【レポート】

SQL Server 2005とVisual Studio 2005で実現される機能とは?

2 SQL Server 2005は可用性や管理性が大きく向上

    佐藤晃洋  [2004/07/07]

    後半は同社でSQL Server担当のシニアプロダクトマネージャを務める斉藤泰行氏が、SQL Server 2005の概要について解説を行った。

    斉藤泰行氏

    まず同氏が大きく取り上げたのはデータベースミラーリング。従来SQL Serverではクラスタリングによるフェイルオーバ機能が利用されてきたが「クラスタリングは設定などが面倒で敷居が高いし、管理コストも高い上、メインサーバが落ちてからフェイルオーバされるまでに数十秒かかってしまう」(同氏)という問題があったという。これに対しSQL Server 2005で導入されるデータベースミラーリングでは原則3台のマシンを1組とし、「ウィットネス」と呼ばれる監視サーバが常にメインサーバ(プリンシパル)とミラーサーバの状態を監視することで、プリンシパルが落ちた場合に数秒でミラーサーバに切り替えが行われるとのこと。

    データベースミラーリングの概要

    実際に動作した場合の例。ミラーへの書き込みの前にクライアントにレスポンスを返すような設定も可能とのこと

    クライアント側は、従来のMDACに取って代わるSNAC(SQL Native Client)と呼ばれるドライバが用意されているので、このSNACを使ってSQL Serverに接続すると自動的にプリンシパルとミラーサーバの名前がキャッシュされる。再接続時にはまずプリンシパルに接続しに行き、失敗した場合にはミラーサーバに自動的に接続先が切り替わるという仕組みだ。では最初の接続の時点で既にプリンシパルが落ちていたらどうなるかというと「そのときはミラーサーバをダイレクトに指定するしかない」(同氏)ということで、その点だけは同システムの弱点だ。

    なおウィットネスサーバが落ちた場合には「透過的なフェイルオーバが行われないだけで、それ以外の機能には影響はないため、計画的なダウンタイム時のバックアップ用途であれば必ずしもウィットネスは必要ではない」という。

    続いて管理面では、従来は複数の管理ツールに分かれていた機能を一つに統合した「SQL Server Management Studio」が登場した他、デッドロック発生時に容易に解析が行えるようにするSQLプロファイラ、従来のインデックスチューニングウィザードを強化し、本番サーバに影響を与えないようにテストサーバでのチューニングなどを可能にした「データベースチューニングアドバイザ」などが投入される。このほか一つのテーブルを複数のパーティションに分割して格納し、I/O分散によるパフォーマンスの向上やパーティション単位のメンテナンスなどを可能にした「データパーティショニング」機能も追加される予定とのこと。

    SQL Server Management Studioの画面

    このようにSQL Server以外に分析サーバやDTSサーバなども一括管理できる

    そしてSQL Serverの売りの一つであるデータ分析機能などの部分だが、この点については同氏が「SQL Server 7.0で初めてOLAP(OnLine Analytical Processing)機能を提供したが、それから約5年で業界トップシェアを獲得するに至った」として、SQL Serverが今やこの分野における業界のリーダーであることを強調した上で、SQL Server 2005では従来OLAPの手法として大きくROLAPとMOLAPの2つが存在したものを統合した「統合ディメンショナルモデル(UDM)」を導入すると語った。またUDMでは複数のデータソースから一つのデータソースビューを作成するといったこともできるようになることから「分析はしたいけれど(SQL Serverの)導入までは至らないというニーズに対し敷居を下げられる」と同氏は述べた。

    OLAPの業界シェア

    現在はこのような形になっているデータモデルだが……

    最終的にデータソース・データモデルを1つに統合するという

    またこのような分析機能やレポート機能部分の開発のために、新たに「Business Intelligence Development Studio」が投入される。これは先程のSQL Server Management Studioと同様にVisual Studioと同じShellを使用しているため、Visual Studioでの開発に慣れたユーザにとっては比較的違和感が少ない形で開発が行えるという。

    Business Intelligence Development Studioの画面

    SQL Server Express/Visual Studio Expressの日本語β1はこの夏の間に登場

    TechEd Europeで発表されたExpressシリーズについては、セッションの冒頭で同社プロダクトマーケティング部のマネージャを務める磯貝直之氏から簡単に説明が行われたほか、斉藤氏からもSQL Server Expressについて説明があった。

    既にExpressシリーズの英語版β1についてはダウンロード提供が開始されているが、そうなると気になるのは日本語版の提供開始時期。これについて磯貝氏は「2~3カ月も先ということにはならない」と語り、この夏の間に日本語版β1の提供を開始できる見込みを明らかにした。

    またSQL Server Expressについては、斉藤氏が「一部で管理ツールがないとの報道があったが、これについては別途『SQL Express Manager』として管理ツールを提供予定」であると語ったほか、「ワークロードに制限があるのとBusiness Intelligence部分の機能が省かれている以外は、SQL Server 2000と同等以上の機能を実現する」として、従来のMSDEに比べ大きく機能が強化されていることを強調した。

    SQL Server ExpressとMSDEの比較

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