【レビュー】

さらにコンパクト、さらに手ブレ知らず - 「LUMIX DMC-FX7」

 

手ブレ補正、独自の画像処理エンジン、コンパクトなどの特徴を備えた「LUMIX DMC-FX7」が登場した。従来からさらに小型化を図ったことに加え、光学手ブレ補正も約3段分以上といっそう強力になっている。その実力を試してみた。

使いやすいコンパクトなきょう体

今回のFX7は、従来モデルの「DMC-FX5」と比べて、幅で約13.6mm、奥行きで約3mm、質量で30gの小型・軽量化が図られている。従来モデルよりも幅が1cm以上小型化されており、今までの「横長」という印象はだいぶ薄くなっている。体積では約2/3になっているそうで、シャツの胸ポケットでも収まりがいい。

外観でもっとも印象的なのは背面の液晶モニタだ。2.5型11.4万画素の低温ポリシリコンTFT液晶は、大型のため構図や撮影画像の確認で使いやすく、人に撮影画像を見せる場合も効果的だ。明るさも十分なほか、「パワーLCDボタン」を長押しすることでバックライトを約40%明るくさせることができる。海辺の強い日差しの下でも、これを使えば何とか画面を確認できるレベルにまで明るくなった。

いっそうコンパクトになったきょう体

手のひらにすっぽり収まるサイズ

液晶の大型化などに伴って背面ボタンのレイアウトや形状は大きく変更されており、モードダイヤルは背面から上部に移動、円形の操作ボタンも独立した5つのボタンになった。電源スイッチはシャッターボタンの左横に、手ブレ補正ボタンはシャッターボタン右側に配置されている。

起動や終了時間、レリーズタイムラグ、AFスピードなど、基本的なレスポンスは不満のないレベル。公称ではレリーズタイムラグが最短0.008秒、撮影間隔(AF除く)が約0.4秒だ。ただ、本体をコンパクトにしたための結果だろうが、CIPA準拠で約120枚という撮影可能枚数(付属バッテリ時)は少々心もとない印象だった。バッテリ自体もバッテリチャージャーも小型なので、複数のバッテリを持ち歩き、旅行の時などはチャージャーもかばんに入れておくといいだろう。

背面はとにかく大型の液晶が目立つ

画面は視認性がよく、情報をたくさん表示してもじゃまに感じない。撮影中のリアルタイムヒストグラムの表示も可能だ

バッテリは小型・薄型。チャージャーも小さい

メニュー画面は2.5型の大型液晶モニタのおかげで視認性がよく、画像処理エンジン「ヴィーナスエンジンII」を搭載して最大127色の表示が可能になったということで、カラフルで見やすいメニュー画面を実現している。

設定項目はこのクラスとしては平均的な印象で、ホワイトバランスやISO感度、AFモード、スローシャッターなどの項目が設定できる。ホワイトバランスはオート/晴天/曇り/白熱灯/セットモード、ISO感度はオート/ISO80/100/200/400、AFモードはスポット/1/3/9点、スローシャッターは、1/8・1/4・1/2・1秒からそれぞれ選択できる。

マクロモードでは5(W端)/30(T端)cmまで近寄れるほか、シーンモードはポートレート/スポーツ/風景/夜景/夜景ポートレート/花火/パーティー/雪/自分撮りが選択できる。スポーツ/花火/パーティー/雪が新たに追加されたモードだ。

撮影時のメニュー画面。カラフルになったのはヴィーナスエンジンIIのおかげだそうだ

効果が感じられる3段以上の手ブレ補正

FX7の最大の特徴は、新画像処理エンジンのヴィーナスエンジンIIと光学手ブレ補正だ。高倍率ズームでなく、光学3倍ズームのコンパクトカメラながら手ブレ補正を搭載している点が、他社にはない特徴と言えるだろう。

レンズはもちろんライカDCバリオ・エルマリート。新開発のもので、6群7枚構成(非球面レンズ3枚)

同様の機構は前モデルのFX5でも搭載されていたが、今回はヴィーナスエンジンIIに制御システムを内蔵、手ブレを検知するジャイロセンサーのサンプリング周波数を480回/秒から4,000回/秒へと高精度化、高速化したことで、従来「絞り2~3段分の効果」とされてきたところを、「絞り3段以上」に向上させた。

