【レビュー】
Athlon 64 FX-55の後を追うように、Intelもハイエンド製品であるPentium 4 Extreme Edition(以後Pentium 4 XE)の新製品を投入した。そのIntel、4GHzのPentium 4開発中止が伝わってくるなど、製品ラインナップが未だに混乱から抜けておらず、AMDのAthlon 64にかなり苦戦をしている訳であるが、だからこそXEでは何としてもAthlon 64 FXを打ち破らないと様にならない訳で、そうした決意を込めた必死の製品といえなくも無い。そんなわけで、早速実力を確認してみよう。
Pentium 4 XEは従来、Xeon DPと同じくGallatinコアを利用してきた。これはNorthwoodに2MBのL3キャッシュを統合した製品であるが、既に動作クロックは3.4GHzに達しており、次の製品はPrescottコアを利用したものになると予想されていた。ところが蓋を開けてみると、今回のPentium 4 XE 3.46GHzは再びGallatinコアを使ったものとなっている。動作周波数は3.46GHzと微妙に上がっているが、むしろ大きいのはFSBが1066MHzに上げられた事だ。これにより、FSBの帯域は従来の6.4GB/secから8.5GB/sec強に引き上げられた。
この場合、メモリが追いつかなければ意味が無い訳だが、こちらは既にIntel 925XでDDR2-4300メモリが利用できるようになっているから、ここに来て初めてDDR2の帯域をフルに生かせる製品が登場したことになる。若干のクロックアップに伴い、表1に示す通り消費電力は微妙に増えたが、それでもまだPentium 4 560には及ばない程度で収まっている。
| 表1 | |||
|---|---|---|---|
| 製品名 | 動作周波数 | TDP(W) | Tcase(℃) |
| Pentium 4 520 | 2.80GHz | 84.0 | 65.0 |
| Pentium 4 530 | 3GHz | 84.0 | 65.0 |
| Pentium 4 540 | 3.20GHz | 84.0 | 65.0 |
| Pentium 4 550 | 3.40GHz | 115.0 | 72.8 |
| Pentium 4 560 | 3.60GHz | 115.0 | 72.8 |
| Pentium 4 XE 3.40GHz | 3.40GHz | 109.6 | 66.0 |
| Pentium 4 XE 3.46GHz | 3.46GHz | 110.7 | 66.0 |
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Photo01:おそらく「うっかりミス」で掲載されてしまったのであろう。しかしTDPは109.6Wと相変わらずである。またCore SteppingがM0(既存の90nm製品はD0もしくはE0)なのも興味深い。 |
ただし、この1066MHz FSBに関してはしばらくPentium 4 XEのみで、メインストリーム系に関しては今のところ800MHzのまま移行しそうな様相である。とはいえ、動作クロックを上げる形での性能向上も難しそうである。既に国内外のメディアが報じている通り、IntelはPentium 4の4GHz製品の出荷計画をキャンセルした模様で、従ってこの先ドラスティックな性能向上は見られないだろう。とはいえ、デュアルコアの製品は来年後半となりそうで、そうなると後1年をどうやって凌ぐかという話になる。ここで現在確定的と言われているのがL2キャッシュを2MBに増量するという話である。つまりメインストリーム品は、1MB L2キャッシュと2MB L2キャッシュの2製品が共存する形になり、これで対決するという事を予定しているようだ。ちなみに余談であるが、Pentium 4のProcessor Spec Finderサイトで色々調べたら、こんな製品があった。念のために画面写真も示しておくが(Photo01)、当然ながらこんな製品は未だに未発表である。重要なのはこれに、SL7RRという正式な製品のSpec Numberが付けられていることで、つまりもう量産に入っているということになる。したがって、2MB増量製品の登場はほぼ確実と言って良さそうだ。
もっとも、既存のPrescottコアはL2キャッシュのレイテンシがNorthwoodよりも大きい上、パイプライン段数を増やしたためか性能面ではいまいちパッとしないのは既にレポートした通りで、ここで単純にL2キャッシュを増やした程度で性能改善があるのか、正直言って微妙である。もし性能改善が成し遂げられているとすると、それはキャッシュサイズのみならずレイテンシの削除も図られているか、パイプラインの改良でもしないことには追いつかない気もするのだが、このあたりは出てくるまで判らないというところだ。
話がちょっとそれてしまったが、そんな訳でPrescottコアベースのPentium 4 XEも、この製品計画変更のあおりを受けてか来年以降になってしまった。つまり今年一杯は間違いなく今回のPentium 4 XE 3.46GHzがハイエンド製品として君臨するというのが「現状の」計画である。なんで「現状の」なんて書くかといえば、仮にAMDがSan Diegoコアベースで2.8GHz動作のAthlon 64 FX-57を出すような事があれば、即座に製品計画を変更して3.73GHz動作製品を投入するだろうと想像されるからだ。もっとも今のところ、Athlon 64 FX-57に関してはWinchesterコアではなくToledoコア、つまり90nm SOIを使ったデュアルコア製品になると見られており、San DiegoはAthlon 64 FX-55のリプレースになる(つまり2.6GHz動作)模様で、しかも投入時期は来年前半(おそらく第2四半期)と見られているから、多分こうした製品前倒しは発生しないだろう。
さてそのPentium 4 XE 3.46GHzであるが、見かけは(何時ものごとく)従来のPentium 4と殆ど見分けがつかない(Photo02)。CPU-Zの結果を見てみても(Photo03)、Pentium 4 XE 3.40GHzとの違いはFSBとCore Speedのみといったところで、ソフトウェア的に何かあたらしいというわけではない。
ちなみにこのPentium 4 XE 3.46GHzの価格は$999(米国価格、1,000個ロット時)とされている。何のことはない、Pentium 4 XE 3.40GHzの登場時と全く同じ価格設定で、このあたりもハイエンド向け製品という位置付けが正確に見て取れる。
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