【レビュー】
2004年4月に発表された情報処理推進機構(IPA)の調査によると、9割以上のPCにアンチウイルスソフトを導入している企業は全体の70%におよび、まったく導入していない企業は8%しかないという。にもかかわらず、たびたびウイルスが流行して大きな問題となるのはご承知のとおり。ごく最近でもSasser、Netskyの流行が記憶に新しいところだ。それというのも、ウイルス対策ソフトは、未知のウイルスを検出する仕組みを備えてはいるものの、基本的にはパターンファイルをアップデートしないと新しいウイルスには十分に対抗できないという弱点があるからだ。
ウイルス対策を施していても、ウイルスに感染する危険は常に伴う。ならば、ウイルスに感染しても、感染前の状態に戻してしまおうという逆転の発想から生まれたセキュリティソフトが、アーク情報システムの「HD革命/WinProtector」だ。本製品はHDDのシステムファイル部分を、いわばCD-ROMなどと同じように読み出し専用にして、再起動するだけで保護を開始した直後の状態に戻してくれるソフトである。また、マスターブートレコード(MBR)の保護もできるので、MBRを書き換えるようなタイプのウイルスにも対応する。完璧にPCを元の状態に戻すことが可能だ。このたび「HD革命/WinProtector」を試用する機会を得たので、その使い勝手をテストしてみることにしよう。
最近ではCDから起動できるLinuxが存在するが、Windowsの場合、読み出し専用ドライブから起動することは想定していない。データを保存するときだけでなく、アプリケーションの起動、終了時やメモリスワップが発生したときなどにもHDDにアクセスするので、HDDを書き込み禁止にできないからだ。それを可能にしたのが、同社が開発したPPT(Perfect Protection Technology)ドライバである。
Windowsの起動中にHDDへ書き込まれるさまざまな情報は、PPTドライバを通して、本来の場所ではなく、HDDに確保された一時ファイルに記録される。この一時ファイルは、再起動時には消えてしまうので、HDDがハードウェア的に壊れない限り、システムファイルにはまったく書き込みが行われないというわけだ。
なお、作成したデータをシステムドライブに保存すると、再起動後に消えてしまう。これは、あらかじめデータファイルを置く場所をシステムドライブとは別のドライブに設定することで回避できる。そのために、データドライブを別ドライブに移行するツールと、領域開放をせずにパーティションを切り直すツールが付属している。詳しくはのちほど解説しよう。
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