【レポート】

関西オープンソース 2004 - 今年もオープンソース界のキーマンが集合

3 次回はビジネス的な要素も取り入れていきたい

    安田豊  [2004/10/25]

    次回はビジネス的な要素も取り入れていきたい

    23日には実行委員長で大阪市立大学の中野秀男教授と、同大学大学院で非常勤講師も務めるグッデイの前田青也社長が、梅田にあるサテライト教室とをネットで結んで「オープンソース論」の授業を行った。すでに授業は4回目となり、前半は前田社長が実践している、能力を持った人がそれを活かしたい形で自主的にプロジェクトに参加するというオープンソースコミュニティ的なスタイルを取り入れた事業スタイルが紹介された。

    後半はそれに対して学生からパソコン上へ質問が送られ、それに応えるというスタイルで進行した。前田社長はプロジェクトごとに人を集めて対応する方法を3年間続け、今後もこのやり方で企業として成長していけるという確信を持っているという。誰もができるスタイルとは思わないが、一つの就業体系として確立するのではないかとも期待しているそうだ。

    「関西オープンソース」というイベントそのものも、オープンソースコミュニティならではのスタイルで運営されている。ゴール(開催日)と目標が決まっていて、それに向かって自分のやりたいことをやれる方法で行うというものだ。ただし、このスタイルに問題がないわけではない。今回は昨年より開催日が早まったこともあり、時間不足で充分な告知が行えなかったというのだ。実行委員長の中野教授も、「イベントの認知度も上がり、ユニークなイベントということで、参加者も全国からたくさん集まるようになってきた。また、オープンソースをとりまく状況も変わり、一般的な認知度も少しずつ高まっている。そうした中で、ビジネス寄りの情報共有やノウハウ構築、人材交流といったニーズも求められているところなので、今後は企業とコミュニティが交流を深め、ビジネスにつながるような場にもしていきたい」とコメントした。

    会場と梅田にある大阪市立大学大学院のサテライト教室を結んでの遠隔授業も行われた(左:前田社長、右:中野教授)

    実行委員長で大阪市立大学の中野秀男教授は会場でオープンソース論で本を書く予定と発表した

    グッデイの前田青也社長のユニークな事業スタイルに対し会場から質問が殺到していた

    コミュニティの活動を今後どう進めていくかについては、「BSD Conference Japan」の運営を担当しているびぎねっとの宮原徹氏もオープンディスカッションを開催するなどして、積極的に参加者からの意見を求めていた。ディスカッションでは、コミュニティを運営する中で幅広い人に参加してほしい一方、どうしても技術者寄りのカタイ話ばかりになってしまって発言者も偏ってしまうといったことや、開発をしていく上でコミュニティの位置づけをどうすればいいか、東京や大阪以外の地方ではリアルな活動をするのが難しいといった意見が出された。

    司会を務めた宮原氏はこうしたコミュニティからの意見を共有して、相互に助け合う仕組みも大切としている。関西オープンソース開催の目的はそうしたコミュニティ相互の助け合いにあり、単なるお祭りイベントに終わらない、「参加してよかった。次回は手伝う側になろう」というようなモチベーションにつながるような仕掛けをしていきたいと言う。「イベントもコミュニティも堅苦しく形を維持しようと考えず、柔軟にやっていきたい。オープンソースコミュニティだからこそそれができるはず」

    オープンソースの輪を広げていくには、ユーザーが集まってただ楽しむだけでなく、ビジネスという要素もきちんと取り入れて、わかりやすくしていくことも必要である。中野教授も「オープンソースに関する技術書やインストールを解説する本はあるが根本的な話がないし、ソフトウェアにしても既存のソフトのソースを一部公開したり、フリー化するようなものだけで、独自のものがまだ誕生していない」と語る。これからは、「オープンソース論」なるものが必要で、近く本を書く予定があるそうなので、注目しておきたいところだ。

    なお、関西オープンソースとBSD Conference Japan(会場は名古屋)はそれぞれ来年も開催されることが告知されている。

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