【レポート】
もうひとつ日本語ドメイン関連では、1月19日に日本レジストリサービス(JPRS)が発表した「日本語JPナビ」サービスの検討開始も大きなニュースだった。結局同サービスに関してはパブリックコメントの募集を行ったものの大きな反対の声もなく、2月18日より正式サービスとして開始されることが決まったが、そもそもなぜこのようなサービスが必要になったのだろうか。
まずこのサービスが導入された理由だが、一言で言ってしまえば「Internet Explorerがいつまで経ってもIDNに正式対応してくれないため」ということに尽きる。何度も繰り返すように、既に日本語ドメインについては技術仕様がRFC化されているし、少なくとも.jpドメインについては同RFCに従った本格的サービスの運用も開始されているが、現実にはWebブラウザのシェアの9割以上を占めるといわれるInternet Explorerが日本語ドメインに対応していないため、ほとんどの一般ユーザにとって日本語ドメインは「まだ使えないもの」となってしまっている。
「日本語JPナビ」サービスはこうした現状を少しでも改善しようと、いわばInternet Explorerの実装に合わせた形で、Webブラウザのアドレス入力欄に日本語ドメインが入力された場合に「日本語ドメインに対応するためのプラグイン、もしくはWebブラウザの導入を促す」「日本語ドメインで指し示されたWebサイトへのアクセスを提供する」という2つの目的のための画面を表示する、というのが基本だ。このほかにもメールアドレスに日本語ドメインを使用した場合など、さまざまなケースが想定されているが、それらについては既に報道されている通りなので、詳細はJPRSのWebサイトなどを参照して欲しい。
実際同サービスを提供するJPRSでは、昨年のVeriSignの「SiteFinder事件」をよく研究し、できるだけ既存のDNSの運用にダメージを与えないようにする、あくまでドメイン所有者が同サービスの利用を希望した場合のみサービスを提供する「オプトイン型」を選択するなど、VeriSignの二の轍を踏まないよう慎重な対応を行っている。そのことがあまり反対の声が上がらなかった一因といえるが、反対意見が少ない理由はそれだけではないと筆者は考える。むしろ原因は「日本語ドメイン全体への『無関心』」にあるのではないか、と。
日本語ドメインやIDNに関しては、2000年11月にVeriSignが最初に.com/.net/.orgにおいてその申し込み受付を開始して既に3年以上が経過しているが、その間技術仕様の検討やアプリ側の対応の遅れなどから、登録は可能ながら実際には使えない状況が長く続いた。そのため当初日本語ドメインに期待していたユーザの関心がどんどん薄らいでおり、JPRSの話でも.jpにおける日本語ドメインの登録数はここのところ減少傾向にあるという。このような状況下で日本語ドメインに関して新たなサービスを発表したところで、ユーザが関心を持つ可能性は低いと思われ、意見が集まらないのもある程度仕方がないことだろう。
むしろ、意見が集まるのは、一般ユーザが実際に同サービスを利用したWebサイトにアクセスしてみてからの話ではないだろうか。
日本語ドメインの普及促進という観点ではあとひとつ、1月23日にグローバルメディアオンラインとアクセスポートの2社が発表した、日本語ドメイン対応プラグインの存在も忘れてはならない。
発表によれば、これはアクセスポートが以前から提供しているキーワードサービス「JWord」用のプラグインに日本語ドメイン対応機能を付加するもの。Internet Explorer用の日本語ドメイン対応プラグインとしては、以前からJPRSとVeriSignが提供する「i-Nav」が存在したが、これと比べてもJWordのプラグインは、既にソースネクストなど多くのソフトベンダーのソフトに添付されているせいもあってかインストールベースは桁違いに多いと推測される。このため、日本語ドメインの普及にあたりこれが効果を発揮する可能性は低くない。
このように日本語ドメインに関しては、日本語JPナビやJWordプラグインなど着実に環境整備が進んでいるが、一方で.orgにおけるIDN問題のように依然未解決の問題も少なくない。今後も具体的なIDNの利用が進むに伴い、これまで表面化してこなかった新たな問題が出てくる可能性が高いと思われるが、関係者にはそれらをひとつひとつ解決していくことが求められるだろう。IDNの導入に関しては「Internet世界を分断するもの」として未だに「IDN有害論」を唱えるユーザも少なくないが、筆者個人としては、今年こそはIDNが普通に利用できるようになることを期待したい。
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