【レポート】
シールドマシンというとトンネルを掘る機械、トンネルというと山の中、というのが一般的なイメージかもしれないが、いま現在も、都内の地下でシールドマシンが大活躍している。23日~24日に開催の東京ジオサイトプロジェクト2「沈黙のシールドマシン展」は、そんなシールドマシンを間近に見ることができる貴重な機会だ。今回、同イベントを取材することができたので、その一端をご紹介したい。
会場は、東京都港区の虎ノ門交差点。ちょうど道路の中州のようになっている場所で、ここにシールドマシンのスタート地点となる縦穴(「立抗」と呼ばれる)がある。縦穴といってもその大きさは地上部分から想像する以上に巨大なもので、内部は工事の拠点となる地下10mのフロア部分(路下ヤードと呼ばれる)に始まり、そこから更に直径20m程の穴が地下40mまで続いている。
ここから下へは、エレベータも利用できるが、筆者は階段で移動した。よく工事現場にあるような階段をてくてく降りていくと、まず、縦穴の内壁沿いにベランダのようになっている「カマチ」と呼ばれる部分に辿り着く。このカマチは途中に2カ所あり、上から「二段カマチ」(地下23.7m)、「三段カマチ」(地下32.3m)と呼ばれている。トンネルは外部から8万tもの圧力を受けており、このカマチが圧力を支えているのだという。
さらに階段を降りて立抗の底部に行くと、目の前でシールドマシンを見ることができる。前面にあるのがカッターフェイスで、表面に取り付けられたカッタービット(刃)で岩盤を削り、循環させている水で土砂として後方に排出する。このカッタービットの先端にはタングステン・炭素・コバルトの合金が使われており、ダイヤモンドに次ぐレベルの硬度を誇るとのこと。
ちなみに、カッタービットの高さには3種類あり、一番背の高いもの(今回は説明用に色が塗られており、これは赤)はノムストビットと呼ばれ、最初に掘削しなければならない立抗のコンクリート壁用のもの。次が先行ビット(黄)で、これが岩盤を削り、一番背の低いティースビット(白)が土砂をかき込んでいくという。回転速度は0.7rpmで、一定の間隔で回転の向きを逆にしていく。
ちなみに、このシールドマシンの形をみて、どうやって曲がるのか疑問になるかと思うが、実は胴体の真ん中で2つのパーツに分かれており、ここに備えられているジャッキで頭の向きを変えることができるようになっている。GPSも使えない地底で方向を確認するためにジャイロも搭載されており、関係者の話によれば「到達地点で10mm以内の誤差が目標」という、高いレベルが実現されているようだ。
マシンの制御は路下ヤードにあるコントロールルームから、PCベースのシステムで行われる。進行方向の調節などは人間が指示を出すが、「どちらに何度」といった簡単な指示でよいそうだ。
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