【レポート】

中国の最先端! 上海の電脳街を見る

    山谷剛史  [2004/06/29]

    上海は中国の最先端をいく流行の情報発信基地。日本や世界各国から多くフライトがあり、近頃では旅行先として、また経済の中心地としても話題の上海。ここの電脳街を紹介しよう。

    実はMYCOM PC WEB誌上で既に中国の地方都市事情を書いたことがある。今回の記事は中国の大都市と地方都市での比較という視点でも書いているので、上記記事も目を通していただけると幸いだ。

    上海には2つの場所にパソコンショップが固まって電脳街をなしている。ひとつは徐家匯(発音はシージャーフイ)で、デパートが集まり中心地から近郊へ走るバスのターミナルだ。もうひとつは淮海路(発音はワイハイルー)という上海屈指のおしゃれ観光スポットの一角にある。その他にも日本の郊外型大型電器店のような店は点在するが、品数はそう多くないしヘビーユーザーも少なく、見ていてそれほど魅力はないように思えるので、上海電脳街を訪れる際は今回紹介する2地点(特に徐家匯)を訪れたい。

    徐家匯

    上海最大の電脳街は徐家匯。大通りが交わる交差点の一角に3つの電脳ビルが並んでいる。太平洋数碼二期、美羅城百脳匯、太平洋数碼一期という建物だ。太平洋数碼二期と美羅城百脳匯ではPCというよりもデジカメやMP3プレイヤー、日本製をはじめ外国製のノートPCといったデジタルグッズを多く扱い、太平洋数碼一期は自作パーツを中心に扱う。そのためか客層は、前者では男性だけでなく女性も結構な数が訪れるが、後者は男性ばかりだ。また前者2つの建物は非常に目立ちすぐわかる反面、後者の建物は美羅城百脳匯に隠れて建っているため少しわかりにくい。しかもこの後者の太平洋数碼一期は7時ごろにはしまってしまうので注意。いずれも地下鉄一号線徐家匯駅出口を出てすぐだ。

    太平洋数碼二期

    太平洋数碼二期内部

    美羅城

    美羅城内部

    自作中心の太平洋数碼一期

    中国地方都市の電脳ビルに似た太平洋数碼一期内部

    自作パーツ(太平洋数碼一期)

    もうひとつ、淮海路にある賽博数碼広場は中国中にある電脳デパートのチェーン。しかし場所柄からか雰囲気は他店に比べ明るい。こちらも自作PCはあまりなく、太平洋数碼二期や美羅城百脳匯のようなデジタルグッズを多く扱う。こちらは地下鉄一号線黄陂南路駅出口すぐ、香港広場という大きなショッピングモールの中にある。

    賽博数碼広場外観

    賽博数碼広場内部

    正直に言ってしまえば、品揃えは前回紹介した中国地方都市電脳街に比べてまったく異なるというほど違うわけでもなく、商品の幅が若干広がったような感じ。例えるなら大阪日本橋の電気街を紹介してから、秋葉原の電気街を紹介するようなもので、流通している製品自体は結構同じものが多い。

    人気はMP3プレイヤーにデジカメ。これがまず各電脳街の入口にあたる1階や地下1階を埋め尽くす。地方都市では見られぬApple勢、MacintoshやiPodもここでは健在。同じく地方都市の電脳街ではまずお目にかかれないBluetooth、無線LANカード、GSM携帯のシステムを使ったGPRSカードなども各ビルの目立つところで売られている。またPC本体も朕想、方正といった中国国内で高いシェアをもつブランドも、ここ上海の電脳街では影が薄く、ソニー販売店が目立って元気だった。上海市民の所得は他の中国の都市と比べて高く、外国ブランドを買う余裕があるのだろう。自作に関して中国地方都市より進んでいるところとしては液晶ディスプレイが比較的多く売られていること、書込み型DVDが売られていることがあげられるが、その反面、日本のようなキューブ型PCやブック型PCなどの小型化傾向や静音化に関する商品はわずかしか置かれていない状況だ。

    MP3プレイヤーが人気

    サムソンのMP3プレイヤー

    Linuxザウルスも売られている

    GPRSカードも豊富

    中国では日本未発売のKODAKのデジカメも多く見られる

    中国産デジカメも

    Appleショップも人気

    中国でもCentrinoが取り扱われている

    日本原産は良質の証

    中国の自作PCショップでは円卓で商談

    Athlon XP搭載のショップPC。値段はおよそ4万円

    まだ書き込み型DVDの普及は遠い印象

    小さなショップブランドPC販売店がひしめきあう(美羅城)

    自作パーツ(賽博数碼広場)

    並べられるケース

    ショップブランド購入で商談中……

    デザインにこった中国製スピーカー

    他の中国の電脳街同様、店員は寝ることもあるし、ゲームもする

    前回の記事では、広い電脳街を歩き回って、たくさんのソフトウェア海賊版販売店からついに一軒だけ"ホンモノ"のWindowsを扱う店を見つけたという苦労をした。上海ではいくつものソフトショップを見かけたが、全ての店舗で正規品を扱い、Windows OSも日本の量販店ほど山積みはしないものの、全ての店で展示している。さすが上海、国際都市である(というか当然そうあるべきなのだが)。逆にあからさまな海賊版を扱う店はなかった。パッケージがしっかりしているが実はノンライセンスのソフトや、中国では正規品を格安で販売するブランドとして確立されているにもかかわらず、ライセンス的にはグレーゾーンなものを販売するメーカーのソフトなどは未だ販売されている。これは一見して海賊版とわからないため、店側というよりはメーカー側の問題が大きく、こういった海賊版ソフトの販売がとまるのはまだしばらく先の話かもしれない。

    では上海において海賊版ソフトは消えたのかというと、目立つ電脳街内においてはイエスで、遠い住宅地においてはノーだ。住宅地まで足を運ぶと、海賊版ソフトを販売している商店や、海賊版ソフトを箱に詰めて持ち歩いて道行く人に声をかける人もいる。地方都市に比べて上海は海賊版に対する圧力が厳しいことが伺える。

    正規ソフトショップも繁盛してる様子

    Linuxが中国政府や中国市場に受け入れはじめていることはPCメディアでなくても報道されているところだが、実際のところ地方都市では受け入れられているとは言いがたく、ソフトショップを見ても本屋を見てもLinuxを扱うものは滅多に見ないのだが、上海の大型書店ではコンピュータ本コーナーの中にLinux、UNIX自身が一カテゴリとして存在し、上海ではLinuxユーザが確かにいるであろうことを実感した。ここにも大都会と、地方都市の差(沿岸部と内陸部の差?)が出ているようだ。

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