【レポート】
ビデオカードの分野では、従来から数多くのマルチチップソリューションが存在する。一番最初のメジャーな方式は、SGIが1993年に発表したOnyxで搭載したグラフィックシステムだが、PCのマーケットで言えば1998年に3Dfxが発表したVoodoo2のSLI(Scan Line Interleave)システムや、これを発展させた2000年のVoodoo5シリーズ、あるいは1999年にATIがRage Furyをデュアルで搭載したRage Fury MAXX、最近では昨年XGIが発表したVolariのDuoシリーズなどがある。(他にも、米Metabyteが1998年頃、RIVA TNTをSLI化したボードを試作したりしているが、これは結局モノにならずに終わっている。もっと昔の話をすると、確かS3のVirgeか何かを3つ搭載した24bitグラフィックカードを作ったベンダーが確かイギリスにあったと記憶しているし、RasterOpsがMacintosh向けにやはり3チップのグラフィックカードをリリースしたりしている)こんな具合に、メジャーとは言えないまでもマルチグラフィックチップのソリューションは常に誰かが開発していた(Photo01)。
これはビデオカードのメカニズムを考えれば割と必然である。ビデオカードに求められる処理は、典型的なSIMDのそれであり、マルチパイプラインやヴェクタプロセッサ・マルチスレッドなどの高速化技法がそのまま性能向上に直結する。当然ながらマルチプロセッサでも同じ効果が期待できる訳で、実際Voodoo2のSLI接続やVoodoo5などでは非常に高い描画性能が発揮できていたことは、使ったことがある人ならご存知のはずだ。
ただ、マルチスレッド/マルチパイプラインは主流の方式になったものの、マルチプロセッサあるいはマルチカードといったソリューションは、現時点ではあまりメジャーな方式とはなっていない。理由は幾つかあり、例えばAGPバスはシステムに1本しか無いので複数のカードを装着することができない(このため、PCIバスで利用するしかない)とか、複数のカードで同期を取るのが難しい、あるいはCPU負荷が大きいなどの問題が挙げられている(Photo02)。またここには出ていないが、複数のグラフィックコントローラ間でフレームバッファを共有する訳ではないので、例えばテクスチャとかのデータは両方のフレームバッファにコピーする必要があるし、最近の一部の描画ファンクション(例えばEnvironment Mapping)では現在のフレームバッファのデータを一旦取り込んで、それを利用して描画を行うわけなので、こうした場合に急激に描画性能が落ちるといった問題もある。
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