【レポート】
25日、東京都の毎日ホールで、毎日新聞社、インフォアクシア主催の「第1回ユニバーサロン・アクセシビリティセミナー 生激論! Flashのアクセシビリティ徹底検証!」が開催された。
第1部パネルトーク「アクセシブルなFlashコンテンツの制作方法」では、まずインフォアクシアの植木氏より、Flashがウェブアクセシビリティに敵対するものであるという3つの意見に対する説明があった。
この3つの意見とは、1番目に視覚障害者が使用している音声読み上げソフトに対応していない。2番目に視覚障害者や上肢不自由者などがマウスを使うことができず、キーボードのみで操作している場合があるのに、Flashはキーボード操作だけでは閲覧できない。具体的にはタブキーを押してフォーカスを移動すると、ユーザーにとって思わぬ順番でフォーカスが移動する(Flashでは、基本的に左上から右下に向かってタブが移動するように計算式が設定されている)。3番目に、HTMLページにFlashが埋め込まれている場合、いったんFlashにフォーカスを移動すると、キーボード操作のみではFlashから抜け出すことができないという点である。
ただし、これらの問題はFlash MX/MX 2004では解消されている。1番目の問題に対しては、Flash MX/MX 2004では、[ウィンドウ]→[他のパネル]→[アクセシビリティ]でアクセシビリティパネルを表示すると、「名前」でボタンやオブジェクトに音声読み上げソフト用の代替テキストを付けることができる。HTMLの画像にalt属性で代替テキストを付けるのと同じような簡便さだ。
2番目の問題についても、アクセシビリティパネルでタブの移動順を指定することで解決できる。3番目の問題はコンテンツ側ではなくFlash Player側の問題で、最新のFlash Player 7では、キーボード操作でもFlashからHTMLにフォーカスを移動することができるようになっている。
1番目と2番目の問題については、FlashクリエーターのトゴルカンパニーのNORI氏より、Flashのアクセシビリティパネルを使って、代替テキストとタブの移動順を設定する方法と、視覚障害者が使用する音声読み上げソフトで、どのように音声で表現されるのかの実演があった。
次に富士通の高橋氏と富士通アプリコの秋山氏より、富士通のプラズマディスプレイの説明に使用しているFlashをアクセシブルなものにしているという事例紹介があった。
富士通は、独自のアクセシビリティ指針の公開、アクセシビリティ・チェックツールの無償提供など、ウェブアクセシビリティに対して積極的に取り組んで来ている。なぜプラズマディスプレイの説明にあえてFlashを使用したのかという問いに対しては、動画を使う方がプラズマディスプレイの技術を動きや時間軸で表現しやすいからという回答があった。
アクセシビリティに問題ありと見られているFlashであるが、使い方によっては、文字よりも多くの情報をユーザに提供することができるものの、アクセシブルなFlashを実際に作成しての苦労としては、個々の音声読み上げソフトの「癖」によって、読み上げられ方が違う点が挙げられた。
音声読み上げソフトでも、視覚障害者に広く普及している日本アイ・ビー・エムの「ホームページ・リーダー」のようにFlash未対応のものがあったり、Flash未対応のNetscape 4.xのようなブラウザを使っている人、Flashを使える環境でもFlashプラグインを外している人がいるため、Flash用のページとFlashを使用しない通常のHTMLページの両方を用意する必要が、まだまだある。
富士通では、HTML版、Flash版、文字を拡大したFlash版の3つのバージョンを用意してこれに対応している。富士通が制作したアクセシブルなFlashコンテンツの制作方法については、同社のウェブサイトでも情報公開されており、参考になる。
第2部ディスカッション&質疑応答の「Flashはどこまでアクセシブル?」では、多数の質問が寄せられ、全てには回答しきれないという盛況ぶりだった。
Flashを使用した場合、日本語の音声読み上げに対応するために注意する点はという質問については、HTMLのテキストの場合と同様に、文字の間にスペースを入れないようにするという回答があった。スペースを入れると単語としてではなく、1文字ずつ発音されるため、音声読み上げソフトで正しく読み上げられないという注意点が示された。
また、自分が作っているFlashが本当にアクセシブルなものかチェックする方法がないが大丈夫かという質問には、Flashコンテンツのアクセシビリティを自動的にチェックするツールがまだなく、検品に時間がかかること、ツールのみで果たしてユーザーに満足してもらえるコンテンツとなっているか、制作側としても、そのようなチェック機関が欲しいとのコメントがあった。
毎日新聞ユニバーサロンでは、これまでもアクセシビリティ、ユニバーサルデザイン関連のイベントを行ってきたが、ウェブアクセシビリティに特化したセミナーは今回が初めてで、今後も継続する予定とのことである。
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