【レポート】

WinHEC 2004 - HDD+フラッシュで消費電力を大幅削減

    Yoichi Yamashita  [2004/05/10]

    WinHECでは、ユーザーの利用体験を向上させるための数々の技術が公開されているが、ハードディスク(HDD)セッションではフラッシュメモリを利用した省電力技術の説明が行われた。

    Microsoftによると、ハードディスクの消費電力は、アイドル時で0.18W、Word使用時で2Wと、特にプラッタの回転が必要になる作業で上昇する。そこでプラッタのアイドル状態を伸ばすために、不揮発性フラッシュメモリを書き込みバッファに利用しようとしている。

    Longhornは、システム全体を監視しながら必要とされるメモリの一部を物理メモリの中に確保する「SuperFetch」と呼ばれる機能を備えており、アプリケーションの高速切り替えを実現する。同様にHDDに対してフラッシュバッファメモリに積極的にデータをキャッシュし、プラッタの回転を抑えて効率性を高めようとしている。

    同社がWindows XPベースのPCで行ったテストによると、10分間のアクティブ利用で書き込まれたデータは100MB以下。128MBのフラッシュメモリを使えば、メモリ容量が一杯になってHDDが回転し始めるのがおよそ11分ごととなる。

    一般的なPCの使い方では、アクティブ利用が10分間に達するのにおよそ60分かかる。つまり、HDDのモータの回転を1時間に1回程度に抑えられるのだ。この利用シナリオだと、これまで2Wを消費していたWord使用の場合、フラッシュへのキャッシュを行うとおよそ0.25W、約87%のHDDの消費電力削減につながるという。

    通常のPC利用シナリオならばWordでの作業でHDDの消費電力を約87%削減

    また、フラッシュメモリには、振動に弱いHDDよりも安定しているというメリットがある。ただし、停電やノートPCの電池切れなどのトラブルの際に、バッファメモリとハードディスクの間でデータを損失する危険性を伴うため、システム全体でデザインされた洗練された技術であるべきだとしている。

    課題は寿命とコストである。フラッシュモジュールの寿命は書き込み/読み込みサイクル10万回程度。通常のPCの利用シナリオを、年間250日/1日10時間使用/メモリバッファが60分ごとに一杯になると想定した場合、寿命はおよそ40年。仮に1年365日24時間、常に10分ごとにメモリバッファが一杯になる最悪のシナリオを想定すれば、1.9年しかもたない。

    価格に関しては、128MBのフラッシュメモリが2006年には4ドル、2008年には2ドル程度になると予想。Longhorn投入時には製造コストに6ドル程度の追加になると見ている。Microsoftは大手HDDメーカー2社と標準化を目指した話し合いを持ち始めたそうだが、コストの上乗せを懸念する声が少なからず出てきているそうだ。

    現時点では、まだMicrosoftの社内的なプロジェクトという段階であり、業界全体でどのような判断が下されるか注目される技術だ。同社ではHDDに組み込めなかった場合を考えて、メモリバスなど、HDD外のソリューションも検討しているそうだ。

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