【レポート】
米カリフォルニア州サンフランシスコで、7日(現地時間)からIntel Developer Forum(IDF) Fall 2004が始まった。IDFでは過去数年にわたって、「コンバージェンス(Convergence)」が大きなテーマとなっていたが、今回Intelは「コンバージェンスの実現」を宣言。Paul Otellini社長兼COOによるオープニング基調講演は、「次は何?」という疑問に対して回答を示す場となった。
Intelは今月2日、PC製品や携帯電話などに対する需要の減退を理由に、9月末締めの第3四半期決算予測を下方修正した。だが、WSTSのレポートが示すように、2004年のマイクロプロセッサ市場の規模は、好調だった2000年並みになると予測されている。減速が感じられているとは言え、2001年から2003年に比べると飛躍的な伸びとなっており、バブル後の低迷期を抜けて、上昇気流に乗っている状態である。また、通信関連の半導体市場も同様の変化を遂げており、同社が目指していたコンバージェンス、つまり「コンピューティングと通信の融合」の実現が証明されている。
マイクロプロセッサ市場の成長を支えるもう一つの要因として、Otellini氏はデジタル化の影響を挙げる。2004年に米国では、ユニット数でデータ機能を備えた携帯電話が音声のみの携帯を逆転。音声通話サービスの利用量は2001年から横ばい状態だが、データは2001年から2006年までの間に年間56%増が予想されている。また、Intel社内のデジタルデータの量を例にすると、2001年に約500TBだったデータが2004年には約3,400TBに増加。デジタルデータもムーアの法則に従っているかのように増えているという。
さて、今後のIntelを語る上で、大きなキーワードとなるのが「プラットフォーマイゼーション(Platform-ization)」である。現在、同社では、リサーチ、開発、マーケティングなど、全ての分野でプラットフォームを重視した取り組みを行っている。
8月末にIntelは、65nmプロセスを用いた70Mbit SRAMの試作を発表、同製造テクノロジの順調な開発状況をアピールした。今もムーアの法則を追い続ける同社の半導体開発技術は、豊富な処理能力というゆとりをもたらしてくれる。それが新たな利用モデルの提案という形になり、よりプラットフォームが重視される傾向となる。過去の例だとCentrinoモバイルテクノロジ。今後登場する製品としては、デジタルホーム関連の製品が挙げられる。
デジタルホーム関連では、今年6月にDigital Living Network Alliance(DLNA)仕様1.0がリリースされ、Intelが今年1月のCESで公開したEntertainment PC(EPC)が登場し始めている。さらに今年下半期にはコンテンツ保護配信技術DTCP/IP対応製品が出てくる。
Otellini氏の基調講演では、IntelとTutangが共同開発したEPCとNetgearのDTCP/IP対応デジタル・メディア・アダプターを使ったデモが初公開された。EPCはWindows XP Media Center Editionのユーザーインタフェースに、オンライン映画配信サービス「STARZ! Ticket on Real Movies」が統合されており、リモコン操作で簡単に映画をレンタルできる。さらに別の部屋に設置されたテレビで、デジタル・メディア・アダプターを使ってEPC経由で別の映画をレンタルする。DTCP/IPに対応していれば、1台のPCを中心に、著作権が保護されたコンテンツの自由なやり取りが可能になる。
EPCの成否については意見が分かれているが、その効果についてOtellini氏は、7年間で7億人が観た映画「タイタニック」を例に説明する。この鑑賞記録は不滅と言われているそうだが、「2008年にはブロードバンド接続のPCが15億に達すると見られている。これを利用すれば、より多くの人に、手軽かつ低コストで封切り映画を提供できるようになり、1年で鑑賞者10億人という数字も不可能ではなくなる」と述べる。
基調講演の後半は、プラットフォーマイゼーションを支えるテクノロジに焦点が当てられた。現状で、豊富な機能を支える技術と言えば、Hyper-Threadingテクノロジが挙げられる。2001年秋発表、2002年11月のリリースから2年近くが経過。サーバでは100%、クライアントでは55%が同テクノロジを備えているそうだ。
セキュリティ技術「LaGrande」、仮想化技術「Vanderpool」は次期Windows「Longhorn」に合わせたリリースを目指して順調に開発されているという。春のIDFでは、クライアントPCを使ったVanderpool活用法が紹介されたが、今回はIT部門という設定でデモが行われた。
壇上には4台のデスクトップPCが並べられており、「企業向けアプリケーションをインストールしたPC」「個人向けPC」「エンジニア向けにLinuxを搭載したPC」「IT管理プログラムを備えたPC」の画面が次々にスクリーンに映される。だれもが4台のPCで動作していると思っていたら、実は4台のPCの中身は空っぽ。逆隣りに隠されていた1台のPCで、4台のマシンが動作していた。このような仮想技術はIT分野で、「コスト削減はもちろん、セキュリティや信頼性の向上にも貢献する」(デモを担当したStacy Smith氏)。
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企業向け、個人向け、エンジニア向け、セキュリティ管理と、全く異なる4つのPC画面 |
積み上げられた4つのデスクトップPCで動作していると思わせて、実は空っぽ。4色に塗り分けられた1台のPCが、Vanderpoolテクノロジで4役を務めていた |
昨年秋のIDFでOtellini氏は、Centrino、Hyper-Threading、LaGrande、Vanderpoolを4つのT(テクノロジ)としていたが、今回マネージャビリティが新たなTに加えられた。Otellini氏によると、IT支出の80%がビジネス維持のために使われているそうだ。非生産的な支出であり、そこでIntelは「コスト削減ためのアウトソーシング」ならぬ、「シリコンによるインソーシング」の可能性に着目した。ハイエンド製品ではすでにマネージャビリティを実現する機能が実現しているが、モバイルからサーバまでクロスプラットフォームのマネージャビリティ実現を目指す。
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