【レポート】

IDF-J Spring 2004 - BTXでPCはどう変わるか?

1 BTXのスペック

    大塚実  [2004/04/14]

    Intelは、マザーボードのフォームファクタを現在のATX系から「BTX」(Balanced Technology Extended)に移行することを明言している。現在、リファレンスシステムを使った検証が進められている段階だが、先週開催されたIDF Japanではその結果について報告されている。既報の部分もあるが、BTXの概要も踏まえ、改めてご紹介したい。

    会場に展示されていたBTXのシステム。上から、ASUS、Foxconn、Mitacの製品

    BTXのスペック

    まず、ボードサイズとカードスロット数(AGP/PCI/PCI-E等)の面から比較してみたい。BTXの規格としては、体積6~10リットル程度の小型システム向けの「picoBTX」、体積10~15リットル程度のスリムデスクトップPC向けの「microBTX」、体積15リットル以上のタワーPC向けの「BTX」の3種類が規定されており、それぞれ以下のようになっている。

    BTXの比較

    フォームファクタ BTX microBTX picoBTX
    最大サイズ(mm) 325.12×266.7 264.16×266.7 203.20×266.7
    カードスロット数 最大7 最大4 最大1

    ATXの比較

    フォームファクタ ATX microATX (FlexATX)
    最大サイズ(mm) 305×244 244×244 (229×191)
    カードスロット数 最大7 最大4 (規定なし)

    表のように、BTXの各フォームファクタでは奥行きは変わらず、幅がカードスロット数に応じて変わっている。また、ATX系からは、奥行き・幅ともに2cm程度大型化されているのも分かる(FlexATXは除く)。

    microBTXマザー(左)とpicoBTXマザー(右)

    レイアウト上、BTXではATXとは逆に、ケースに向かって右側の側面を開けることになる(縦置きの場合)

    BTXの最大の特徴は、「in-line airflow」レイアウトと呼ばれる、冷却に最適化されたレイアウトを採用していること。従来のATXでは各コンポーネントレベルでしか冷却を行っていなかったのに対し、BTXではシステム全体でエアフローを考慮しており、CPU上に装着される「サーマルモジュール」のファンがPC前面から外気をケース内に取り込み、そのエアフローでCPU、チップセット、HDDなどの各コンポーネントを順次冷却する。その結果、ケースファンやチップセットファンが必要なくなり、静音性も向上するというわけだ。

    サーマルモジュール。ヒートシンク・ファン・ダクトで構成される

    サーマルモジュールは従来のCPUクーラーよりも大型化しており、マザーボードへの取り付けは「SRM」(Support and Retention Module)と呼ばれるバックパネルを使用する。SRMの使用により、サーマルモジュールからのストレスをシャーシに逃がすことができ、マザーボードの曲がりを抑えることができる。またこのサーマルモジュールには2タイプが用意されており、基本の「Type I」は高さ86mm、薄型システム向けの「Type II」は同60.6mm。サーマルモジュールのファンで、マザーボードの裏側にもエアフローが供給されるということも、BTXの特徴といっていいだろう。

    SRM。シャーシに取り付ける

    電源については、マザーボード側のメインコネクタはATXと互換性があり、BTXマザーでもATX電源をそのまま利用することは可能だ。ただし、ピン数はこれまでの20ピンから4ピン増えた24ピン。これは、ATX Revision 2.2で変更されたもので、PCI Expressの電源要求をサポートするため、3.3V/5V/12Vピンがそれぞれ追加されている(従来の20ピン電源を使用できる場合もあるが、ATX2.2準拠の電源の使用が推奨される)。また、小型のシャーシ向けとして、新たに「CFX12V」「LFX12V」という規格も定義されている。

    LFX12V電源。切り込み部は、その上に光学ドライブを載せるための配慮

     

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