【レポート】

日本語ドメインは今、どうなっているのか

1 .orgを巡るドタバタ劇の原因は?

 
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日本語ドメインの現状

日本語ドメインの普及がなかなか進まない。昨年は日本語ドメインの技術的基礎となる国際化ドメイン(IDN)の技術仕様が3月にRFCとして公開され、それに従いMozilla、OperaなどのWebブラウザがIDNへの対応を進めるなど、日本語ドメインの普及に当たっては一定の成果があったと言えるが、一方で相変わらずInternet ExplorerはIDN対応が行われていない上、前述のRFCに従ったIDNの利用に至っては主に.com/.net/.orgなどといったgTLDのレジストリ側の体制にまだ問題が多く、日本語ドメインを安心して万人が利用できる状況とは言い難い。

そんな中ここ1~2カ月の間、日本語ドメインを巡ってさまざまなニュースが流れ、久々に日本語ドメインが一般ユーザの注目を集める結果となった。そこで本稿ではそれらのニュースを振り返り、その背景にある問題点などを改めておさらいしてみることにしたい。

.orgにおける日本語ドメインを巡るドタバタ劇の原因は?

まず年明け早々に飛び込んできたのが、1月13日にグローバルメディアオンライン・日本ベリサインら5社の連名で発表された「.orgドメインにおいて、日本語ドメインを含む全ての登録済みIDNが2月1日に一斉にデータベースから抹消される」というニュースだ(日本ベリサイン ORGの国際化ドメイン名(「日本語.ORGドメイン名」を含む)の一斉抹消に関する告知について)。結果的にこれはその3日後、.orgドメインを運営するPublic Internet Registry(PIR)が「登録済みIDNに関しては当面の間データベースへの登録を保持する」とのアナウンスをレジストラに対して流したことから、現在は問題は一旦沈静化しているが、いったいPIRはなぜ、登録済みのIDNを一律抹消するという行動に出ようとしたのか。

1月13日に前述の5社により公表されたPIRのレジストラ向け告知文には、その原因として5つの理由が書かれているが、中でも筆者は、最初の理由として書かれた

「none of the legacy IDNs were coded by the prior registry operator to indicate what language was used to initially convert the domain to IDN.」

という文に示された問題が最も大きな問題だと考える。これについては少々説明が必要だと思われるので、ここで過去の経緯を含め解説したい。

もともと、.orgドメインにおけるIDNの登録は、PIRの前に2002年末まで.orgのレジストリを務めていたVeriSignが受け付けたものなのだが、この際にVeriSignはレジストリとして管理するドメインのデータベースに対して、申し込まれたドメイン名をUnicode(UTF-8)に変換した後のデータだけを登録していた。そのため、登録されたドメイン名が何の言語によるものなのか、データベースを見ただけではわからない状態になっていた。関係者によれば、特に日本語・中国語など漢字圏のドメイン名に関してはその言語の区別が極めて難しい状態となっていると言われる。

一方で、昨年3月のICANNリオデジャネイロ会議で定められた、IDNを実装するレジストリに対してICANNが要求する技術基準のガイドラインにおいては「ドメイン名を1つもしくは複数の言語に関連付けること」が必須条件として義務付けられている。これは既に登録済みのドメイン名に対しても適用されるため、今後もしPIRが登録済みIDNを存続させた形で正式にIDN対応サービスを始めるとなると、登録済みIDNの1つ1つに対して、そのドメイン名がどの言語をベースとしたものなのかをPIR側で独自に解析するか、もしくは登録者に個別に確認するかのどちらかの行動を取らざるを得なくなるのだ。

また、同ガイドラインでは、必須条件という扱いではないものの「ドメイン名ラベルを(少なくとも初期の段階においては)1つの言語にのみ関連付けるよう制限すること」「IDNとして登録を受け付ける全ての言語でカスタマーサービスを提供すること」という2つの条件が推奨条件として規定されているため、この2項目を実現するに当たっても、やはり登録済みIDNについてドメイン名と言語の対応関係の洗い出しを行うことは避けられない作業となる。

ただ、この確認作業はPIRにとっては非常に重い負担を伴う作業となるため、PIRとしてはできればこの作業は避けたいところ。また関係者によると、もともとVeriSignが.orgにおけるIDNの申し込みを受け付けていた当時の契約約款には「このサービスはテストベッドであり、将来レジストリが一方的に契約を破棄しサービス提供を打ち切ることができる」旨の条項が含まれていたとの情報もあり、これが正しいとすればPIRが既存の登録済みIDNをデータベースから抹消したとしても契約上は問題がないことになる。

おそらくPIRとしては一度登録済みIDNを抹消して、きちんと言語の対応関係などを管理できるような新たなシステムでイチから登録受付をやり直したい、というのが本音ではないか。1月16日のアナウンスを読んでも、果たしてPunycode(RFCで規定されるIDNのエンコード方式)に.orgが対応した後に既存の登録済みIDNがどのように扱われるかについては記述がなく、今後この問題が再燃する可能性は低くない。既に.orgでIDNをお持ちの方はもちろんのこと、一般ユーザにとっても今後のPIRの動きについては注意が必要だろう。

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インデックス

目次
(1) .orgを巡るドタバタ劇の原因は?
(2) プラグインというアプローチは普及拡大の切り札となるか


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