【レビュー】

既存LANに簡単導入、NASアプライアンス「iStorage NS22P PCリカバリパック」

1 注目されるSOHO向けのNAS製品

    柴田格  [2004/06/16]

    最近、NAS(Network Attached Storage)という言葉をよく聞くようになった。NASとは、文字どおり「ネットワークに直接接続するストレージデバイス」という意味だ。従来のファイルサーバと機能的には同じだが、単機能に特化しており、外付けHDDと同じ感覚で扱える製品だと考えていい。

    ネットワークで共有できるディスクは、複数のPCを使っている環境ではたいへん便利なものだ。とはいえ、一般家庭では設定や管理が面倒なので、ある程度の知識と積極的なモチベーションがないとなかなか手を出せなかったのではないだろうか。一方企業では、すでにファイルサーバを導入しているところがほとんどだろうが、NASは導入コストや管理の面でファイルサーバよりも有利なので、興味のある担当者もいるだろう。

    今日では家庭で使える数万円程度の製品から、企業向けの本格的なNASまでさまざまな製品が登場しているが、ある意味地味な製品なので、情報が少ないのが泣き所。そこで今回は、SOHOや企業をターゲットにした中規模のNAS製品について、その使い勝手をチェックしてみた。

    NECの「iStorage NS22P PCリカバリパック」

    テストしたのは、NECが販売する「iStorage NS22P PCリカバリパック」という商品だ。これはPCベースのNAS「iStorage NS22P」に、バックアップソフト「VERITAS NetBackup Professional 3.6」をバンドルしたパッケージで、希望小売価格は税別で34万5,000円。SOHOや従業員が数人から100人未満の企業をおもなターゲットとしたエントリークラスの位置づけで、そのほかに1U/2Uラックマウント型でSCSIディスクを使用した上位製品などが同じNSシリーズとしてラインナップされている。

    バンドルソフトの「VERITAS NetBackup Professional 3.6」は、クライアントのシステムやデータを一元的に管理、バックアップするというソフトだ。個人PCのバックアップがなかなか周知徹底できないという管理者の悩みに応えてくれる便利なソフトである。

    きょう体は普通のブック型PCとほとんど変わらず、CPUにIntel Celeron 2GHzを使用したPCそのものと言ってもいいくらいだ。ただし、内部にはこのサイズのPCでは珍しい3.5インチシャドウベイを2基分備え、RAIDが必要なNASのための専用設計であることをうかがわせる。OSにはWindows Powered Network Attached Storageを採用。これはWindows 2000 Advanced ServerをベースにしたNAS専用OSで、NASに必要な機能以外は使用できない代わりに、クライアント数が無制限であるという特徴がある。

    そのほかのスペックとしては、HDDは7200rpm 120GBのものが2台搭載され、ソフトウェアRAIDでミラーリングされている。システムも同じHDDにインストールされる形だ。メモリは標準で256MB(ECC付きDDR 266)。今回テストした評価機には1GBのメモリが追加されており、メモリの容量は合計1.25GBになっている。ネットワークは1000/100/10BASEに対応する。

    スリムなブック型きょう体で、設置性に優れている。見た目はほとんど普通のPCだ

    内部にはHDDを2台搭載するためのシャドウベイがある。ビデオカードはRADEON7000を使用しているが、ディスプレイは通常接続しない

    環境を設定する

    まず設置方法だが、電源ケーブルとLANケーブルを接続するだけで済む。本機はLAN環境でリモート管理することが前提となっているため、キーボード、マウス、ディスプレイは接続する必要がない。バックパネルには普通のPCと同じようにPS/2コネクタやディスプレイ用のDsub15ピンコネクタが用意されており、BIOSの設定などで必要なときにはキーボード等を接続することができる。設置後に電源を入れると自動的にLANに接続する。これだけで本体の準備は完了だ。

    とはいえ、このままでは設定ができないので、別のPCに管理用のソフトウェアをインストールする必要がある。Webブラウザベースで管理ができる「WebUI」というツールが用意されているので、付属のCD-ROMからインストールする。初回起動時にNS22Pのコンピュータ名、IPアドレスを決定したら、初期設定は終了である。なお、DHCPクライアント機能があるため、IPアドレスは自動的に取得できるが、サーバなのでIPアドレスは固定しておいたほうが後々便利だろう。

    あとの作業はすべてリモートPCからWebUIで行える。最低限設定すべき箇所は日付と時刻、コンピュータ名、サーバーアプライアンスIDメンバの設定だ。IDメンバの設定は、ワークグループ環境なら参加するワークグループ名を記入し、ネットワーク内にドメインコントローラがあるなら、ドメイン名とユーザー名とパスワードを入力すればいい。なお、本機のAdministratorのパスワードは初期状態で設定されていないので、Workgroupで運用する場合には設定すべきだろう。

    Internet Explorer5.5以降で動作する管理ツール、WebUIのホーム画面。通信経路は暗号化されている

    メンテナンスタブでサーバに関する設定が行える。GUIによるリモート操作も可能だ

    サーバーアプライアンスIDというのは、要するにPCの名前だ。メンバの項目は、小規模なLANではワークグループ環境の場合が多いだろう

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