【レポート】
電機各社の2003年度第3四半期連結決算が出揃った。
ここしばらくは、リストラの効果が発揮されたせいもあって、減収ながらも増益という企業が目立ったが、今回の四半期決算では増収増益となる企業が相次ぎ、景気の回復感が高まるとともに、各社の業績も拡大傾向へと転じはじめていることを浮き彫りにする格好となった。
とくに、デジタル家電、携帯電話事業に力を注いでいる企業の成長が目立ち、同時に、これら製品向けの部材を供給している企業の好調ぶりも浮き彫りとなった。だが、営業利益では大幅な増収となるものの、厚生年金基金の代行返上の影響でカサが増えた結果だったり、為替の影響を受けて、業績が左右されたりといった一時期的要因の影響を受けた企業も相次いでいる。
リストラ効果による業績回復期から、これをベースにした拡大路線に転じるなかで、一時的要素の影響も見逃せない四半期決算だったともいえよう。
こうしたなかでも勝ち組となっているのがシャープ、松下電器だ。
シャープは、売上高が前年同期比10.3%増の5,804億6,000万円、営業利益は前年同期比12.1%増の327億2,700万円、経常利益は24.9%増の305億7,900万円、当期純利益は27.2%増の177億6,300万円と増収増益。AV・通信機器部門は、液晶カラーテレビが引き続き好調に推移。30型以上の大型モデルが国内外で品薄となる人気ぶりに支えられて、売上高は、前年同期比4.1%増の2,251億6,500万円、営業利益は前年同期比1.6%増の99億9,000万円となった。
成長の牽引役となったのは電子部品。IC部門の売上高は、前年同期比28.3%増の572億円、営業利益は、前年同期比22.6%増の41億6,300万円。CCD・CMOSイメージャの売上拡大と、携帯電話用にオートフォーカス機能を搭載した2メガピクセルCCDカメラモジュールの生産開始が貢献している。また、液晶部門の売上高は前年同期比36.2%増の1,419億9,700万円、営業利益は前年同期比37.7%増の83億1,000万円。構成比で70%を占める中小型が携帯電話用パネルを中心に、ゲーム機、デジタルスチルカメラ用などで堅調な需要が続いたほか、大型液晶についても、液晶カラーテレビの市場拡大にあわせパネルを増産。その結果、大型液晶全体に占めるテレビ用パネルの生産比率は、上期の25%に対し第3四半期は44%と大きく上昇した。
松下電器産業は、売上高が前年同期比5%増の2兆313億円、営業利益は229億円増の709億円と、こちらも増収増益。「潜水艦でいえば、まだ潜望鏡が出たところにすぎない」と同社・川上徹也常務は慎重な姿勢を崩さないが、6年ぶりに営業利益で700億円を突破したのに加え、通期予想では、営業利益を当初予想の1,500億円から1,900億円に、当期純利益は300億円から350億円に上方修正するなど、好調ぶりを示した。
部門別では、AVCネットワークが前年同期比10%増の1兆134億円と2桁成長。VIERAが好調なPDPテレビ、DIGAによるDVDプレーヤー/レコーダーが高い伸びを見せ、パナソニックブランドの国内シェアは22%と0.1ポイント上昇した。また、白物家電のアプライアンス事業は、1%増の3,069億円となり、ナショナルブランドのシェアは、2.4ポイント増の25.6%となった。
勝ち組の1社とされる三洋電機も、売上高が13.6%増の6,534億4,300万円、営業利益が67.9%増の290億9,300万円と2桁増の増収増益。AV・情報通信機器部門でデジタルカメラ、携帯電話、光ピックアップなどが増加し、前年同期比23.6%増の3341億3,600万円と大幅な伸びを見せたのが好調な要因となった。
厳しい決算が続いているソニーだが、2003年度第3四半期は、売上高では前年同期比0.7%増の2兆3,234億円と四半期ベースでは過去最高の売上高を記録。フラットパネルテレビ、PSXを含むDVDレコーダー、パソコン、デジタルカメラの貢献が目立ったという。また、「エレクトロニクス部門においては、現地通貨ベースでは全地域で2桁の増収を達成した。これは3年ぶりのもの」(湯原隆男 執行役常務兼グループCFO)と、世界的な好調ぶりを強調した。
しかし、営業利益は、前年同期比20.4%減の1,588億円、税引前利益が21.8%減の1,578億円、当期純利益が26.2%減の926億円と2桁の大幅な減益。依然として厳しい業績であることを示した。減益の要因としては、構造改革費用の影響に加えて、前年にはヒット作品により収益が増加していた映画分野の反動が強く影響している。また、ゲーム部門における次世代半導体向けの研究開発費の増加などが収益の悪化に影響した。
その一方で、2003年度の通期連結見通しにおいては、売上高、営業利益予想はそのままに、税引前利益は100億円上方修正し1,300億円に、当期純利益は50億円上昇の550億円とした。為替差益およびPlayStation 2用の販売好調などを理由にしている。
三菱電機は、売上高が前年同期比5%減の7,468億1,300万円、営業利益が4.46倍の273億300万円、税引前利益が6.64倍の228億600万円円、当期純利益が9.59倍の110億6,200万円となった。重電システムや電子デバイス部門の分社化の影響で減収となったものの、産業メカトロニクス部門、情報通信部門、家庭電器部門は増収。だが、情報システム・サービス事業は、システムインテグレーション関連の大型案件の減少によって前年割れとなった。
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