【レビュー】

3.6GHz動作! - LGA775ソケット対応Pentium 4と925Xチップセットを試す

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昨年からその存在が公表され、今年のCOMPUTEXでは大挙展示されていたAlderwood/GrantsdaleチップセットとLGA775ソケットであるが、やっとこれが正式発表となった。早速その性能を確認してみたい。

新プラットフォーム

22日に発表になった製品を改めてまとめると、

CPU Pentium 4 Processor 520/530/540/550/560/Extreme Edition 3.40GHz
Chipset Intel 925X/915P/915G

となっている。このうちCPUに関しては、いずれもLGA(Land Grid Array)775と呼ばれる、新しい形状のパッケージと変わり、またピン数も既存のPentium 4の478ピンから775ピンへと大幅に増やされた。もっとも電気的には既存のPentium 4と同じくAGTL+を利用したP4バスを使っており、増加されたピンの殆どは電源/グランドの強化に利用されている。

さてこのLGA775タイプCPUだが、基本的にはPrescottコアPentium 4のコアを利用している。今回からプロセッサナンバーが導入されており、520が2.80GHzで以後530が3GHz、540が3.20GHz、550が3.40GHz、560が3.60GHzの動作速度となっている。またNorthwoodコアでL3キャッシュを2MB搭載したPentium 4 Extreme Editionに関してもLGA775パッケージ版が発売になっている。こちらはプロセッサナンバーが利用されず、引き続き3.40GHzという周波数表記が使われる。

さてパッケージだが、ベースとなる基盤の大きさは従来のものと変わらない(Photo01)。ただし、ヒートスプレッダが丸みを帯びた形に変更されている事がわかる。一方裏面はというと、従来のピンがなくなり、丸いコンタクトだけが並んだ形状になっていることが判る(Photo02)

Photo01:左はPentium 4 Processor 560のES品。右はPentium 4 Processor Extreme Edition 3.40GHzのES品。相変わらず外観からはさっぱり区別がつかない。

Photo02:並び順はPhoto01と同じ。チップコンデンサの配置が結構異なっているのがわかる。

ではこのCPUを取り付けるソケット側は? というと、ごらんの様な形状になった(Photo03)。これは押さえ金具をロックした状態で、アンロック状態ではこんな具合だ(Photo04)。横から見てみると、CPUソケット側に細かなピンがバネ状になって突き出している構造で、ここにCPUを置いてロックするとテンションが掛かって確実に接触するという構造になっている(Photo05)。

Photo03:金属カバーでCPUを押さえ込み、リテンションを掛けてロックする形状。

Photo04:こんな具合に金属カバーは展開される。

Photo05:余談だがPGA478の時、ある種のグリスを使うとCPUがクーラーに張り付いてしまい、クーラーを取ろうとすると一緒にCPUが張り付いて剥がれてしまい、故障の原因となる(筆者はこれでCPUを2つ壊した)事がある。この形状だと、もうそうした心配もなくなるわけで、この一点だけでもLGA775がありがたい。

ちなみに気になるTDPやTCase(最大ケース温度)だが、表1の様になっている。表2には既存のPGA478のPentium 4のスペックを示すが、Pentium 4 540(3.20GHz)のTDPが84Wだったりするあたりは旧来のPentium 4 3.20EGHzと大きく違っている訳で、あくまでこのTDPは目安ということなのだろう。にしても、全般的にはLGA775になってTDPが増える傾向にあり、一方TCaseはやや下がる傾向にあるため、より放熱を確実に行う必要があるという事になりそうだ。

表1
製品名動作周波数TDP(W)Tcase(℃)
Pentium 4 5202.80GHz84.065.0
Pentium 4 5303GHz84.065.0
Pentium 4 5403.20GHz84.065.0
Pentium 4 5503.40GHz115.072.8
Pentium 4 5603.60GHz115.072.8
Pentium 4 XE3.40GHz109.666.0

表2
製品名TDP(W)Tcase(℃)
Pentium 4 2.80EGHz89.069.1
Pentium 4 3EGHz89.069.1
Pentium 4 3.20EGHz103.073.2
Pentium 4 3.40EGHz103.073.2
Pentium 4 3.20GHz XE92.164.0
Pentium 4 3.40GHz XE102.967.0

さて一方チップセットの方だが、今回発表されたのはハイエンド向けのIntel 925X(Alderwood)と、メインストリーム向けのIntel 915G/P(Grantsdale-G/P)の3製品である。図1・2にそれぞれのブロック図を示す。

