【レポート】

ロボット製作のノウハウを大公開 - 「ROBO-ONE Technical Conference」開催

3 熱心に自作ロボットを語る製作者達

    柴田格  [2004/06/09]

    まだまだ終わらないROBO-ONE大会

    「着実なロボットARIUS2とそのロボットコントローラー」という演題の住井一宏(SUMY)氏は、開発価格を抑えながらデザイン性を重視したロボット「ARIUS2」のコンセプトと、実際の製作テクニックについて解説。石鹸ケースやドアノブといった身近な材料を流用し、安価に美しいボディを仕上げている。また、ソフトウェア面でもPDAと独自開発のコントロールソフトを組み合わせてBluetoothで通信するリモコンを作成し、イージーオペレーションを基本として着実さを追求。いかに信頼性の高いモーションを作り出せるか、地道な作業で改良を重ねているという。

    とてもボディに石鹸ケースを使っているとは思えない「ARIUS2」について解説するSUMY氏

    「マジンガアのコントロールシステム」という演題のこうじ氏は、ある意味もっとも注目度が高い演題だった。というのも、実演があったからだ。「マジンガア」の特徴は完全装着型のマスターアームと、DDR(ダンスダンスレボリューション)やPlayStation2用のコントローラを流用したコントロール方法にある。腕に取り付けたマスターアームの動きが、そのまま「マジンガア」の動きに反映され、移動や起き上がりといった動作はコントローラで行うというものだ。講演では、マスターアームの構造や調整方法、制御回路の仕組み、操作方法などが解説された。

    プレゼンテーション中にも、テーブルに置かれた「マジンガア」がこうじ氏の動きにあわせて手を動かしていた

    ボールを持ち上げて移動するというデモ。マスターアームの操作が難しいようで、微妙な操作はまだまだといったところ

    「スーパーロボットMAGIの軽量化技術」の演題で講演した大河原和浩氏は、樹脂加工の会社に勤務しているというアドバンテージを生かし、オールカーボンのフレームを持つ軽量ロボット「MAGI」を製作。あらゆる部分を肉抜きし、コンマ数グラム単位の軽量化を追求しながら、強度を維持するテクニックについて解説している。部分によって応力のかかり方が異なるので、よく自分のロボットを観察して、それぞれの部分に合ったアプローチをすることが重要だという。また、カーボンの加工技術など、一般には知られていない裏話も語られた。

    カーボンを使って限りない軽量化を追求する大河原氏。本職ではあるが、ロボットの肉抜き加工や補強については、アマチュアらしいトリッキーな方法で行っているようだ

    ほとんどスジでできているかのような「MAGI」。重量は約1,300gほどという

    最後の森永氏は、「第6回に賭けるMetallic Fighterの秘策とは? 自律化?」というテーマで講演。実は演題はROBO-ONE委員会のほうで決定したらしく、秘めた策はとくにない、とのこと。講演では、初回大会から連続出場しているMetallic Fighterの変遷と、その意義、設計のコンセプトなどが解説された。また今後の大会のトレンドは、機動力、防御力、認識能力にあるとし、軽量化の方法や、搭載する各種センサなど次世代モデルの概要を惜しみなく公開。自信のほどをのぞかせていた。

    大会に全参加の森永氏は、今までのロボットの関節数やサーボの種類など、なぜ変化してきたのかを解説

    まとめ

    午前10時から午後5時まで続いたカンファレンスの講演は、いずれもロボット製作を趣味とするアマチュアには興味深く、改良にかける情熱が伝わってくるものだった。もはや歩くレベルはクリアされ、話題の中心が改造に移っていることは、揺籃期と思っていたアマチュアの二足歩行ロボットが、成熟期に移行しつつあることを感じさせた。しかし、今後こうしたアマチュアの研究から生まれる技術により、二足歩行ロボットにコペルニクス的転換が訪れる可能性もあるのではないだろうか。

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