【レポート】

DAF東京2004 - 内外のデジタルアートやデジタルガジェットに夢中

5 優れた作品の数々に、早くも次回への期待が高まる

    山田久美  [2004/08/09]

    また、「Room Sounds Chronicle」は、canadeの山本尚明氏と西垣浩平氏による作品で、部屋の照明スイッチにその日の記録が刻まれるというもの。スイッチのオンオフの回数によって、スイッチの周りに点灯するライトの数や位置、鳴る音楽が異なるという。「日常的に使い続けるものというのは単に丈夫なだけではなく、使う人に何か影響を与えるものであってほしいと思っています。スイッチは日常生活の空間に当たり前のように存在し、1日の終わりには必ず使うものです。ですので、例えば、部屋の電気を消した瞬間、その日1日を振り返ったり、思い出したりする機会を与えてくれるようなものであってほしいと思い、この作品を作りました」(山本氏)。

    「Room Sounds Chronicle」は、canadeの山本尚明氏と西垣浩平氏による作品。部屋の照明スイッチにその日の記録が刻まれる

    canadeのメンバーである大場智博氏、山本尚明氏、岡部健作氏と、「Room Sounds Chronicle」を山本氏と制作した西垣浩平氏

    遠藤孝則氏、繁田智行氏による「音カン」は音をしまっておける缶だ。ふたを開けて缶の中に向かって声を出し、ふたを閉じて、缶の側面に耳を傾けると、その声が繰り返し聞こえてくるようになっている。しくみとしては、缶の中に光センサを入れ、ふたを開け閉めすることでレコーダーをオンオフ。ふたを閉めると、録音した音を再生し続けるというものだ。「『王様の耳はロバの耳』という童話を基にこの作品を考えました。穴を掘って、その穴の中に向かって言葉を叫んで穴を埋めたところ、あとでその穴が掘られて、穴の中から閉じ込めたはずの言葉が出てきてしまうというお話しです。そこで、音をためておける入れ物を作ろうと考えたのです」(遠藤氏・繁田氏)。展示会場では、小学生の子供を連れた父親が子供と一緒に音カンで楽しそうに遊んでいる姿が印象的だった。

    遠藤孝則氏、繁田智行氏による「音カン」。缶の中に光センサを入れ、ふたを開け閉めすることでレコーダーをオンオフ。ふたを閉めると録音した音を再生し続ける

    作者の遠藤孝則氏と繁田智行氏

    その他、会場内には大型スクリーンが設置され、2003~2004年のベストセレクションに選ばれた映像作品が上映されていた。また、デジタル・シアターコーナーには、NHKみんなのうた「TOFU」で人気の迷子堂の井上雪子氏、稲嶺真子氏をはじめ10組の映像作家の作品を紹介するモニターも設置され、来場者で賑わっていた。

    さらに、パナソニックセンターの2階と4階でもワークショップやシンポジウム、映画が開催されるなど、第2回目となる今年の「デジタルアートフェスティバル東京2004」は、昨年に比べ、一段とスケールアップしていた。来年はどんな魅力的なアーティストの作品が並ぶか、すでに今から非常に楽しみである。

    (山田久美 k-yamada@pc.mycom.co.jp)

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