【レポート】

Email Technology Conference - Emailはスパムまみれの古き良き時代の技術?

1 スパムまみれのE-mail、SMTPへの延命措置に効果はあるか

    Yoichi Yamashita  [2004/06/21]

    米国のカリフォルニア州サンフランシスコで、16日から3日間にわたってE-mail技術に関するコンファレンス「Email Technoligy Conference(ETC)」が開催された。同コンファレンスに集まったE-mailの専門家達は、口を揃えて"古き良き時代"の技術が使われ続けている現在のE-mailの危険性を指摘。今すぐに短期的・長期的な対策に乗り出さなければ、我々の生活に不可欠な存在となっているE-mailが破綻する可能性を警告した。

    初めてE-mailが送信されたのは1971年である。当時のインターネットは、今よりもシンプルで安全な場所だった。ユーザは誰もが友好的。"ネット犯罪"という言葉も存在しなかった。むしろ、信頼できなかったのはユーザよりもネットワークリンクの方で、あるアドレスへデータを送信するとオーバーロードが頻発するのが悩みの種だった。

    そのトラブルを解決したのがSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)である。SMTPではゲートウエイサーバがメッセージを送信する際に、受け取り可能なサーバを中継しながら、確実にメッセージを送り届けられるようにする。"古き良き時代"に求められた安定性に応えられる技術だった。

    ところが、SMTPゲートウエイがリレーモードで動作すると、中継の際に送信元のヘッダやIPアドレスの記録が失われてしまう。その結果、メッセージは、送り主不明の小包と同じ状態で配達されることになる。PCブーム、インターネットブームを経て、E-mailユーザが急増すると共に、この「SMTPリレー」というメカニズムがスパムメール送信などに悪用されるようになる。

    今日では、ほとんどのメッセージが送信元と受信者のSMTPゲートウエイを直接結んで送信されている。SMTPリレーは必要なく、メールサーバを運用する際にはリレー機能に制限をかけるのが通常だ。だが、リレー機能がSMTPに内包されていることに変わりはなく、制限のかけ忘れなどで、悪用可能なオープンリレーは存在する。その結果、1日に世界中で送信される300億超のE-mailのうち6~7割がスパムメールという状態になってしまった。

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