【レポート】

爆発的な普及の前兆か!? 活況だった米国初のロボティクス・エキスポ

1 ROBOlympicsとFIRST、Tetsujin 2004による競技大会

    Yoichi Yamashita  [2004/10/28]

    米カリフォルニア州サンタクララで、10月21日から23日まで「RoboNexus International Conference & Exposition」が開催された。家族連れやホビイストからロボット技術の専門家まで、幅広い層を対象とした米国初の大規模なロボティクス・イベントである。

    RoboNexusは3つのプログラムに大別できる。一つは、開発者、ソフトウエア/ハードウエア・エンジニア、研究者、事業家、投資家などを対象としたRoboNexusプロフェッショナル・デベロップメント・プログラム。1日早い20日から始まった合計4日間の技術&ビジネス・コンファレンスで、最新のロボティクス技術とアプリケーション、デザインと開発、ビジネス開発、教育とロボットの4分野で講演が行われた。内容は専門的だが、主催者によると、ロボットの活用に関心を持つビジネスマンやホビイストに分類されるような人たちの参加が目立ったそうだ。

    残る二つは、一般の人も楽しめるプログラム。RoboNexusエキスポは、ビジネスおよびコンシューマー製品、最新のロボティクス技術やアプリケーションを紹介する展示会で、今回は60を越える企業や団体が参加した。もう一つのRoboNexusコンシューマー&エンターテインメント・プログラムは、ロボティクスに関心を持つ層を拡大させるためのプログラムで、ロボティクス技術のデモンストレーションショーやロボット競技が行われた。

    迫力の重量挙げ用ロボスーツ

    ロボット競技では、ROBOlympicsとFIRST(For Inspiration and Recognition of Science and Technology)という、米国でよく知られた二つのロボット競技大会が開催された。

    ROBOlympicsは、今年の出場マシンの説明が中心。ROBO-ONEも参加していた

    SOZBOTSの準備をする面々

    ROBOlympicsは、今年3月にサンフランシスコで第1回大会が行われた国際的なロボット競技大会だ。世界中から集められた様々なロボット競技が行われる。今回はロボット相撲が行われたほか、ROBOlympicsにも参加している「SOZBOTS」(重量1ポンドの小型マシンによるバトルボット)が行われた。

    FIRSTは、ロボット甲子園と呼べる高校生のロボット競技大会である。Segwayの生みの親であるDean Kamen氏が、発明家やエンジニアを育成する目的で立ち上げた。

    競技は、ロボットを使ってボールをゴールに入れて得点を競う。ロボットにボールを扱わせるためのアイディアがカギになるが、勝ち残るにはチームワークも重要。というのも、試合はいくつかのチームをまとめた二つのグループの間で行われる。そしてグループ編成を変え、異なった組み合わせで何度も試合をして、チームごとの総合点を競う。つまり、グループの中で、各チームがお互いのロボットの機能を見極めてうまく連係しなければ勝てない。協調性がなければ、チームの得点も伸びないのだ。

    FIRSTの試合前にマシンをチェックする参加チーム

    通常は4台で1グループだが、今回は半分のサイズで2チームで1グループを形成

    大きいボールは、より高得点。ボール入れ、ディフェンス、ボール集めの役割分担が勝負の分かれ目となる

    高校生のイベントらしく、試合の前に代表者が自分たちが製作したロボットについて説明する時間が設けられている。試合が始まると、チームによってはチアリーダーが繰り出し、観客が熱狂的な声援を送る。まるでスポーツイベントのような雰囲気となる。

    FIRST参加チームには、高校生の奇抜なアイディアをうまく形にできるように、同イベントを後援する企業や組織などから指導者的な役割を担う専門家が割り当てられるそうだ。幸運なチームだとNASAのメンバーが担当になって、NASAでの研究の様子をじかに聞くことができる。一線で活躍するエンジニアと交流を持つことで、「エンジニアという職業にあこがれを持ってもらいたい」という狙いがある。

    FIRSTにも協力しているNASAは子供向けブースを出していた。ミニチュア版でMarsRoverの機能を説明

    ROBOlympicsとFIRSTの他には、技術専門誌SERVOがスポンサーとなった「Tetsujin 2004」という重量挙げ競技も行われた。人間が機械を装着して、バーベルを持ち上げる。持ち上げたバーベルの重量だけではなく、高さ、時間、装着した機械の重量などが得点に影響するため、巨大でパワフルなマシンが勝ち残れるとは限らない。竹馬に乗っているような弱々しい見かけのマシンでも、自重に対してより重いバーベルを持ち上げられれば高い得点を獲得できる。その意外性が面白い。

    子供よりも大人に人気で、モンスターマシンのように野太い声援が飛び交う競技だ。このTetsujinで培われた技術は医療や建設などが幅広い分野での応用が期待されているそうだ。

    エイリアン2の最後を思い出すTetsujinのヘビー級マシン。これに人間が入る

    華奢なマシンで、重いバーベルを持ち上げるとより高得点

    写真で持ち上げている重量は690ポンド

    今回は展示のみだったロボットバトル「BattleBots」のマシン

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

        イチオシ記事

        新着記事

        特別企画

        マイナビニュースマガジン