【レポート】

WPC EXPO 2004 - インテル基調講演、娯楽から医療までライフスタイルが変化

    石川ひさよし  [2004/10/27]

    インテル 上席副社長兼CTO パット・ゲルシンガー氏

    先週開催された「WPC EXPO 2004」の中で、インテルの上席副社長兼CTOであるパット・ゲルシンガー氏による基調講演が行われた。タイトルは「デジタル・ライフスタイルの創造」。9月に米サンフランシスコで開催されたIDF Fall 2004での講演に沿う内容で、大きな目新しさは無かったが、PCという枠を超えデジタル製品一般の展示会となったWPC EXPOでの基調講演という点では意義のあるものだった。

    同氏は、デジタル化によって生活が変わる、インフラストラクチャはさらに拡大し、生活のあらゆる所でこれと接触する、と語る。デジタル・ライフスタイルの幕開け、として紹介したのは「エンターテインメント」「学習」「コミュニケーション」の3つのイメージクリップ。PC、インターネット、デジタル通信を活用して、「いつでも、どこでも、あらゆる機器でコンテンツを楽しめる」世界が実現すれば、観たい時に映画が楽しめ、遠隔学習が可能となり、離れて暮らす両親などともコミュニケーションができる、というものだ。

    ネットワークとデジタル化がライフスタイルを変える

    「エンターテインメント」「学習」「コミュニケーション」のデジタル・ライフスタイルを紹介

    エンターテインメントについては、インテルが陣頭に立って推進するネットワーク家電の相互接続を目指す団体DLNA(Digital Living Network Alliance)と、DRM(著作権管理)を遵守しながら家庭内配信が可能な「DTCP/IP」が紹介された。IDFから時間も経っていないだけにあまりその進捗に実感は無いが、日本の製品を用いたデモンストレーションは、国内でのDLNA対応製品の登場を予感させるものだ。大型TVに接続された富士通のPCを用いて実施にコンテンツを購入し、別のPCで再生するといったデモンストレーションが行われた。

    DLNAとDTCP/IPでDRMと家庭内での配信を実現。観たい時に観たい場所で視聴が可能に

    DRM対応コンテンツを視聴するデモンストレーション

    デモに用いられた機材(サーバ)

    デモに用いられた機材(クライアント)

    もうひとつ、目新しいところで、インテルが今回エンターテインメントの先にあるデジタル・ライフスタイルへの取り組みとして紹介したのが医療分野だ。世界的な課題となる高齢化社会にPCが活用できないか、というものだ。まだ具体的な見通しは示されていないものの、既に同社は研究活動を始動させており、例えばコミュニケーション的な活用はもとより、最終的にはセンサーネットワークの活用というインテルとしては新たな試みについても触れた。パッシブなRFIDなどではなく、アクティブなセンサーに着目しており、このあたりが最終的にPCが関わることを予感させるところだ。

    同社は高性能になったPCの活用の幅を広げる新たなニーズと言うものを常に模索している。氏の言葉を用いれば、32bit CPUのi386が登場したときに、「どうやって使うの?」という疑問が投げかけられたわけだが、これが愚問であったのと同じとのことだ。

    医療分野でのPC応用も現在研究中

    データ通信の需要はさらに急成長中

    ちなみに同日、アナンド・チャンドラシーカ氏のセッションもセッティングされていた。こちらは2005年第1四半期に予定されているSonomaプラットフォーム、その後に予定されているNapaプラットフォーム、もうひとつ、ノートPCにおけるバッテリ持続時間について言及した。

    Sonomaは、既に何度かインテル自身により情報が出されているが、FSBを533MHzに引き上げたPentium M(Dothan)プロセッサと、Alvisoチップセット、インテルPRO/Wireless 2915ABGネットワークコネクションがパッケージされたプラットフォームとなる。そしてその次のNapaは、65nmプロセス・デュアルコアプロセッサの「Yonah」、グラフィック内蔵チップセット「Calistoga」とPCI Express対応の「ICH7-M」、次世代無線LANモジュール「Golan」から構成される。

    Sonomaの次にはプラットフォームに大きな変革を与えるNapaが控える

    Napaの詳細に関しても明かされた

    バッテリ持続性に関しては、2010年までにメインストリームPCで8時間のバッテリ持続性を持たせるというもの。この場では詳細に触れることはなかったが、同氏は「実現可能である」と自信を見せた。バッテリに関しては、例えば燃料電池という新たな技術もあるわけだが、同社はまだその実現に向けて法整備が必要との立場。今回の目標を実現するためには、現時点でインテルキャピタルも出資しているパイオニクスのリチウムポリマー電池技術などが検討されているという。ただし、バッテリのみでの実現ではなく、トランジスタやディスプレイ、電力状態管理などの複合的要素で実現していくとのことだ。

    アナンド・チャンドラシーカ氏

    バッテリ持続性の延長については、システム全体のアプローチなどにより自信を見せた

    基調講演に比べると身近なところだが、こちらのテクノロジもデジタル・ライフスタイルの革新となるか。

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