【レポート】

IDF Fall 2004 - PCI Expressの現状と今後

1 スペックから見た現状

 
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Intel 925X/915シリーズやATI/NVIDIAの新製品の投入により、まず16xから立ち上がったPCI Expressだが、その他のデバイスに関しては遅れ気味(というか、元々それほど急速に立ち上がる予定はなかった)なのが現状である。このあたりの見通しや今後の展開などについて、会場における展示と共にPCI-SIGのExectiveに話を伺った結果をまとめて報告したい(Photo01)。

Photo01:お話しを伺った2人。左がRichard Baek氏(PCI-SIG executive director)、右がRamin Neshati氏(PCI-SIG Serial Communications Work Group chairman)

スペックから見た現状

まず、PCI ExpressのSpecificationだが、現在リリースされている1.0に続いてアップデートを追加した1.0aを現在策定中だが、この1.0aを包括する形で1.1の策定が始まったことが明らかにされた(Photo02)。この1.1だが、1.0aの全スペックをカバーする上に、大きく4つの新仕様が追加される。その4つとは、

  • SIOM(Server I/O Module):サーバ向けのホットプラグ可能なモジュール仕様。ここで触れた、サーバ向けモジュールの事である。
  • High-End Graphics specification:名前の通り、グラフィックカード向けに最大150Wまでの電源供給を可能にする規格である。
  • Wireless:PCI Expressというか、Expressカードを利用して無線ソリューションを提供するためのスペック。詳しくは後述。
  • Cable:PCI Express Cableを利用しての接続のための仕様である。他にも細かい追加やErrataはあるが、メジャーな変更(というか追加機能)はこのあたりに集約される。このPCI Express 1.1のスペックがまとまるのは来年前半、コンプライアンステストが行われるのは来年後半といったスケジュールが予定されている(Photo03)。

以下、もう少し個別に見てゆこう。まずSIOMに関しては今のところ順調に進展しており、今年中でのスペック確定(Photo04)を目指している。SIOMに関してはIntelも積極的に活用する予定のようで、PCI Express関連セッション以外でも多く言及されていた。

一方High-End Graphics specificationであるが、実は正式名称が一度公開されたのだが、方針が変わってこれが引っ込められてしまったため、引き続きHigh-End Graphics specificationという名前で議論することになる。まぁ要するに追加のパワーレーンに関する規格である(Photo05)。既にNVIDIAの一部のグラフィックカードではこの2x3の電源コネクタを先取りして利用しているが、ハイエンドグラフィックカードではこの2x3コネクタで75W、PCI Expressの電源レーンから75Wで合計150Wという電源供給がなされる事になる。従って75W以下の消費電力であれば2x3コネクタは不要ということになるが、現実問題としてマザーボードからの電力供給に不安があるということで多くのビデオカードが外部電源コネクタを装備しているだけに、このあたりはあまり想定通りにいかないかもしれない。ちなみにこのHigh-End Graphics specificationのスペックは今年中の制定を目指している(Photo06)。

一方PCI Express WFF(Wireless Form Factor)に関しては、現行のスペックはDraft 0.5と比較的初期段階であり、ケース形状案も未だ出ていないなど、もう少し時間を要する状態である(Photo07)。WFFはWi-Fi/WiMAX/Bluetooth/etc...など、様々な無線インタフェースをPCI Expressで利用するためのケース形状などを定めるスペックであり、別にPCI Expressを無線で利用するという訳ではないから、意外に早くまとまるかと思えばそうでもないようだ。例えばWi-Fiを例に取れば、PCカード以外にCFカードやUSBスティックなど様々な形状のカードがあり、PCI Express(というかExpressカード)でも当然こうした省スペースカードの対応が求められるが、一方でExpressカードはシングルハイトだと利用できる電力も半分になるなど実現に厳しい面があり、こうした部分のすりあわせに時間を要しているとの事(Photo08)。実際電源に絡んだ部分が現在最大の問題となっている(Photo09)。さらに今後は動作環境についての考慮も必要(Photo10)と、まだまだ先は長そうである。

最後がCableである。実はこのPCI Express Cableがもっとも仕様策定が遅れている。Cableはというと、例えばI/O Expansionを外部に引き出すとか、ドッキングステーションを使うといった目的で利用される(Photo11)訳だが、このCableのRevisionは現在Draft 0.3という状態。まだ仕様の定義を行っている状態で、先は長いという印象を受けるわけだが、「Revision番号の付け方は恣意的で、実際には0.3の次に0.5が来るといった具合に番号は飛ぶ。なので、0.3だから先は長いとは必ずしも言えない」(Baek氏)とするものの、まだ先が長いことは事実。9月中にRevision 0.5が出るという予定ではある。

Photo02:現在の各スペックのステータス一覧。Gen2に関しては後述。

Photo03:これは1.0の時もそうだが、PCI ExpressのスペックはBase Specといくつかの追加スペックから構成される。Base Specは大きな変更がないが、追加スペックが色々変わってくるため、こちらの制定に時間が掛かることになる。

Photo04:電気的な特性はPCI Expressに完全準拠なので、SIOMでは機械的特性やEMI、ホットプラグ、システムマネジメントなどに関しての仕様が定められることになっている。

Photo05:電源に関しては、PCI Express 16xの12Vレーンと追加パワーレーンの12Vは別々のパワーソースによらねばならず、電圧変動は+5/-8%以内に抑えることなどが要求されている。

Photo06:BTXは後回しでまずATX、というところがちょっと面白い。

Photo07:例えばアンテナ部の取り回しをどうするか、といったあたりでまだ揉めている模様。さすがにカバーする周波数帯域が様々なので、一意に決めるのは難しいということらしい。

Photo08:Mini Cardでは収まりきらない要素が一杯あることが問題だそうで、このあたりは難しい部分だろう。

Photo09:PCI Express WFFでカバーされるスペック一覧。Wi-FiからCDMA、UWBまでカバーするという意欲的(というか欲張り)なスペックだけに、それがこの電源仕様で動作できるかちょっと微妙なところだろう。

Photo10:温度に関する条件や、複数の周波数帯にまたがるアンテナなど、まだ技術的な問題は多い。現在はMini PCIカードがこうした用途に使われているが、アンテナとの接続は基本的に独自仕様だったりするわけで、このあたりを規格化するにはまだだいぶ議論が必要な模様だ。

Photo11:アイディアとしてはこんな感じだが、他にドッキングステーションの接続にPCI Express Cableを使うという可能性もあるだろう。ちなみに現在の仕様では7mまでケーブルを伸ばせることになっている。

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インデックス

目次
(1) スペックから見た現状
(2) PCI Express Gen2他

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