【レポート】

実用的・現実的なロボット像が見え始めた第2回ロボデックスフォーラム

1 ロボットサービス推進組織も設立へ

    山田久美  [2004/03/30]

    東京・有楽町で24日「第2回ロボデックスフォーラム」が開催された。ROBODEXといえば、2000年11月に世界で初めて開かれたパーソナル(パートナー)ロボットの博覧会だが、今年は博覧会そのものは行われず、昨年の「ROBODEX2003」で初めて開催され好評だった「ロボデックスフォーラム」の単独開催となった。

    ROBODEX発起人 土井利忠氏(ソニー)

    まず始めに、ROBODEXの発起人であるソニーの土井利忠氏による開会の挨拶が行われた。土井氏は「ロボットはカバーする技術の範囲が非常に広いという特徴がある。今回のフォーラムはその中から選りすぐって作ったプログラムなので、最後まで楽しんでほしい」と話していた。

    続いて、第1回ロボデックスフォーラムのパネルディスカッションに参加した企業の中から、今年5月、ソニー、富士通、三菱重工業の3社が中心となって、「ロボットサービスイニシアチブ」という推進組織を設立する予定だとの報告がなされた。

    これは、パーソナルロボットをネットワークに繋ぐことで、企業の枠を超えて、通信ネットワークを活用した情報サービスや物理的サービスなどのロボットサービスを提供していこうとするもので、ロボットサービスの普及促進によるロボット産業の発展を目的としている。今後、関連団体と協力、提携しながら通信仕様の作成や公開を行っていくことにより、ロボットのメーカーや種類、大きさなどに関係なく、共通のサービスを提供していくことができるようになるという。

    ネットワークでつながるロボットが人のIT利用をサポート

    フォーラムの本編は「繋がるロボットから生まれるロボットサービス」「ロボット工学と自在学」「人間の心、ロボットの心」「自動車とロボット」からなる4部構成。

    最初の「繋がるロボットから生まれるロボットサービス」では、新組織設立の報告を踏まえ、今後、具体的にどういったロボットサービスが提供されるようになるのかを理解してもらうためのデモンストレーションが行われた。

    参加したロボットは、三菱重工業の「wakamaru」、富士通とPFUによる携帯電話で遠隔操作可能なインターネット対応ロボット「MARON-1」、ソニーの「QRIO」「AIBO ERS-7」の4台。

    デモンストレーションに参加したロボットたち

    デモではすべてのロボットに共通のプロトコルを搭載した。共通のコマンドを理解させれば、ロボットの種類に関係なく同じ命令でロボットを動かせることを証明するため、メーカーはもちろん種類や形態、大きさのそれぞれ違うこれらのロボットに「前に1m進め」という同じコマンドを送り、4台がそのコマンド通りに前に1m進む様子を披露した。

    このことは、今後ロボットごとに独自の動作プログラムなどを開発しなくても、ネットワークを介して共通の動作プログラムをダウンロードしてロボットを動かしたり、ロボット同士のコミュニケーションを図ったりできるようになることを意味している。

    ユーザーにおすすめ番組を教えるQRIO

    また、リビングルームをイメージした舞台にはソファやTVなどが設置され、ユーザー役の女性をソニーのQRIOが探して近づき、ユーザーが好きそうなTV番組の情報を提供したり、録画予約をしたりといったデモも行われた。

    さらに、三菱重工業のwakamaruに「今度の連休に行ける温泉で、東北の一軒家の宿を調べて」と依頼。wakamaruは直ちにネットワークを使ってコンシェルジュのセンターに同依頼内容を送信し、「鉄道で行かれるなら、蔵王の○○という温泉宿はいかがでしょう。お湯は肩こりやリウマチに効果があります」と、入手した情報をユーザーに音声で伝えた。パソコンなどを使って情報検索を行わなくとも、ロボットを使ってより簡単にコンシェルジュなどのサービスを受けることができるというわけだ。ほかにも、ロボットを遠隔操作して、留守中の自宅の様子などを画像で確認するといったサービスも紹介された。

    今後、多機能化・高機能化したネットワーク対応の家電製品、いわゆる情報家電がどんどん家庭に入り込んでいくと思われるが、その一方で、操作もさらに複雑になっていく可能性がある。いくら多機能化しても使いこなせないのでは意味がない。しかし、ロボットが情報家電とネットワークを通じてコミュニケーションすることにより、情報家電をユーザー以上に賢く使いこなしたり、ユーザーの行動パターンや好みなどの情報を蓄積し、各ユーザーに最適な情報やサービスを提供したりできるようになるという。また、サービス提供者側にとっては、ロボットの種類を意識することなく情報サービスなどが提供できるようになる。さらにロボットは各ユーザーに合った情報を提供することができるため、より的を絞ったマーケティングなども実現可能になるという。さらに、ロボットというインタフェースを介することで、より自然な形での情報の入手が可能となるため、デジタルデバイドの低減にもつながりそうだ。

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