【レポート】

ゴルフ場でも情報配信サービス、無線LANで選手の位置・スコアが分かる

    大塚実  [2004/08/16]

    NECは、13日~15日に開催された「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」(主催:NECグループ)において、コース上の各選手の現在位置やスコアなどの情報をリアルタイムに配信可能なシステムの実証実験を行った。これは、同社が開発した「GPSを利用した選手位置情報表示システム」。会場には特設ブースが設けられており、来場したギャラリーが実際に利用して試すことができるようになっていた。

    会場となった「軽井沢72ゴルフ 北コース」

    こういったスポーツ観戦にITを活用する試みは、インディジャパン300マイル鈴鹿8耐など、レース競技で盛んだ。各種データを詰め込んで流してくれるテレビ中継とは異なり、現場の競技会場では得られる情報の量・質が限られる場合が多い。もちろん、生でしか味わえない醍醐味というものはあるのだが、観戦者に知りたいデータを素早く提供してくれる情報配信サービスは、より楽しく・便利に観ることができるツールとして、スポーツ観戦と相性がいいと言えるだろう。

    今回、NECのシステムを使って利用者が得られるのは、(1)GPSを利用して得られたコース上の選手の現在位置(2)各選手のスコア(3)選手のライブ映像--といった情報。会場となる「軽井沢72ゴルフ 北コース」では、コース中央近くのギャラリープラザ、および入口付近の18番ホール横にブースを設置。それぞれのブースには、同社ビジネス向けノートPC「VersaPro」(各10台、5台)と100インチ大型ディスプレイが用意されていた。

    システム概要

    大型ディスプレイ

    システムの構成だが、まず選手の位置情報には同社の「NESPIT(ネスピット)III」を使用。これは携帯電話よりも一回り小型の端末で、GPSにより現在位置を取得、800MHz帯の通信で位置情報をサーバへ送信する。今回の実験では各組が1つ携帯しているとのことで、各選手の正確な実際の位置を特定することはできないが、その選手がどのホールを回っているのか、大体は知ることができる。

    左が「NESPIT III」。ちなみに右は同社のTVケータイ「V601N」

    腰に携帯することも可能だが、さすがに選手自身には付けられない

    また配信は、米Scalaの「InfoChannel3」を中核とする同社ブロードバンドディスプレイソリューションを利用。大型ディスプレイやノートPCに対し、選手の位置・スコア情報、ライブ映像を配信する。大型ディスプレイはそれらの情報が随時切り替わる仕組みだが、ノートPCではユーザーが簡単なインタフェースを使い、インタラクティブに知りたい情報へとアクセスできるようになっている(ただし、今回の実証実験では、ライブ映像だけはノートPCに配信されていない)。

    大型ディスプレイの表示。これは選手の現在位置

    スコアのほか、左下にはライブ映像

    サービスの体験コーナーでは実際に利用できる

    使用されていたのはCentrinoノート「VersaPro」

    端末となるノートPCには専用ソフトウェアがインストールされており、各組の現在位置が表示されるほか、そこで選んだ選手のスコアを見ることもできる。インタフェースもシンプルで分かりやすく、ブースにいた担当者によれば、ほとんどの利用者がスムーズに使うことができていたとのこと。感想は「便利」というものが多く、概ね好評だったという。

    各選手の位置(コース全体図)。専用ソフトがインストールされている

    各コースを拡大することもできる。10番ホールには注目の宮里藍選手が

    ここで「14組」をクリックすると、個人スコアが表示される

    また、選手の検索機能もある。選択するとより詳細なデータが

    しかし、不満としてあげるとするならば、やはり限られた場所でしか利用できないということ。このようなサービスがあるのなら、コース内のあらゆる場所で自由に使いたい、とは誰しもが思うところ。ゴルフ観戦などは場所が広いだけに、その思いはなおさらだろう。また、より携帯が容易なPDAへの対応も期待されるところだ。

    各ノートPCは無線LAN接続されている。せめて各ホールにアクセスポイントがあれば……

    コースに設置されているボードでも位置の確認はできるが、人手を介すので少し遅い

    今回は残念ながら見送られたが、同社もこれは検討事項として認識しており、実用化に向け、今後はこのあたりの改善が行われることになるだろう。ただし、選手にとってゴルフは集中力が重要なスポーツ。そのためギャラリーの携帯電話やカメラの使用は厳しく制限されており、コース内でノートPCなどの利用を認めるのであれば、今後はそのためのルール作りがまず必要になってくるかもしれない。

    ちなみに、同大会には2002年、2003年と2連覇中の福嶋晃子選手を始め、不動裕理・北田瑠衣・宮里藍の各選手などが出場。大会3連覇を目指す福嶋選手は、最終日トップタイの9アンダーでのスタートと好調な出だしを見せるが、同じく9アンダースタートの北田選手が途中3ストローク差を逆転して優勝した。一方、注目のスーパールーキー宮里選手はこの日9バーディ、1ボギーの猛烈な追い上げで、福嶋選手に並ぶ2位タイと健闘を見せた。

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