【レポート】

COMPUTEX TAIPEI 2004 - 925X/915シリーズ・Socket 939対応マザーが大量展示(1)

    日高彰  [2004/06/03]

    IntelがPCI-Express対応の925X/915シリーズチップセットを展示し、AMDがSocket 939版の新プロセッサを発表した今回のCOMPUTEXでは、マザーボードベンダー各社から大量の新製品が出展されている。特徴的な製品をご紹介していきたい。

    会場付近のビルに大きく掲げられるIntel新チップセットの広告

    パッケージも変更されるAthlon 64(写真はSocket 939版Athlon 64 FX-53)

    ASUSTeK

    主要PCパーツだけにとどまらず、ノートPCやPDA、携帯電話に至るまでさまざまな製品を展示するASUSTeKだが、やはりマザーボードには多くのスペースを確保してたくさんの製品を展示している。925Xを搭載したハイエンド製品にあたるのが「P5AD2 PREMIUM」で、LGA775版の次期Pentium 4、DDR2メモリに対応するほか、シリアルATA RAID、デュアルギガビットLAN、IEEE1394bポートなどをフル装備。さらに、IEEE802.11g準拠の無線LAN機能をオンボード搭載している。また「P4GD1」は従来のSocket 478マザーボードでありながら、チップセットに915Pを搭載しPCI-Expressを利用することができるユニークな構成となっている。

    925X採用、802.11gもオンボード搭載するデスクトップPC向け最上位モデル「P5AD2 PREMIUM」

    915P採用ながらSocket 478の「P4GD1」

    グラフィック機能内蔵の915Gを搭載したMicroATX「P5GD1-VM」

    PT890+VT8237搭載のLGA775マザー「P5VD1」

    Socket 939プラットフォームでは、K8T800 Pro搭載の「A8V Deluxe」および、「CK8-04」という名称のNVIDIA製未発表チップセットを搭載した「A8N-E Deluxe」が展示されている。A8V Deluxeは、Socket 754対応の同社製品「K8V Deluxe」のメモリスロットを4本に増やしデュアルチャネル対応としたいわば通常進化形。A8N-E Deluxeはデュアルチャネル対応のほか、AGPスロットの代わりにPCI-Express x16スロットを備え、PCI-Express x1スロットも2本用意されるなど新要素の多い製品となっている。

    Socket 939マザーで最も採用例の多いK8T800 Pro搭載の「A8V Deluxe」

    NVIDIA CK8-04を搭載するPCI-Express対応Socket 939マザー「A8NE-Deluxe」

    同社は、オーバークロックに関するパラメータを自動設定する「AI Overclocking」、BIOS設定からファン回転数のコントロールなどを行う「AI BIOS」といった「AI」機能シリーズを提供しているが、これに新しく「AI NOS」機能が追加された。NOSは"Non-delay Overclocking"の略で、アプリケーションの必要とするパフォーマンスに応じて自動的にCPUをオーバークロック動作させる機能という。すでに他社の製品で同様の機能を実現しているものもあるが、同社によれば負荷の増大を検知して実際にオーバークロッキングが始まるまでのタイムラグが小さいのが特徴で、この点で競合製品に対抗していけるとしている。先のP5AD2 PREMIUMやP4GD1をはじめとする多数の製品に搭載されていく予定。

    競合製品に比べ素早くパフォーマンス調整が行われるのが特徴という

    さらに、冷却のための新機構「Stack Cool」も展示されていた。CPU装着部と電源回路の裏側にあたる部分にもう1枚のサブ基板を設け、メイン基板で発生した熱を逃がす仕組みとなっている。特にオーバークロック時、負担のかかる部分の熱を逃がすことで安定性の向上が期待できるほか、この機構自体にはファンなどが設けられていないので、騒音や電力消費がないことが利点とされている。P5AD2 PREMIUM、A8N-E Deluxeなどを含むさまざまな製品に採用される予定。

    マザーボード裏面に設けられる「Stack Cool」機構

    MSI

    MSIの925X搭載機「925X Neo Platinum」はDDR2メモリ対応の製品で、VIA Technologiesの「VT6410」をオンボード搭載することで、シリアルATAとパラレルATA/133の両方でRAIDが利用できる構成となっている。IEEE1394インタフェースが最大3基利用できるほか、オプションでギガビットLANにも対応する。915Pを搭載する「915P Combo」は、DDR2メモリと従来のDDRメモリの両方に対応し、現在使用中のメモリを有効活用できる。

    パラレルATAのRAIDも利用できる「925X Neo Platinum」

    DDR/DDR2両対応の「915P Combo」

    Socket 939ではK8T800 Pro搭載の「K8T Neo2」および、nForce 3 Ultraを搭載する「K8N Neo2 Platinum6702E」を展示。K8N Neo2 Platinum 6702Eでは、925X Neo Platinumと同様に最大3基のIEEE1394とデュアルギガビットLANが利用可能。