図1:Intel 925Xブロック図

図2:Intel 915G/Pブロック図

現時点でサポートされるCPUインタフェースはLGA775のみとなっているが、これはPGA478へのバリデーションに時間を要するからという事であって、技術的にはPGA478でも動作するそうで、今年第3四半期を目処にPGA478のサポートも付け加わる予定らしい。

ただその際、Intel 925Xまでサポートが追加されるかはちょっと微妙なところで、Intel 915G/Pのみの可能性もある。またIntel 925Xは800MHz FSBのみのサポートとなっており、一方Intel 915G/Pが533MHz/800MHz FSBの両サポートとなっているあたりも、これを裏付けている感じだ(*1)。

メモリインタフェースはIntel 925XがDDR2 400/533のみでただしECCのサポート付き、一方Intel 915G/915PはDDR333/400及びDDR2 400/533の両対応ながらECCのサポートなしである。どちらもデュアルチャネルが利用できる用になっている。このあたり、仮にマザーボードベンダーが望めば、Intel 915G/915Pに関しては両対応のマザーボード(つまりDDRとDDR2の両方のメモリスロットが出ている製品)も可能らしいが、技術的にはともかくレイアウトの面ではかなり厳しいと予想されるので、実際にこうした製品が登場したとしても数はそれほど多くないだろう。

Intel 915Gのみ、内部にグラフィックコアを内蔵する。Intel GMA 900 Graphicsと呼ばれるこのグラフィックコア、コアクロックは333MHzとなっており、更に初のPixel Shaderを内蔵した製品となる。Vertex Shaderは相変わらずCPU任せとなっているが、これによってDirectX 9相当のグラフィックを現実的に処理する目処が立ったといえる。また、MPEG-2向けのMC(Motion Compensation:動き補償)アクセラレータを内蔵するとか、デュアルディスプレイに対応するなど、大幅に機能が強化されている。

I/O Hubとの接続は、従来のHub I/Fに代えてDMI(Direct Media Interface)が採用された。片方向あたり1GB/secの全二重接続で、2GB/secの帯域を持つことで、I/O Deviceの高速化に対応したことになる。

さて、I/O HubもICH6に進化した。従来との主な違いは

  • PCI-Express 1Xレーンを4本装備する
  • SATAポートが4ポートに強化された。その代わり、ATA100ポートが1つに減らされた。
  • AC97に加え、Intel High-Definition Audioが搭載された。

といったあたりだ。また、この4ポートのSATAを使ってRAID0/1/0+1や、Matrix Arrayを構成する(ICH6R/ICH6RWのみ)事も可能になったほか、無線LANを接続する(ICH6W/ICH6RWのみ)といった機能も用意されている。なお、図1・2には示されていないが、10/100BASE-TのMACは引き続き内蔵されており、PCI-Express 1XレーンにGbEコントローラを接続することでデュアルLAN構成も容易に取れるようになっている。そのGbE、MCH/GMCHからはCSAポートが削除されている関係でPCI-Express 1Xレーンに接続することになるわけだが、このためのGbEコントローラ(Northway)の出荷が遅れており、現状では殆どのマザーボードがBroadcomもしくはMarvellのGbEコントローラを搭載している形だ。

ちなみにCPUとチップセットの価格だが、表3に示す通りである。いずれも1000個ロットでの価格だが、チップセット、CPUともになかなかの高値である。まぁCPUの初値はかなり高いのが通例なのでいずれは落ちてくると考えられるが、チップセットがかなりの金額なのは、マザーボードの価格に大きな影響を与えそうだ。実のところ、このチップセットの価格はいずれもICH6のもので、ICH6R/W/RWを選択する場合は、別途その分の価格が上乗せになる。したがって例えばIntel 925X+ICH6RWなんて構成にした場合、チップセット+周辺チップだけでも軽く100ドルを突破することになり、製造原価はかなり高くなる。当然これは製品価格に跳ね返るわけで、なかなか価格が下がらないというIntel 875P搭載製品と同じ運命をたどりそうだ。

表3
製品名価格(米国)価格(日本)
Pentium 4 520$178.00\20,350
Pentium 4 530$218.00\24,920
Pentium 4 540$278.00\31,780
Pentium 4 550$417.00\47,670
Pentium 4 560$637.00\72,820
Pentium 4 XE 3.40GHz$999.00\114,200
Intel 925X$50.00\5,720
Intel 915P$37.00\4,230
Intel 915G$41.00\4,690

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インデックス

目次
(1) 新プラットフォーム
(2) テスト機材
(3) ベンチマーク(1)
(4) ベンチマーク(2)
(5) ベンチマーク(3)
(6) 結論

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