片手で撮影するようなゆっくりとした手ブレも、高倍率撮影時の速い動きの手ブレも、いずれに対しても効果を発揮するそうで、液晶モニタを利用することでブレやすく、しかも小型のためにさらに手ブレしやすいコンパクトデジタルカメラにとって適した機構だと言えるだろう。

手ブレ補正は、本体上部のシャッターボタン右側に専用ボタンが配置されており、長押しすることで手ブレ補正機能のオフと「MODE1」「MODE2」の変更が行える。MODE1は常に手ブレを補正するモードで、MODE2はシャッターボタンを押す瞬間にのみ手ブレを補正するものだ。

手ブレ補正は上部のボタンでオン/オフができる

ボタン長押しで切り替え画面が表示されるので、オフやモードの選択が可能

MODE1の場合、液晶モニタで構図を確認している間も手ブレ補正が効いているため、特に望遠時やマクロ撮影時に有効だ。モニタを見ながらこれを設定すると、急に画面のブレが落ち着き、その効果を実感できる。MODE2は撮影する瞬間に補正が働くため、モニタを見ている段階では効果を見ることができない。しかし、撮影時に一気に補正するため補正効果が高いとされており、スローシャッター時などは効果が最大となるこちらを利用した方がいいようだ。

一般的に手ブレしないシャッタースピードは、1/(35mm判換算の)焦点距離と言われている。FX7の場合、W端35mmからT端105mmの3倍ズームなので、手ブレをオフにした場合は、W端で1/30秒、T端で1/125秒あたりが手ブレをしない限界点だ。FX7の場合、「3段分以上」と言われているので、W端で1/5秒以下、T端で1/15秒以下のシャッタースピードでも手ブレしない、と考えられるわけだ。

実際に試してみると、さすがに常に手ブレしない、というわけにはいかなそうだ。もちろんこれは撮影テクニックも影響してくると思われるので、なかなか一概には言えない部分なのだが、それでも確実に効果は実感できる。手ブレ補正オンでも手ブレしてしまった写真を見てみると、オフの時に比べて明らかに手ブレ量は減っており、また、オフの時はどんなに頑張っても手ブレしたシャッタースピードの時に、オンでは手ブレせずに撮影できた場合も多かった。

2412KB 1569KB 1522KB
  • シャッター速度:1/8秒
  • 絞り:F2.8
  • 感度:ISO200
  • シャッター速度:1/10秒
  • 絞り:F2.8
  • 感度:ISO200
  • シャッター速度:1/4秒
  • 絞り:F2.8
  • 感度:ISO200

いずれも手持ち。1/10秒の写真(中央)のみ片手持ちでピントがあった瞬間にシャッターボタンを押し込んだ。残りは両手持ちで、慎重に撮影した。すべて「MODE2」で撮影。なお、シャッタースピードは「スローシャッター」として1/8秒~1秒まで選択できるが、撮影ごとに指定することはできない。絞り、ISOはオートで撮影

実感としては、W端で1/4秒の時、手ブレ補正オフの時はだいたい手ブレ写真になり、オン(MODE2)の時は手ブレしない写真の方が多くなった。試しに一眼レフカメラを使って同じシャッタースピードで撮影したところ手ブレをしてしまったので効果はあったようだ。

ちなみに1/4秒の時は両手でしっかり構え、慎重に手ブレしないようにしていたのだが、コンパクトカメラにありがちな、片手で構えた場合はどうだろうか。

試してみると、W端でシャッタースピード1/10秒の時、手ブレ補正オフでは全画像が手ブレした。手ブレ補正オン(MODE2)の時は半分程度が手ブレしなかった。なるべく実際の使い方を想定して片手で構え時間をかけずに素早くシャッターボタンを押す、といったやり方だったのだが、1/10秒で手ブレしなかったのには驚いた。やはり手ブレ補正の効果は高い、と言えるだろう。

1522KB 2063KB
  • シャッター速度:1/10秒
  • 絞り:F2.8
  • 感度:ISO200
  • シャッター速度:1/4秒
  • 絞り:F2.8
  • 感度:ISO200