    K8T800 Pro搭載の「K8T Neo2」

    nForce 3 Ultraを搭載する「K8N Neo2 Platinum6702E」

    なお、説明によるとこれまでサウスブリッジのヒートシンクは接着固定かヒートシンクレスのことが多かったが、925/915に組み合わされるICH6では高機能化にともない発熱も増えているようで、今回からは金具固定のヒートシンクを搭載するようになったという。

    ECS

    ECSはそれぞれのチップセットごとのハイエンドモデルを「Extreme」シリーズとして展開するが、今回は915P搭載製品の最上位モデルとして「PF4 Extreme」が展示された。DDR2メモリ対応、デュアルギガビットLANなどパワーユーザー向けのスペックだが、特徴的なのは、通常ならパラレルポートのある場所に代わりに設置されている冷却ファン。「Cooling Accelerator」と呼ばれるこの機構は、CPUの熱をより効果的に排出するほか、電源回路付近に気流を作ることで回路を冷却し、オーバークロック時にも安定してCPUに電源を供給することをねらっている。パラレルポートの穴を利用するのでケースに特別な加工が必要ないこともメリット。

    915P搭載の「PF4 Extreme」。右上のダクトに注目

    パラレルポートの代わりに搭載される「Cooling Accelerator」

    また、同じく915Pを搭載する「915P-A」は、DDRとDDR2の両方をサポートするだけでなく、AGPとPCI-Express x16のスロットをともに搭載している。このため、パーツの買い換えに必要な費用を最小限に抑えながら915Pの豊富な機能を楽しむことができる。

    Socket 939プラットフォームではK8T800 Pro搭載の「KV2 Extreme」が登場。デュアルギガビットLANのほか、電源供給を特に安定させサウンドカードの音質向上などが期待できるという「PCI Extreme」スロットを1本装備している。

    DDR/DDR2両対応、さらにAGPスロットも搭載するという変わり種の「915P-A」

    K8T800 Pro搭載の「KV2 Extreme」。黄色のPCIスロットが「PCI Extreme」

    DFI

    DFIは、ネットワークゲームユーザー向けのハイエンドシリーズ「LANPARTY」などで新プラットフォームの製品を投入。LGA775対応マザーボードとしては、925X搭載・DDR2対応の「LANPARTY 925X-T2」、915P搭載・DDR対応の「LANPARTY 915P-T」および「915P-T INFINITY」が登場し、Socket 939ではnForce3 Ultra搭載の「LANPARTY nF3 ULTRA-D」が登場した。

    925X搭載・DDR2対応の「LANPARTY 925X-T2」

    nForce3 Ultra搭載のSocket 939マザー「LANPARTY nF3 ULTRA-D」

    これらの製品はすべてデュアルギガビットLANを搭載しているほか、サウンド機能として「Karajan 8ch Audio」を備えているのが特徴。チップセット内蔵のサウンド機能を使わず、マザーボードの背面端子近くにサウンド専用の基板をアドオンする構成となっており、ゲームなどの7.1ch音声を低ノイズで出力することができるという。

    マザーボードにアドオンされる形の「Karajan 8ch Audio」。C-Media製サウンドチップのCMI9880が搭載されている。

    そのほか、チップセットに875Pを採用しながらもCPUはLGA775に対応する「875P-T INFINITY」、あまり搭載製品が見られないS3 Unichrome Graphics統合チップセット・K8M800を採用した「K8M800 INFINITY」などが展示されている。

    ちなみに、「LANPARTY」シリーズにはスペック以外の特徴がいくつか存在する。ブラックライトを当てると光る紫外線蛍光加工のスロット、同じく蛍光加工の付属ラウンドケーブル、そしてこのキャリングベルト「PC TRANSPO」の付属だ。写真は「アメリカでは自分のマシンを持ち寄って対戦するのがポピュラー」と話す同社のDouglas Tsai氏。

    Albatron

    Albatronは現在のところSocket 939対応製品はなく、新製品はLGA775が中心となっている。925X搭載のDDR2対応製品「PX925X/Pro」、915P搭載のDDR対応製品「PX915P/Pro」は、いずれもPCI Express x16が1本、PCI Express x1が2本、PCIが3本の標準的な構成で、シリアルATA×4のほか、ITEの「IT8212F」を搭載しRAID対応のパラレルATA/133を備えている。デュアルLANは1基がMarvell製チップ使用のギガビットLAN、もう1基がVIA製チップ使用の100base-TXとなっている。

    「PX925X/Pro」と「PX915P/Pro」。チップセット以外の仕様はほぼ同じ

    グラフィック内蔵チップの915Gを採用した小型のマザーボードがあわせて展示されていたが、こちらは同社のキューブ型ベアボーン「ABOX 915G」に組み込まれる形で販売される。PCI-Express x16スロットが搭載されているので後からグラフィック機能の強化も可能。また、Socket 478対応で865Gチップセット搭載のベアボーン「ABOX 865G」も発売が予定されているという。

    ベアボーン「ABOX 915G」用のマザーボード

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