【レポート】

COMPUTEX TAIPEI 2004 - NVIDIA Update

COMPUTEX TAIPEI 2004の開催に合わせて、NVIDIAはnForce3 Ultra MCPおよびnForce3 Professionalの発表を行ったが、肝心のPCI Express製品に関する詳細はあまり明らかにされなかった。そこで、PCI-Express周りを中心に、少し情報のUpdateをおこなっておきたい。

ビデオカード

先にGeForce 6800/6800 Ultraの発表を行い、また6800 GTのリリースを後追いで決定したNV40ファミリーだが、NV3Xまでと異なりNV41とかNV44といった製品は今回リリースされない。従って、AGP 8X対応の製品はこれが最後となる。これに続くものはNV45という製品だが、これはNV40のインタフェースをPCI-Expressにした「だけ」のもので、その他の変更とかプロセスの改良といった事は一切行われないという。従って基本的な性能は現在のNV40と全く同一(PCI-Expressの利用によりテクスチャのロードが高速化される可能性はあるが、これはチップセット側の性能にも絡むので、現状では何とも言えない)になるという。そして、メインストリーム/バリュー向けに性能を落とした派生型は、このNV45の世代でのみ作られるという。つまりNV46とかNV49といった製品が出てくる可能性が高い訳だ。

問題は、ではAGP 8Xプラットフォーム向けのメインストリーム/バリュー製品がどうなるかという話だが、このNV46やNV49にHSI(High-Speed Interconnect)チップを噛ましてAGP 8Xに変換する形になるという。コスト面から考えるとやや不利(HSIを搭載する分チップのコストもかかるし、実装面積も増える)ではあるが、これ以上AGP 8X向けに新製品を投入するのは開発コストの無駄、という事なのだろう。ちなみにNV45シリーズは来月あたりから投入が始まるそうで、ついでに言えばGeForce 6800シリーズのフル性能を生かすために必須のDirectX 9.0cについても「まもなく(Pretty soon)」になるだろう、との事だった。

HSIの話が出たついでにGeForce PCXファミリーの話もまとめておこう。GeForce FXシリーズにHSIを組み合わせてPCI-Express対応とするこの製品だが、当初はローエンドにGeForce PCX 4300という製品名が挙がっていた。これはGeForce MX 4000+HSIという構成だが、これに関しては「クライアントに聞いたところ、誰もそれを欲しがらないとの事なのでキャンセルした」(Jason Paul氏:Product Manager)という事で、結局消えてしまったようだ。そもそもPCI-Expressの場合、どうしても当初はハイエンド向けからという形になるため、こうしたローエンドグラフィックコアをPCI-Express化しても誰も喜ばない、という事だそうだ。ちなみにNVIDIAのプランによれば、

  • GeForce PCX 5900 : GeForce FX 5900 XT(400MHz Core/700MHz Memory) + HSI
  • GeForce PCX 5750 : GeForce FX 5700(425MHz Core/550MHz Memory)+HSI
  • GeForce PCX 5200 : GeForce FX 5200(250MHz Core/400MHz Memory)+HSI

のコンビネーションとなるが、例えばビデオカードベンダーがGeForce FX 5500+HSIなんていう組み合わせで独自に製品を作ることは可能だと言う。ただ、そうした製品がどの程度のマーケットシェアを取れるかは疑問だし、技術的には間違いなく動くはずだが、その組み合わせでのVerificationはベンダーが独自に行わなければならないという事だそうで、現実問題としてどこまで製品が出てくるかは判らないという話だった。一部メディアにはGeForce PCX 5950という話も出ていたが、これに関してもNVIDIAではそうしたプランを持っていないという話だった。

ちなみにIBM Microelectronicsの130nmプロセスは今のところ順調であるが、NV45世代での全ての派生型をIBMで行うのか、それともTSMCの130nm/110nmプロセスを使うのかは現時点では公表できないという話だった。純技術的に言えばどちらでも可能であるが、実際にはその時点でのFabのキャパシティを考慮する必要があるので、今回GeForce 6800でIBM Microelectronicsを使ったからといって、今後もずっとIBM Microelectronicsをハイエンドで使う、という話な訳ではないとの説明だった。

チップセット

nForce 3 Ultraは基本的には既存のnForce3をベースとしているが、新機能がいくつか搭載されている。具体的に言えばNative Gigabit EthernetとNVIDIA Firewall(ハードウェアベースのファイアウォール)、Advanced RAID and Storage Support(SATAを4ポート、PATAを4ポート持ち、各々でRAID 0/1/0+1を構成出来る)、NVIDIA System Utility/NVIDIA Turbo Charger(前者はFSBや電圧の調整を統合して簡単に行えるオーバークロック用Tweakingユーティリティ、後者はCPUの温度をベースにCPU負荷を測定し、高負荷時にオーバークロック動作をさせるユーティリティ)などがそれである。ただ、これらはどちらかといえばマイナーバージョンアップの感は拭えないレベルで、IntelやVIA/SiS/ULiなどが一斉にPCI-Express対応製品をアナウンスしているにも関わらずNVIDIAがこれをリリースしないのはちょっと奇異に感じる。

これに関しては、やはり7月あたりを目処にCK8-04(Crush K8-04)というチップセットをリリースするという(Photo01)。すでにサンプルマザーボードも何枚かNVIDIAのデモショーケースに展示されており(Photo02~05)、それほど難しい訳ではないようだ。ただ、NVIDIAは以前のロードマップではCrush 3GIOと呼ばれるPCI-Express対応製品を予定していたが、これはまだ当分先であるという。

Photo01:前回のテクノロジートレンドでは、CK8-04の登場時期のみが合っていて、後は大嘘になってしまった

Photo02:ABit AN8

Photo03:BIOSTAR K8NHA-939

Photo04:Epox 9NPA+

Photo05:GIGABYTE K8NENXP

ではそもそもCK8-04というのは何かという話だが、「nForce3+HSIがCK8-04と考えてもらってよい」(Bryan Del Ruzzo氏:PR Manager, MCP Business)という返事が。つまり内部的なエンジンは依然としてAGP 8Xのままという事になる。勿論厳密に言えば、PCI-Express 1xラインが2本は出るようなので、全く現状のnForce3と同じという訳では無いのだが、肝心のPCI-Express 16xに関してはまだNative対応では無いということになる。

ちなみにnForce3 Professionalとは、このCK8-04と殆ど同じもの(Photo06)で、単にマルチプロセッサに対応したものということである。nForce3とnForce3 Proの違いのようなものだ。今回はIwillのみ製品を展示していたが(Photo07)、Tyanも試作中との話だった。また、統合型チップセットに関しては当分出さないという話だった。というのは、まだPCI-Expressはハイエンド向けに限られており、統合型チップセットが使われるバリュー向けはPCI-Expressを必要としないから、との話である。そもそもAMDの現状のプラットフォームではバリュー向けをAthlon XPが担っており、Athlon 64がこのレンジに降りてくるのは当分先の事になるからで、まぁリーズナブルな答えではある。ただモバイル向けについては? と問うたところ、「全ての統合型チップセットは2チップ構成になっている。一方CK8-04は1チップ構成だから、ディスクリートグラフィックを組み合わせても2チップで、結局フットプリントの面では遜色はない」(Ruzzo氏)という答えだった。

Photo06:CK8-04 Proのサンプル。ダイサイズは目測ではCK8-04と全く同じだった。

Photo07:Iwill D8KE。PCI-Express 1xレーン×2の代わりに、PCI-Express 2xレーン×1にしているのがサーバー向けっぽい。

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