【レポート】

COMPUTEX TAIPEI 2004 - ULiの現状を聞く

1 統合型チップセット

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今年に入って色々と動きが激しいULi。ATIやTransmetaと提携を結び、これらのベンダーに対してサウスブリッジを供給すると同時に、ATIからはグラフィック統合型チップセットの供給を受けるといった形で、なかなか興味深い動向を見せている。そんなわけで、このULiの現状を聞いてみた(Photo01)。

Photo01:昨年と同じくBruce Tai氏に話を伺った。ちなみにインタビューの際に、「本日中にUpdateしたロードマップをメールで送る。もし送りそこなったら昼飯を奢ろう」と約束していただき、残念ながら昼飯にはありつけなかった(笑)

統合型チップセットに関して

昨年のインタビューの際には「ATIのM6を統合したチップセットを出す」という話をしていたULiだが、これは完全にキャンセルされた。というのは、ATIからRS400/RS480/RX480といったチップセットの供給を受けるためで、無理にULiが統合型チップセットを出しつづける必要性がなくなったから、という話になったからだ。

これは過去の製品についても言えるようで、Pentium IIIベースの統合型チップセットに関してはRS250チップセットが提供され、ここにULiのサウスブリッジを組み合わせるという形になるそうである。逆にULiはATIに対しM1535+/1535D+(RS250用)、M1573(RS400/RS480/RX480用)を提供し、またこれに引き続きM1575を後継製品として用意するという。

Photo02:ULi EV4073デモボード。ATI RS400Mを搭載したIntelのモバイル向けソリューション。

Photo03:ULi EV4873デモボード。こちらはATI RS480を搭載したSocket939対応のAMD向けデスクトップソリューション。

これは両社にとってなかなか好ましい関係に思えるが、ただそもそも「なぜATIはULiのサウスブリッジを必要とするのか?」という話が出てくる。これに関しては「我々のサウスブリッジはATIのものと比べて2つアドバンテージがある。一つはAzallia Audio、もう一つはSATAのAHCIだ。我々のサウスブリッジはこれを統合している」(Tai氏)という返事が返ってきた。

もっとも、これを額面通りに受け取るのは難しい。どちらの機能も、IPポートフォリオの形で簡単に入手できるからだ。むしろ考えられるのは、実際にIPを入手して統合したもののうまく動作しなかった、あるいはドライバのサポートや検証の問題が出てきたなどの可能性だろう。

ATIはPCI-Expressのハンドリングは当然習熟しているし、メモリコントローラの扱いは慣れている。いずれもグラフィックチップの製造には必須だからだ。ところが、汎用のI/Oとなるとこれはまた別の話である。後述するが、例えばM1573は4ポートのSATAでRAID0/1/0+1の構成をとることが出来る。が、4ポートあればRAID5の構成も可能である。そこで「RAID5のオプションは無いの?」と聞いたところ、「それは技術的には可能だけれど、問題はドライバの検証であって、これに猛烈に時間が取られる為に、そうそう機能を追加する訳にはいかないんだ」という返事が返ってきた。

Photo04:両方のボードに使われるM1573。ULiのロゴがALiのロゴに並んでいるのが面白い。

同じ事は当然ATIにも当てはまる。慣れている分野の機能検証はスムーズにゆくが、元来SuperI/Oの様な(従来ATIが手がけていない)分野の開発や検証にはかなりの労力を必要とする。であれば、その部分は慣れているメーカーにアウトソースしてしまい、自社は得意な分野に注力したほうが結果として得策という考え方は当然ありうるだろう。

一方ULiは自社でグラフィックコアを開発できないから、ATIからグラフィックコアを購入して作るというストーリーを考えるわけだが、当然これがATIの作る統合チップセットより高性能な訳がないし、コストパフォーマンスの観点から見ても競争力を保つのは難しい。だからといって、統合型チップセットは提供しないという事にしてしまうと、プロダクトラインナップに大穴があいてしまう。結果として、ULiとATIというなかなか理想的なコンビネーションが出来上がったと考えるほうが自然だろう。

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インデックス

目次
(1) 統合型チップセット
(2) サウスブリッジとノースブリッジ

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