【レポート】

Linux Kernel Conferrence 2004レポート

平岡伸二  [2004/10/18]

OSDNジャパンによる、「Linux Kernel Conference」も4回目。今年のカンファレンスでは、Linuxの黎明期からカーネル開発に貢献してきた、David S. Miller氏(Red Hat Inc.)、現在の2.6カーネルのブロックレイヤーコアに貢献したJens Axboe氏(SUSE Labs department)らを海外から招聘。国内開発者とともに、Linuxカーネルの最前線について語った

中野宏朗氏(NTTコムウェア OSS推進部 チーフエンジニア)による「CGL3.0の実現に向けたLive-Patch機能の実装」、鈴木幸市氏(NTTデータ先端技術 オープンソース技術部長)による「Linux障害解析の状況と今後の展望」、三好和人氏(NEC コンピュータソフトウェア事業本部 Linux 推進センター)による「大規模サーバへのLinux適用 ~ エンタープライズ適用に向けた2.6カーネルへの期待 ~」、高橋浩和氏(VA Linux Systems Japan 技術本部長)によるメモリホットプラグの現状と今後」、 中島 達夫氏(早稲田大学 理工学部 コンピュータネットワーク工学科)による「次世代組込みLinuxに向けて」などのセッションが行われた。

中島 達夫氏

ここでは当日最後のカンファレンス、中島 達夫氏による「次世代組込みLinuxに向けて」の概要をお伝えする。今回も多数の参加者が来場し、同プログラムが最終であるにも関わらず空席は少なく、全体にユーザの注目度の高さがうかがわれた。

多くの参加者でにぎわった

最近では組込みOSとしてLinuxが採用される例も増えてきているが、次世代の組込みシステムとしてインターネットに接続され24時間常時稼動することを前提とすると、起動時間や応答性、安全性など、更なる改善が必要だ。携帯電話、カーナビ、デジタルテレビなど、実際にさまざまな機器に組み込んで使用するにあたっては、情報を扱う専用化したデバイスとしての性能が要求される。また、これらの機能を組み合わせてさまざまなサービスを提供することなどが考えられる。このようなサービスは、信頼性やセキュリティ面、通信制御などにおける厳しい応答性など、シビアな要求が多く、現状のLinuxでは不十分な場合も多い。このような問題に対し、QOSサポートによるリソース管理、マイクロカーネルベースのOS、センサーの利用などのアプローチで開発が進められている。

まず、応答性については、基本的な問題として、システムコールの実行中はプリエンプションすることができない、システムコールの実行時間が長いと応答性が低下するなどの問題がある。これについては、カーネルをプリエンタブルにし、割り込みハンドラを抜ける時により優先度の高いプロセスが存在する場合はコンテクストスイッチが起きるようにする。SMPロックを取得中はSMPロックが解放されるまでコンテクストスイッチを遅らせる。これらにより、応答時間がSMPロックを取得している時間にまで短くなる。しかしながら、Linuxの場合、そもそもSMPロックが短いわけではないので、これを極力短く、合わせて割り込み不可の部分をできる限り短くするなどの改善が進んでいる。

ブートタイムについては、組込みシステムの場合、電源ONと同時に立ち上がる必要があるが、もともとLunuxは、デスクトップやサーバ用途を目的として開発されているため、ブートにかなりの時間を要してしまう。これについては、CPUクロックのキャリブレーション、存在しないデバイスプローブや不必要な初期化を省略し、必要でない処理をブート後に行う、などにより、1-2秒でブートするところまで改善されている。

QOSサポートにより、ネットワーク帯域、スケジューリング、CPU資源など、さまざまなリソースを管理する。階層型スケジューラにより、FP(Fixed Priority)とTS(Time share)が使用できるCPUキャパシティに重みをつけて制御する。また、プロセスの集合が指定したリソースを使用しないように制御するアカウンティングの制御と、CPU資源を使いきらないよう、全体の使用率が100%近くなるとアプリケーションに対してシグナルを送るオーバーロードを制御する。これらの実装は、現在モンタビスタジャパンと協力して進められており、最終仕様は日本エンベデッド リナックス コンソーシアムワーキンググループにより検討されている。

信頼性、セキュリティの改善などにおいて、RTLinux、Linux on ITRONなどのハイブリッドアーキテクチャはリアルタイムアプリケーションがクラッシュしたり侵入されたりすると被害が大きいことなどからマイクロカーネルベースのアプローチがとられている。マイクロカーネル上で複数のμITRONカーネル(TOPPERS/JSP)とLinux、アプリケーションが動作し、クラッシュしても他に影響をおよぼさないようなシステムを構築。使用するマイクロカーネルは、ドイツ Karlsruhe大学が開発した、L4 μ-kernelをベースに開発を進めているTL4マイクロカーネルで、スレッド、プロテクションドメイン、メモリページ、IPCなどの機能を提供する。TL4マイクロカーネルは、スケジューラの拡張が行われており、初期性能の評価段階にある。

また、将来の組込みシステムではさまざまなセンサーのサポートが重要になる。例えば形携帯端末についてはノキアジャパンと共同開発が行われている。



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