【レポート】

「奴らは間違った場所を掘っている!」、U2も参加したAppleの音楽イベント

2 「カッコ良すぎる」U2+iPodと、「互換性」という名の小骨

    Yoichi Yamashita  [2004/10/27]

    デジタル音楽もボックスセットで販売

    U2 Editionは、冷静に考えれば、単なる第4世代iPodの20GB版の色違いである。それが、実際に手にすると全く新しいモデルを持っているような気分になる。これは、すでにiPodを持っている人には非常に危険だ……。そのように思えるのは、今米国で流れているU2をフィーチャーしたiPodのテレビCMの影響だろう。カッコ良すぎると評判なのだ。これは「iPod+iTunes」の公式サイトで視聴できる。

    U2 Editionには、iMTSで販売されるU2の過去の作品と未発表曲を集めたデジタルボックスセット「The Complete U2」の50ドルクーポンが付く。同セットを購入する人ならば、実質299ドルということになり、第4世代iPodの20GBバージョンと同価格になる。

    また、「(満足度という点で)アルバム以上のモノを提供したい」とJobs氏が説明する通り、このデジタルボックスセットというアイディアもCD世代の音楽ファンのツボを押さえている。

    講演ではU2出演のiPodテレビCMのExtendedバージョンを大スクリーンで披露

    デジタルボックスセット「The Complete U2」。計400曲以上でダウンロードには要ブロードバンド

    わが道を行くからこそ、心配……

    終わってみれば、「U2も駆けつけるAppleは、やっぱりセンスが……」と思わされるイベントだった。アーティストとのコラボレーションは面白く、効果的だと思う。ただし、サービス間の対立力が強まうちに、「ウチのサービスでしか買えません!」というような楽曲がどんどん増えそうな気もする。

    実際、最近オンライン音楽ストアの伸びの停滞を指摘する見方が増えている。Jobs氏がアピールするiTMSの活況を否定しているのではない。競争激化の影響を危惧しているのだ。

    現在米国では、Windows Media AudioとWindows Media DRMを採用するサービスと製品が年末商戦に向けて続々と登場している。iTMSはiTunesとiPodの組み合わせに限られるが、Windows Media対応の製品には、異なったメーカーとの間でも互換性がある。この幅広い選択肢、そしてMicrosoftの本気の取り組みが、デジタル音楽市場にどのように影響するかを見極めようと、様子見を決め込む消費者が増えると予想している。

    Appleの音楽製品がユーザーに高い満足度を提供していることに異論を唱える人はいないだろう。しかし、将来性を考えたら、消費者は「互換性」という小骨がのどにひっかかっているような気分になる。今のままでは、今ひとつスッキリしない。

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