【レポート】

4分の1が韓国勢の第6回ROBO-ONE - 怒涛の大混戦を制した日本のロボット

4 6時間近くに及んだ今大会で圧倒的強さの覇者

    山田久美  [2004/08/17]

    準決勝を戦うロボット4体

    結局、準決勝進出を果たしたのは坂本元氏のHAJIME ROBOT、九州大学の2325-RV、Inyong Ha氏とRick Jang氏のCycloid II、森永英一郎氏のMetallic Fighterの4台であった。

    最初に対戦したのはHAJIME ROBOTと2325-RVで、どちらもROBO-ONE大会の常連選手だ。 パンチ力やしっかりとした安定感で多くの実績を残してきた身長40cm、重量2.5kgのHAJIME ROBOTであったが、身長45cm、重量5kgという最重量の2325-RVの圧倒的な強さには太刀打ちできず、決勝戦進出はできなかった。

    また、Cycloid IIとMetallic Fighterの試合では、Cycloid IIが勝利し韓国チームが見事決勝戦に進出した。

    一方、決勝戦進出は果たせなかったものの、第1回ROBO-ONE大会から出場し、このロボットを見てロボット制作を始めたという人も多いと聞く森永英一郎氏のMetallic Fighterも前回以上にパワーアップしていた。

    「今回力を入れたのは2点です。1点目は俊敏さで、いかに素早く歩き、ターンするかに注力しました。2点目は防御力です。パンチを受けたときに自動的に防御する機能を搭載しました。前回、2325-RVにパンチを浴び、リングの外に落とされたので、今回はパンチを浴びても自動的に踏んばるようにしました。勝っても負けても、お客さんに見に来て良かった、楽しかったと思ってもらえるようなロボットをこれからも作り続けていきたいですね」(森永英一郎氏)。

    動画
    勝利を喜び観客に手を振るMetallic Fighter(wmv形式 219KB 8秒)

    そして、ついに決勝戦…

    圧倒的な強さを見せ付ける2325-R

    決勝戦は九州大学ヒューマノイドプロジェクトの2325-RVとInyong Ha氏とRick Jang氏によるCycloid IIとの対決となった。Cycloid IIは身長41cm、重量2.7kgで、2325-RVに比べ、大きさのハンディはあるものの、相手を引いて倒すという"引き倒し"の技で応戦。しかしながら、途中で動かなくなってしまうなどのトラブルに見舞われ、残念ながら敗退した。結局、九州大学ヒューマノイドプロジェクトの2325-RVが、第5回ROBO-ONE大会に続き、連続2回目の優勝を果たした。

    「前回の2325-RXは身長35cm、重量1.9kgの比較的小型のロボットでしたが、今回は、前回の優勝賞金100万円を使って1個数万円のサーボモーターを20個購入し、大きくて壊れにくいロボットを作ってみました。逆に、「やたら強くてすみません」って感じですね。でも、実際の操縦してみると、重いロボットは手が疲れるし壊れやすいので、小型・軽量ロボットの方が扱いやすくていいなというのが正直な感想です。また、確かに強いですが、今回は完全に悪役になってしまっていて、それって僕らのやり方ではなくなってしまったような気がしているので、次回は小型のロボットに戻したいですね」(九州大学ヒューマノイドプロジェクト)。

    動画
    今回は悪役になってしまったという九州大学の2325-RV対Cycloid2の試合。2325-RVが優勝(wmv形式 909KB 26秒)

    確かに、メンバーが言う通り、前回はロボットファンにおなじみの漫画家で、特別審査員として参加した神矢みのる氏が、「2325-RX」を「強いだけでなく情のあるいいロボット」と評していたのに対し、今回の2325-RVは、相手のパンチやキックを物ともしない圧倒的な強さはあったものの、小回りの利く俊敏な動きや切れのある美しい技はあまり見られなかった気がした。しかしながら、1ラウンド終わるたびに、メンバー全員でうちわや小型扇風機を使ってモーターを必死に冷やしている姿は非常にほほえましく、こんなところに九州大学ヒューマノイドプロジェクトのひたむきさを感じてしまった。

    動画
    2325-RVを一生懸命冷却する九州大学(wmv形式 157KB 5秒)

    マジンガーZ作者・永井氏、「老後はロボットのお世話に」

    6時間近くに及ぶ第6回ROBO-ONE大会の決勝トーナメントはこうして幕を下ろしたが、最後に永井豪氏が、「初めて見ましたが、非常に楽しかったです。ロボットの未来は明るいと思いました。老後は是非、ロボットのお世話になりたいと思います」と感想を述べた。

    また、ROBO-ONE実行委員会委員長の西村輝一氏も「今回は重量クラスのロボットが優勝しましたが、回を追うごとにどんどん面白くなってきています。これまで、ロボットの技術力の向上に合わせて、我々もルールの見直しを図ってきましたが、参加者の皆さんの技術の進歩の方が速く、こちらの方が追いつけない状況で、頼もしく思っています。今後も、さらに面白いROBO-ONEになるよう、検討を重ねていきたいです。数十年前、永井先生がマジンガーZで描いた夢をROBO-ONE参加者の皆さんが現実のものにしようとしています。これからも、夢と感動、そしてそれを現実のものとしていくことを目指して、皆さんと共にROBO-ONEを育てていきたいです」と述べ、大会を締めくくった。

    (山田久美 k-yamada@pc.mycom.co.jp)

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