【インタビュー】

モバイルだからあきらめない - 富士通LOOX T開発者たちに聞く

1 LOOX T70/50Hでの基本的な取り組み

井原久美子  [2004/08/02]
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2004年4月、富士通の夏モデルとして発売されたFMV BIBLO「LOOX T70/50H」は、現行のFMVシリーズの中でも、最も小さく、最も軽い。しかも光学ドライブを搭載し、指紋認証装置を採用するなど、コンパクトなきょう体にぎっしりと機能を盛り込んでいる。このLOOX T70/50Hについて、富士通の開発担当者にお話を伺うことができた。インタビューにお越し頂いたのは、栗林健氏(パーソナルビジネス本部 モバイルPC事業部 第二技術部)、柴田一治氏(同事業部 同技術部)、田中開悟氏(同事業部 第三技術部)、大平竜弘氏(同事業部 開発部)、澤口亮氏(総合デザインセンター プロダクトデザイン部)。開発者たちの意気込みと、開発過程などを聞いた。

左から、澤口亮氏、田中開悟氏、栗林健氏、柴田一治氏、大平竜弘氏

受け継がれるLOOXのデザイン

きょう体そのものを見てみると、つるりとした滑らかな表面に、角のない長方形ボディ。大きく「FMV」のロゴがついているわけでもなく、非常にシンプルだ。しかし、持つだけで気分を引き締めてくれるような、そんな卓越した雰囲気がある。デザインコンセプトはどのようなものだったのだろうか。

「もともとLOOXという機種はありましたから、そこからの流れはかなり強いですね。やはり、富士通のフラッグシップというか、今までにないインパクトが欲しい製品としてやってきましたから。当然、アイデアの段階では違う方向もいくつか出させて頂いたんですが、デザインのコンセプトをもう少し定着させたいということで、わりと前回の形を継承した部分はあります」

「前回の製品はやはり、重いだの、ちょっと厚いんじゃないかとか、だいぶ他のメーカーと比較されたところがあります。ですから、そのあたりを徹底的に削いで『薄く・軽く』、と。当然、薄く・軽くとくれば女性や若い人にも持ってもらいたい。デザインも、ぱっと見は変わらないかもしれないですが、さらに質感をあげて、所有感というか、持つ喜びを味わってもらえるような製品として開発してきました」

製品のイメージを変えるのではなく、徹底的に今の質を高めたという。その延長線上に誕生したのが、今回登場したホワイトモデルだ。

「ホワイトも、一般的なホワイトと言ってしまうと、ただ単に白になってしまう。光沢系も結構流行っていて、試しに塗ってはみたんですが、それに比べるとこの白は若干暗めになっています。フレーム周りのシルバーの部分との相性の良さや、大人っぽさを、というところでの"白"。やはりモバイルユーザーというのはある程度PCを知っている方ですので、それだけに知的とか、そういうキーワードに持っていっています。キャリアウーマンじゃないですけれど、そういう人に持ってもらって絵になるような"白"ですね」

シンプルに見える中でも、色へのこだわりがしっかりと目に見える。ユーザーの反応を見ても、その点がホワイトモデル人気の理由のようだ。

あきらめないモバイルというコンセプト

ただし、LOOXが変わったのは外見だけではない。モデル数が多くサイクルが短いPC製品は、CPU 100MHzの動作周波数向上で新製品として発売される例も珍しくないが、LOOXは表面では確認できない基板やパーツ配置の面で、実に多くの様々な取り組みがなされている。まずは、ネットワーク系I/Oや拡張バスなど、周辺機器について伺った。

「LOOX Tでは基本的に、モバイルだからついてないとか、モバイルだからできないというようなことはなるべくしたくない。どちらかというと、あるものを全て凝縮したような形で、カードスロットなども一通りついています。そういうところは前モデルをきちんと検証した上で、機能はつけたまま、小さく軽くを実現していきたいと。前回から見直した部分というと、CRTのコネクタです。前モデルはどうしてもスペースの関係上、専用の小さいものだったんですが、今回は標準でつけています。同じ様なことで、テレビにつなげるS端子も標準のコネクタをつけています。そうすることによって、持って歩く、例えば、出張に行ってプレゼンをやるというような時にも、変換コネクタを持っていかなくていい。だからモバイルユーザーにはより便利なものなのかな、と」
「設計といっても、前回でかなりやりつくしたところがあって。また一から見直して、あちこちに迷惑をかけながらどんどん積んでいって、やっと積めたという感じですね」

小型化による基板とパーツの再編成

「前回に比べると、メイン基板が7割ぐらいの面積で収まっています。部品のレイアウトなども詰めてもらって、どんどん小さくなっていく中で、薄型化もできたし、コネクタを積むようなスペースも基板上に取ることができました」
「前回は3分の2くらいのスペースを基板が占めてしまっていたんです。装置の半分ぐらいで収めようと、別途進めていた取り組みがやっとここまできた、というところはありますね」
「あとは細かい見直しの積み重ねと、部品の最適レイアウトですね」
「例えば、どこにコネクタを配置すれば一番パターンがひきやすいかとか、どの組み合わせが一番いいかとか。メモリも以前は1スロットだったんですが、今回は2スロットを実装しています。そのあたりのレイアウトでもかなり苦労しました」

「2スロットにするのか、1スロットにするのか、そのたびに設計して、ずっとできないできないと言っていたのが、最後にできて『よしよかった!』っていう(笑)」
「これくらいの大きさで基板を作ってくださいと言われるんですが、きょう体が小さいので、こういう具合にサイドに配置したいとなると、ファンの部品がまわらないとか、パターン道程が厳しいからもっと部品近づけてくれとか、そういうやりとりをいろいろやるんですよ」
「コネクタが並ぶまで、結局1カ月か、もう少しかかってますね。最初はここにCF(モジュール)がいたんだけれど、どかされてしまったとか(笑)。逆にどかされた部品は『じゃあがんばってどっか積んでよ』と言われて、また積みにいって。それで今度はまた別の部品がこっちにくるんでよろしくとか。そういうやりとりを延々とやってましたね」

話に耳を傾けているだけで、各部署を奔走する人たちの姿が見えるようだ。前回のモデルにしても非常に満足度が高かったというから、それを踏まえてさらに小型化・軽量化できたのには、どこか、開発者の面々の人間的な努力を感じてしまう。

「それは、ある程度ね(笑)」

では逆に諦めた部分はあったのだろうか。

「…今年あったっけ」
「…いや、なかったと思うけど(笑)」

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インデックス

目次
(1) LOOX T70/50Hでの基本的な取り組み
(2) デザインも、機能も、セキュリティも - LOOXならではの機能
(3) 気になるユーザーの声 - これからのLOOX
(4) 富士通の開発者達が最後に語ること

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