【レポート】

CEATEC JAPAN 2004 - 実用化間近な製品も登場、各社の燃料電池を紹介

1 音楽プレイヤー、携帯電話など向けにより小型の燃料電池が展示される

    大塚実  [2004/10/12]

    昨年に引き続き、今年のCEATECでも各社が燃料電池を参考出品していた。これまで燃料電池はモバイルPC用の話題が比較的多かったが、今回はより小型の製品が出てきており、特にNTTドコモのFOMA用燃料電池は実際に動作していることもあって、常に人だかりができている状態だった。以下、各ブースの展示を紹介していきたい。

    NTTドコモの展示は来場者の注目を集めていた

    日立

    日立製作所は昨年のCEATECで初めて燃料電池の試作機を公開したが、その時点ではサイズがかなり大きいものだった。それから1年が経過した今回、同社は一回り小型化されたノートPC用・PDA用に加え、携帯電話用のものも展示。携帯電話用はモックアップだが、そのほかは実際に駆動するものだった。

    ノートPC用。ディスプレイの背面に装着している

    窓から燃料カートリッジの残量が確認できる

    ノートPC用の燃料電池はディスプレイ背面に装着されており、燃料はカートリッジ方式。メタノール濃度は20%で、5時間程度の利用が可能となっている。昨年はタンクの容量がかなり大きかったが、メタノール濃度を10%から20%に上げられたことで、小型化に成功したものと思われる。ただそれでも本体に内蔵するにはまだ大きいので、今後はさらに小型化を進める予定だ。

    PDA用。同社のカートリッジは東海が製造している

    携帯電話用のモックアップ。KDDIブースにも展示

    実用化の予定については、2005年中に製品レベルの試作品を作ってテストを行い、発売目標は2006年としている。

    東芝

    東芝は、今年6月に発表した超小型燃料電池を展示。携帯用オーディオプレイヤーなどでの利用を想定したもので、大きさわずか22×56×4.5(最薄部)/9.1(最厚部)mm、重さ8.5gという小型・軽量が特徴だ。

    超小型燃料電池

    仕様の概要

    通常、燃料電池で使われるメタノールは数十%程度の濃度の水溶液であることが多いが、この製品では純メタノールを使用する。そのため少量の燃料で長時間駆動させることが可能となるが、その仕組みについては独自ノウハウとのことで、詳細は教えてもらえなかった。出力は100mWで、2ccの燃料によって小型オーディオプレイヤーを20時間程度駆動することが可能となっている。

    KDDI

    KDDIのブースでは、まだモックアップではあるものの、携帯電話向けに日立製と東芝製の充電器タイプのものがそれぞれ展示されていた。

    モックアップ展示。左が日立、右が東芝

    日立製は上部からカートリッジを挿入

    両社ともパッシブ型の燃料電池を採用しており、メタノール濃度は東芝が100%、日立が40数%とのこと(ただ、日立のブースで聞いたところでは、濃度はまだ決まっていないとのことで、KDDI側の希望ではないか、ということだった)。供給電流は200mAと低く抑えられているため、ACアダプタに比べると充電時間は長くなってしまうものの、ケーブルで接続して端末の充電が可能となっている。

    携帯電話の消費電力は年々増加傾向にある。特に、2005年度中には携帯端末向け地上デジタル放送のサービスが開始される見込みになっており、携帯電話への受信機能の実装が本格化しそうだ。燃料電池は、カートリッジさえ買えば何時間でも連続して利用できるというメリットがあり、地上デジタル放送に向けて同社は注目。今後、出力容量の向上は図られるが、現時点でもカートリッジ1本でテレビの視聴が5時間程度は可能とのこと。

    今回の充電器タイプに引き続き、2005年度には内蔵タイプも試作する予定だ。実用化の時期は未定となっているが、2007年までには投入できるようにしたいとのことだ。

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