【レポート】

関西オープンソース 2004 - 今年もオープンソース界のキーマンが集合

1 国や自治体もオープンソースの動きに注目

安田豊  [2004/10/25]
  • <<
  • <

1/3

オープンソース界のキーマンが集合。10月22、23日に大阪産業創造館にて「関西オープンソース 2004」が開催された。企業やオープンソース関連団体、多くのコミュニティなどの協力により02年より行われているもので、第3回目となる今回は、「BSD Conference Japan 2004」と「関西コミュニティ大決戦」の二つのイベントも同時開催された。

国や自治体もオープンソースの動きに注目

「関西オープンソース」はオープンソースに関わる人たちが一同に集まり、情報共有や新しい交流のきっかけにするイベントで、主催もすべて自主的に行われているのが特徴だ。企業ブースや大手ベンダーの展示ブースが並ぶ通常のイベントとは異なり、参加者全員が自由に交流できるような仕組みになっている。

会場となった大阪産業創造館は、大阪市が中小・ベンチャー企業支援拠点として設立した建物で、「関西オープンソース」は3Fの展示ホールと4Fのセミナーホール、6階の会議室や17Fの交流プラザが使われた。今回の入場者数は述べ2000人を目標としていたが、両日とも人の集まりはまずまずであった。

今回はセミナーや講演会が盛りだくさんで、多くの業界キーマンが参加していた。初日の基調講演では、産業技術総合研究所の田代秀一主任研究員が、「経済産業省のOSS支援」というテーマで、アジアOSS(オープン・ソース・ソフトウェア)シンポジウムや日中韓OSS推進フォーラムなど、ここ数年の間で広がっている国際的なオープンソース支援の動きについて紹介した。特に日中韓連携の動きが目立っており、まだ本格化していないが各国で支援策をとっていこうとしている。一部報道でLinuxを共同開発すると書かれたが、それぞれに動いていプロジェクトを公平に支援するのであって、統一規格を作るつもりは全くないと強調した。また、課題としてコミュニティとの連携にも力を入れたり、政府調達基準からソフトはどうあるべきかといったことを検討するワーキンググループも立ち上げたりしており、時代に合わせたダイナミックな体制をとっていくとした。

国や自治体がオープンソースを支援する動きはいくつかあり、基調講演では京都市の高度情報化施策について、また、3Fのステージでは、北海道地域でのOSSの取り組みが紹介された。02年3月には「OpenSOAP」なる共通のプロトコル仕様を開発。今年3月には江別市がOSSを活用したサイトを構築。さらにWebDBソフトや自然言語ナビゲーションをオープンソース化して公開し、産学官が協力するプロジェクトとし注目を集めている。7月には日中韓による「第2回北東アジアOSS推進フォーラム」や、9月にもワーキンググループによるセミナーを開催するなど、今後の動きが注目される。

基調講演ではアジアが協力してオープンソースの支援を行っている現状が紹介された

産業技術総合研究所の田代秀一主任研究員

京都市の高度情報化施策について

北海道では自治体をあげてOSSの取り組みを支援し、すでに開発も進んでいる

開発者と直接話し合える貴重な場に

自主企画では技術に関する情報交換の場として、多数の講演会が開催された。SUSE Linux(KDE)やMySQL、Cocoaなど専門的な勉強会はもとより、PHPやDabianなどのBOFが行われ、どこも盛況だった。

海外からのゲストもあり、OpenOffice.orgのコミュニティ・マネージャーを務めるLouis Suarez-Potts氏が去年に引き続き講演を行い、アプリケーションの方向からオープンソース業界に影響を与えていきたいと語った。現在、OpenOfficeは44カ国語にローカライズされており、3100万ダウンロードされている。使い勝手や質はコミュニティによって大きく高められており、今後もコミュニティから意見を取り入れて改善していく体制を維持するという。オープンソースはまだ実験段階にあるが、政治的な動きにまで発展する興味深い流れだとしている。