こちらは手ブレ補正オフ。さすがに大きく手ブレした。条件は上の写真とほぼ同じ

過信は禁物、ただ救われる写真は増える

手ブレ補正の効果は実感できたが、もちろん万能な機能ではないので、過信は禁物だ。そもそも1/4秒とか1/10秒になると、手ブレと同様に被写体ブレも起こりやすくなるので、ブレた写真がなくなるわけではない。

ただ、手軽な気持ちで撮影しても手ブレしない可能性が増えるのはありがたい。室内の撮影でフラッシュをたくと雰囲気が損なわれたり、寝ている子どもを起こしてしまったり、そもそもフラッシュが使用禁止の場所だったりで、フラッシュが使えない(使いたくない)場面は意外に多い。そんなとき、慎重に構えさえすれば、高確率で手ブレしない写真が撮影できるFX7は、非常に有効なカメラとなるだろう。

1703KB 1803KB
  • シャッター速度:1/8秒
  • 絞り:F2.8
  • 感度:ISO80
  • シャッター速度:1/8秒
  • 絞り:F2.8
  • 感度:ISO100
2092KB 2376KB
  • シャッター速度:1/8秒
  • 絞り:F2.8
  • 感度:ISO200
  • シャッター速度:1/15秒
  • 絞り:F2.8
  • 感度:ISO400

基本的にシーンプログラムかオートで撮影するためのカメラなので、設定できる撮影機能は多くない。これはISO感度を変更してみたところ。なお、これは3脚を利用している。3脚穴がきちんと用意されている点は好感が持てる


2476KB 2129KB 2250KB
  • シャッター速度:1/400秒
  • 絞り:F5.6
  • 感度:ISO80
  • シャッター速度:1/320秒
  • 絞り:F5.0
  • 感度:ISO80
  • シャッター速度:1/320秒
  • 絞り:F5.0
  • 感度:ISO80

真夏日の強い日差しの中、干潟を撮影。レンズの焦点距離は35mm判換算で35~105mm。AF精度と合焦速度は良好だった。いずれも風景モードで撮影


1187KB 1828KB
  • シャッター速度:1秒
  • 絞り:F2.8
  • 感度:ISO80
  • シャッター速度:1/400秒
  • 絞り:F5.6
  • 感度:ISO80

室内(左)と屋外(右)でのマクロ撮影。いずれもマクロモードで撮影


1766KB
  • シャッター速度:2.5秒
  • 絞り:F2.8
  • 感度:ISO100

夜景を撮影。さすがにこのシャッタースピードでブレずに手持ち撮影を行うのは不可能

○主な仕様

モデルLUMIX DMC-FX7
撮像素子1/2.5型原色CCD
有効画素数500万画素
レンズライカDC VARIO-ELMARITレンズ 6群7枚(非球面レンズ3枚)
焦点距離35~105mm(35mm判換算時)
F値F2.8~F5.0
デジタルズーム4倍
撮影可能範囲通常:50cm~∞、マクロ/かんたんモード時:5(W)/30(T)cm~∞
ISO感度オート/ISO80/100/200/400
ホワイトバランスオート/晴天/曇り/白熱灯/セットモード
撮影モードかんたん/通常撮影/マクロ/動画/シーン(ポートレート/スポーツ/風景/夜景/夜景ポートレート/花火/パーティー/雪/自分撮り)
シャッタースピード8秒~1/2000秒
連写高速連写(H) 3コマ/秒・7コマ(スタンダード)、低速連写(L) 2コマ/秒・7コマ(スタンダード)、フリー連写モード(∞) カード容量いっぱいまで・連写速度はカード書き込み速度に依存
動画320×240・30fps/10fps
液晶モニタ2.5型 11.4万画素 低温ポリシリコンTFT液晶
記録メディアSDメモリーカード/マルチメディアカード
バッテリリチウムイオンバッテリーパック (付属、3.7V、710mAh)、バッテリチャージャー/ACアダプター(別売、100~240V対応)
電池寿命約120枚(CIPA規格)
サイズ約94.1(W)×50(H)×19~24.2(D)mm
質量約135g(本体のみ)/約153g(撮影時)
価格オープンプライス

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