【レポート】

中国コンシューマPC市場を席巻するキラーソフト「QQ」

3 QQの生みの親、騰訊を訪ねる

    山谷剛史  [2004/10/29]

    騰訊の本社は香港に隣接する広東省深セン市のハイテクパーク内にある。このエリアには騰訊のようなソフトウェア会社だけでなく、中国で有名な電機メーカーなど他の業種の会社も数多く存在する。さすが本社内は、ペンギンのQQの絵が様々な場所に描かれている。この本社において、CEOの馬化騰氏にインタビューを行った。

    深センハイテクパーク

    騰訊の本社のあるビル

    馬氏が語る同社のビジネススタイルとは、各ユーザーのアバターとQQのユーザーアカウントを使って、同社のWebサイトにおいて多方面のサービスを提供するというもので、それについては説明しているので省略して、ここでは質疑応答のみ記載する。

    馬CEO

    --タブブラウザ「Tencent Traveler」の存在意義は?

    これをインストールするとポップアップ広告によるブラウジングの煩わしさが軽減され、ユーザーのためになる。もうひとつはこれをインストールすることにより、当社のポータルサイトがホームページとなり、より多くの人が常にそのページをみることになる。もちろんホームページのカスタマイズは可能だ。

    --有料サービス利用者はどれくらいか?

    20%と見込んでいる。例えば今現在(筆者注:昼の3時に質疑応答を行っている)オンラインゲームをプレイしているユーザー数は45万人と出ている。このゲームコンテンツにしても、同時オンラインユーザー数がもっとも多いのはこの時間ではなく、夜の8時30分から10時30分くらいの間だ。

    --他のチャット製品に比べ優れているところは?

    新機能の実装は他社に先駆けている。例えば最近ではビデオチャット機能がそうだ。

    --なぜそこまで有名になったのか?

    まずチャットサービスは1999年からはじまったのだが、その当時IMサービスを提供するプロバイダが少なく、早く作ったのが功を奏して、現在指数関数的にユーザー数が増えている。つまりは早期からIMサービスを開始したこと、積極的なユーザに対しては、PCなり、携帯電話なり、様々なコミュニケーションツールを気にせず相手とコミュニケーションがとれるようにしたこと、さらにIMサービスだけでなく、ゲームやメールなど他のサービスも受けられるということ、会社としては固定電話オペレータ企業や、携帯電話メーカーとの関係を築いたこと、そしてポータルサイトwww.qq.comを多くのユーザーがホームページとすることで、マーケティングが容易になり、またサービスや商品を提供しやすくなる。Q-Genショップなどを通じ、ブランドとして浸透していること--これらが要因だ。

    --Linux版やMacOS版など他OS版を作る予定は?

    ない。ユーザー数で勝負し、頼りがいのあるサポート体制をつくるのが当社の戦略だ。他OSについては将来についても今のところ戦略はない。

    --グローバルではなく、一地域に特化したチャットソフトとしては世界最大規模のチャットソフトで歴史も長いが、チャットソフトを使った犯罪はどのようなものが過去にはあったのか? またどのように対処しているのか?

    どんな問題があるかをまず説明しよう。チャット相手と実際に会って起きる問題がひとつ。例えば少女がチャット相手の異性と仲良くなって、実際会ってみたところ乱暴された、または暴力団などが絡んでいたといったことだ。またはチャットで恋に落ちたが、実際に会って話しているうちにこれ以上良い関係を維持できないという現実的な問題に直面し、悲しさのあまり自殺未遂をおこしたということ。もうひとつがQQユーザーのユーザー情報を盗み、ユーザーのQQコインを使ったり、個人情報を見たり、という問題がある。例えば当社を名乗ってのフィッシングメールや、ユーザーのパスワードが誕生日など予想がつきやすいものだったり短いものであったりするため、簡単に解析されたり、QQを狙ったユーザー情報を盗むためのトロイの木馬ウイルスだったり、ハッキング行為だったり、原因はいろいろだ。

    対応として、当社ポータルページを開いたときに、広告枠にそれらの実例と、どう対処すべきかを記している。そこで書かれていることはすでに起きたことなのだ。

    --逆に一地域に特化し、誰でも知っているチャットソフトを提供することにより、社会にどのような良い影響を与えたか?

    既存のチャットソフトに比べ、ユーザーはより多くのチャットする相手と、ネットミュージックやアバターやオンラインゲームなどを共有することにより、人々の距離感が縮まったと思う。

    --今後の予定は? チャットソフトQQに搭載予定の次の新技術や、ポータルサイトwww.qq.comでQQアカウントを用いた新サービスなど教えて欲しい。

    今は話すことはできないが、興味を持っていただいた日本の方にはぜひ当社チャットソフトを触って(注:要中国語環境)、ポータルサイトwww.qq.comを見て欲しい。

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