWebブラウザメーカーともパートナーシップを組んで、W3CやECMAなどにおける標準化活動を積極的に進めて行く姿勢を示した。
既にMozilla SuiteとFireFoxを合わせたWebブラウザ業界におけるシェアは底を打ち、米国では調査対象や方法にもよるが現在は約6~18%にまで回復してきているという。さらにドイツにおいてはMozilla製品のシェアが最大で約36%にも達しているというデータもあるとのことで、Mozillaが完全に一時期の低迷を脱し再び成長期に入ったことをHoffman氏は強調。FireFoxについても「Preview Release版は公開後3週間で500万件以上のダウンロードがあった」として、ユーザの支持が拡大していると訴えた。
Hoffman氏はセキュリティ面でもFireFoxはInternet Explorerに比べ安全だという第三者のデータを示したほか、UI面でもSSL証明書が有効な場合にアドレスバーを黄色く表示する「Anti-Spoofing UI」、「必要な情報にたどりつくまでのキーストローク数を削減するのに有効」と同氏が述べる「Find as you tyoe(FAYT)」機能、ブックマークにおけるRSSのサポートなど多くの改良が行われていること、またファイルサイズの小ささなどがInternet Explorerに比べ優れている点だと述べた。
後半は報道陣との質疑応答に移り、様々な質問にHoffman氏や、Mozilla Japan理事の瀧田佐登子氏らが答えた。
まずFireFoxの開発と同時進行で進められてきたメールクライアントのThunderBirdの正式リリース日については、Hoffman氏は「今月末にはリリースできるだろう」との見通しを語った。このセッションを行っている時点ではまだ0.8までしかリリースされていなかったが、同氏は「ThunderBird 1.0のリリースに先立ち、0.9を一両日中にもリリースする予定だ」と述べ、事実3日にThunderBird 0.9がリリースされている。
また今後ThunderBirdにおいて、SenderIDやDomainKeysといった、最近数多く登場してきているアンチスパム技術にどのように対応していくつもりかについては「現在スタンフォード大学と共同でチームを組んで開発を進めている」ことを明らかにした上で「オープンスタンダードベースで開発を進めて行く」との考えを明らかにした。
このほか「Bugzillaにおいて放置されているバグが多いように思えるが、品質管理体制に問題はないのか?」との質問には「セキュリティの問題につながるようなバグについては優先して対応を行っているし、その点についてはリサーチャーからも高い評価を受けており、Microsoft等と比較して特に劣っている点があるとは思っていない」と答え、ソフトの品質面でも特に問題はないとの見解を示した。
一方Mozilla Japanの現状については、瀧田氏からビジネスパートナーとして、Mozilla Japanの発足を実質的にバックアップしたテンアートニの他に、Virtual Communications、ハギワラシスコム、ベクターの3社が決定していることが明らかにされた。瀧田氏は今後ビジネスパートナーをさらに増加させていくほか、個人の賛助会員等の募集や寄付の受付も本格的に進めて行きたいとの意向を示したが、具体的な初年度の目標値などについては「特に決めていない」と言及を避けていた。
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