もう一人のゲスト、BeOSの流れを汲んだZetaOSの開発を担当している独YellowTabの Bruno G. Albuquerque氏は、OSのデモとオープンソースファイルシステムのOpenBFSについてセミナーを行った。ZetaOSはドイツのネット通販で常に上位になるほどの人気OSで知名度もはるかに高い。一方日本ではBeOSの名前は知っていても…という声が多く、セミナーでは多くの参加者から質問が殺到した。現在、最新バージョンを開発中で、そこには日本語のインプットメソッドのCannaIMがバンドルされる予定だ。国内で活動しているBeOSコミュニティのJPBE.net(日本BeOSネットワーク)のメンバーは展示ブースを出展しており、会場で両者が交流を深める姿もあった。ブースではZetaOSにも引き継がれているBeOS独特のユーザーインタフェースに足を止める人が多く、今後は日本でも知名度が高まるきっかけになったかもしれない。

ZetaOSを開発している独YellowTabの Bruno G. Albuquerque氏

JPBE.net(日本BeOSネットワーク)のメンバー

イベントの入場料やコミュニティ主催によるセミナーは無料だが(「BSD Conference Japan 2004」のみ別途参加費が必要)、一部有料セミナーも開催された。ビジネスや技術に直接役立つテーマで、SQL入門、spam対策としての発信者認証技術の標準化動向とその実際、社内Blogによる情報共有のすすめなどである。その一つ、来年4月より施行される個人情報保護法をテーマにしたセミナーでは、自らを「リスク管理スト」と称するタイムインターメディアの太田敏文氏が、どのような対応が必要になるかをわかりやすく解説した。

まず、個人情報とプライバシーは別物で、プライバシーマークがあるから対処できていると考えてはいけないとした。しかも法規制の対象は意外に幅広く、半年以上、5000件以上継続して保有している情報となる。年賀状ソフトや携帯電話などは除外されるが、氏名や住所、電話番号が、他の情報と容易に照合して特定の個人を識別できるようなものは、すべて対象になるという。たとえば、生のアクセスログは当該しないが、特定のメールアドレスを抜き出してデータベースとして持っていると対象になる。一般的な顧客管理システムの運用者は確実に個人情報取り扱い事業者となり、おそらく大半の法人も当該するという。だが、どんなに対策を立てても問題は起こる。そこで太田氏は問題がおこった時にどのように対処するかが大切と言う。つまり、個人情報を取得する場合は目的を明示すると同時に、個人情報保護方針と苦情・問い合わせ窓口の明示することだ。法施行をきっかけに危機管理体制を整備するぐらいに考えて対処したほうがいいとアドバイスする。

「法人事業者のほとんどが個人情報保護法への対応が必要になる」と太田敏文氏

個人情報の位置づけ

  • <<
  • <

1/3

インデックス

目次
(1) 国や自治体もオープンソースの動きに注目
(2) 常連にMacUGが加わって盛況だったコミュニティ展示コーナー
(3) 次回はビジネス的な要素も取り入れていきたい


IT製品 "比較/検討" 情報

転職ノウハウ

あなたが本領発揮できる仕事を診断
あなたの仕事適性診断

シゴト性格・弱点が20の質問でサクッと分かる!

「仕事辞めたい……」その理由は?
「仕事辞めたい……」その理由は?

71%の人が仕事を辞めたいと思った経験あり。その理由と対処法は?

3年後の年収どうなる? 年収予報
3年後の年収どうなる? 年収予報

今の年収は適正? 3年後は? あなたの年収をデータに基づき予報します。

激務な職場を辞めたいが、美女が邪魔して辞められない
激務な職場を辞めたいが、美女が邪魔して辞められない

美人上司と可愛い過ぎる後輩に挟まれるエンジニアの悩み

人気記事

一覧

イチオシ記事

新着記事

JR東日本485系「ニューなのはな」8月で引退 - 7月から引退記念臨時列車運行
[23:11 5/31] ホビー
ナインティナイン、今後の野望告白「テレビに出続けること」
[23:07 5/31] エンタメ
マネーツリー、MT LINKと自動車整備工場向けソフト「GATCH」との連携を発表
[23:04 5/31] 携帯
あさりよしとお描く実録ロケット開発「進め!なつのロケット団」1巻、特典も
[22:23 5/31] ホビー
シマンテック、「ノートン ファミリー」にiOS版を追加 - 6月上旬より提供
[22:16 5/31] 携帯

求人情報