【レポート】
ゴールデンウィーク恒例となりつつあるロボカップ国内大会が、今年も5月1日から4日まで開催された。今回の「ロボカップジャパンオープン2004大阪」の開催場所は、来年の世界大会の開催も予定されているインテックス大阪。参加チームにとっては、今年6月の世界大会(ポルトガル)の前哨戦となるだけでなく、来年の世界大会のためのデータも採ることができる絶好の機会かもしれない。以下、筆者が取材した3日目と最終日についてご紹介していきたい。
同大会では各リーグが並行して試合を進めるため、同じ時間帯に行われた試合は残念ながら両方を見ることはできない。今回、筆者はロボカップサッカーの「中型ロボットリーグ」「小型ロボットリーグ」「シミュレーションリーグ」を中心にまわったので、主にその模様をお伝えする。その他の「ヒューマノイドリーグ」「四足ロボットリーグ」や、ロボカップレスキュー、ロボカップジュニアの結果については、別途公式サイトを参照してほしい。
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会場内の様子。連休中ということもあり、ご覧のように人で溢れかえる。人気種目では人垣で全く見えないということも |
シミュレーションリーグではロボットの実機がない分、ハードウェア上の制約もなく、他のリーグでは見られない高度なプレーも見ることができる。観戦者の数も他リーグに比べると少なめだが、じつはなかなか面白いのだ。画面で両チームの選手を表す記号が動き回っても見た目が地味なので、メインスクリーンではまるで今時のサッカーゲームのような3Dグラフィックスによるリアルタイム中継も行われており、賑やかな雰囲気をつくり出している。
ご存じのとおり、ロボカップの目標は「西暦2050年にロボットのチームでサッカーのワールドカップ優勝チームに勝つこと」だが(もちろん、その目標の過程で得られる成果が真の目標と言えるわけだが、同プロジェクトは割と真面目に勝つことを目指しているようにも見える)、現状、自律動作の二足歩行ロボットでサッカーをすることはまだ不可能なので(実際、走ることもまだ難しい)、現時点での現実的なレベルとして、車輪駆動の中型と小型のロボットリーグがそれぞれ実施されている。
しかしその最終目標のためには二足歩行のロボットが必要で、それを先取る形で、2002年の大会からは、歩く、ボールを蹴る、といった基本動作等に限定されたヒューマノイドリーグが行われている。そして、人間と戦う上では高度な状況判断・戦略も必須であり、将来的にロボットに搭載するAIを想定し、そのレベル向上の場として用意されているのが、このシミュレーションリーグというわけだ。
ざっと説明しておくと、このリーグはコンピュータ上のバーチャルな空間(現時点では2D)で試合を行うもので、各チームはAIのアルゴリズムを鍛え上げ、勝利を目指している。サッカーリーグ中で唯一、11人のプレイヤーを使って行われており、各プレイヤーは個別のプログラムとして動作している。1つのメインプログラムが各プレイヤーの動きを決定しているのではなく、各プレイヤーがそれぞれの思考で行動している、という点がミソだ。試合中、人間が直接指令を出すことはできないが(ハーフタイム中などはパラメータの変更等も可能)、各プレイヤー(プログラム)間での通信は認められている。なお、各プレイヤーは自分の前方しか見えていない。
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