【レポート】

都心の地下40mでシールドマシンが発進! 熱い男たちの戦いが今始まる……

2 マシンを目の前にしての発進式

    大塚実  [2004/04/24]

    今回の工事は、「共同溝」という、電気・ガス・水道等のライフラインをまとめて収容するためのトンネルを掘ることを目的とする。従来、これらは別々に敷設されることが多く、修繕や増設のための工事による道路渋滞等が問題となっていたが、地下に大きなトンネルを掘り、共用することで掘り返し工事を減少させることができる。また、地震にも強いという特徴があり、説明によれば平成7年の阪神・淡路大震災でも共同溝への被害は全くなかったという。現在、都市部では共同溝によるインフラ整備が行われている最中で、今回整備する「日比谷共同溝」では、虎ノ門立抗から始めて桜田門立抗を経由し、日比谷立坑までの1,457mを予定している。

    特設ステージはこの場所

    この「東京ジオサイトプロジェクト」は、そんな地下インフラを数日間だけ別の目的で使うという実験的なプロジェクト。昨年11月には第1弾イベントも開催されているが、今回はその第2弾イベントとなるもので、工事の主役とも言えるシールドマシンに焦点をあて、関連の展示や、23日には抽選で当選した30組60名を招いての「シールドマシン発進式」も開催された。

    発進式といっても残念ながら本当にシールドマシンでの掘削を開始するわけではないが(本番は連休明けを予定しているとのこと)、地底ならではの静寂のなか、特設ステージにて関係者によるスピーチがまず行われた。

    最初に登場した東京国道事務所 藤井元生所長は、「今日この手紙が届いた」とシールドマシンからの手紙を「代読」する形でスピーチを始めた。工事の概要が分かりやすいのでその内容を要約すると、進む速度は1日10m程度で、日比谷交差点に到達するのは400日後。体重は450tで山手線の車両15台分。直径は4.7mと、ジャンボジェットよりも一回り大きい。推進力は約5,000tで、東京タワーの下にかかる4,000tよりも大きい。工場で数百のパーツに分けられたあと、この場所で組み立てられた、という。

    東京国道事務所 藤井所長

    工事関係者の挨拶「地底の男たちからのメッセージ」

    来賓挨拶のあと、工事関係者からの意気込みも語られたので、簡単ながら紹介したい。施工の統括責任者である前田・熊谷JV 前田真氏は「地底の神は女性だが、女神の機嫌を損なわないよう慎重に工事を進め、400日後には全員元気で日比谷に到達し、花が満開の日比谷公園を見たい」、シールドマシン製造組立責任者の日立造船 戸崎和則氏は「今回のシールドマシンはことのほか良くできて、どんな地底でもよく進む。貫通を楽しみにしている」、統合管理システムオペレータの海道建設 山上一嗣氏は「今は宇宙へ行く宇宙船の発射前の心境。この真っさらな宇宙船、シールドマシンを思う存分操作して1,500m先まで到達させたい」、セグメント組立責任者の小野寺興業 伊藤富士雄氏は「正確にセグメントを組み立て、100年後も耐えられるものにしたい」とそれぞれ抱負を述べた。

    そして、いよいよシールドマシン発進となり、スイッチャーとして、熱烈シールドマシンファンという田園調布中学3年の菅原一夢君が登場、カウントダウンのあと、スイッチを押した。前述のように実際に動き出すわけではないが、シミュレーション映像が壁面に投影されるという趣向になっていた。

    スイッチャーの菅原君。シールドマシンファンという

    スイッチ投入後。紙テープが飛び交った

    ちなみにこの「沈黙のシールドマシン展」では、路下ヤード部の第1展示室で泥水再生装置を見ることができるほか、カマチの第2展示室では「地底の男たち写真展」「シールドマシン解説」などを展示。さらには底部まで降りて、実際にシールドマシンを間近で見学することもできる。

    三田からの麻布共同溝がすでに虎ノ門立抗まで続いており、そのスペースを利用したパネルの展示も

    シールドマシン正面はすごい迫力

    沈黙のシールドマシン展は、24日(土)も10時から16時まで開催。入場は無料となっているので、地底好き、シールドマシン好きは、このチャンスを逃さないようにしよう。

    動画
    一瞬だが、カッターフェイスが動いたのを撮影できた(WMV形式 287KB 7秒)

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