【レポート】
Intelプラットフォームへ進出したがWindowsの壁に阻まれ、インターネット家電向けのOSとして「BeIA」をリリースするも空振りに終わり、刀折れ矢尽きて解散したBe Inc.は我々の記憶に新しい。BeOSのその後の動向に注目が集っていたが、昨年末になってBeOSの"正統な後継"を名乗る「Zeta」が公開された。今回ベータ版(最新版はRC1.1 SP2)を試用する機会に恵まれたため、早速その概要についてレビューしてみよう。
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「LocaleKit」の追加により、主要なアプリケーションは国際化を果たした(画面は「Deskbar」のメニュー) |
サービスパックを適用すれば、いろいろなアプリケーションが日本語で表示されるようになる(画面はN88BASIC互換のインタープリタ「Be88-BASIC」) |
○ZetaとBeOSの関係
米Apple Computer出身のJean-Louis Gasse氏が中心となって設立された米Beは、紆余曲折のすえ同社の主要製品「BeOS」などの知的財産をPalmに売却、2002年3月にその歴史を閉じた。BeOSのみならずPowerPC 603/603eを2基搭載した「BeBox」を世に送り出すなどニュースに事欠かなかった同社のこと、一抹の寂しさを感じたコンピュータファンも少なくないはずだ。
今後BeOSは(従来の形で)進化することはないが、Beはいくつかの置き土産を残してくれた。たとえば、BeOSのUIを支える「Tracker」のオープンソース化は、Beにとってプラスに作用したかどうかはわからないが、BeOSを知る者にとっては朗報だろう。Beの解散と前後してOpenBeOSなどの派生プロジェクトが誕生(表1)したことからも、オープンソースとしての注目度の高さがうかがえる。
そしてもう1つの置き土産が、今回紹介する「Zeta」だ。開発/販売にあたる独yellowTabによれば、Palmによって知的財産が買収される直前に無期限のライセンスを取得、BeOSの正式なソースコードを基に"正統な"後継版として開発されたものだという。Palmに買収されたBeOSの今後は不明だが、BeOS R6となるはずだったシステムがZetaと名を変え別の道を歩む、と理解すればいいだろう。
表1 現存するBeOSから派生した開発プロジェクト
| 名称 | URL | 特徴 |
|---|---|---|
| Zeta | http://www.yellowtab.com/ | Beから直接ライセンスを受けて開発されたBeOS R5の後継となるOS |
| ReOS | BeOS R5を対象に、一部のモジュールを更新する開発プロジェクト | |
| OpenBeOS | NewOSやOpenTrackerをコアとして、BeOS R5とのバイナリ/ソース互換を目指すOS | |
| NewOS | Beの元エンジニアが主宰する、デスクトップを対象としたオープンソースのOS(カーネル) | |
| Blue Eyed OS | LinuxカーネルをベースにBeOSとのソース互換を目指すOS | |
| OpenTracker | BeOSのGUIを支える「Tracker」と「DeskBar」のオープンソース版 |
○インストールと周辺機器の対応状況
BeOSが普及しなかった原因の1つには、対応する周辺機器の少なさが挙げられるだろう。Windowsから起動可能なインストーラを収録するなど導入を容易にするための工夫はなされたものの、大方の予想通り続々と登場する周辺機器に対応しきれず、先進のシステムとしての寿命を縮める格好になってしまった。
BeOSの後継であるZetaもその呪縛から逃れられず、インストール前に周辺機器の対応状況を確認することは必須条件だ。yellowTabのWebサイトにはハードウェア互換性リストが掲載されているので、パーツ選定の参考にするといいだろう。ちなみに筆者が利用した環境(表2)では、Ethernetデバイス(3c920)が掲載されていないことを除けば、一応は互換性を満たしていることになる。
表2 Zetaをインストールした環境
| マザーボード | Tyan Tiger MPX(S2466N-4M、BIOS v4.04) |
|---|---|
| CPU | Athlon MP 1800+(1.53GHz Palominoコア)×2 |
| メモリ | 512MB(PC2100 DDR) |
| チップセット | AMD-760 MPX |
| ハードディスク | IBM DTLA-305040 41.1GB(Ultra ATA/100、5400RPM) |
| DVD-ROM | RICOH MP5120A |
| Ethernet | 3Com 3c920(オンボード) |
| ビデオカード | ELSA GLADIAC 511DVI(NVIDIA GeForce4 MX 32MB、AGP) |
| サウンドカード | SoundBlaster Live! 5.1ch |
ハードディスクに空きパーティションを確保し、CD-ROMからブートしてZetaのインストールを開始したところ、いきなりトラブルに遭遇した。起動画面が表示されるところで自動的にリブートしてしまい、インストーラの起動まで辿りつけないのだ。5~6回ほど繰り返したところでようやく成功したが、かなり頼りない。
インストーラの挙動は特に問題なく、全パッケージを選択(約1GBの空き領域が必要)してから30分ほどでファイルコピーは完了、無事にZetaのインストールを終えることができたが、ブート時の不安定さは解消できなかった。50回ほどブート作業を繰り返してみたところ、電源ONからストレートに起動できたのは12回で、4回のうち3回は失敗していた計算だ。筆者の環境に限った話かも知れないが、ハード面の条件を変えていないにもかかわらず発生したことから、やはり原因はZeta側にあると思われる。
Ethernetのドライバに関する問題は、BeOSユーザのソフトウェアポータル「BeBits」で公開されている3c902用のドライバを導入することで解決できた。前述したyellowTabのハードウェア互換性リストとともに、Zetaを導入する際には要チェックのサイトと言えるだろう。
また、不具合を修正するサービスパックの適用も必須だ。本稿執筆時点ではSP2が最新版であり、日本のユーザは国内の販売代理店「PC-CRAFT」のWebサイトからダウンロードすることになる。不具合の修正だけでなく日本語ロケールもインストールされるため、SP2の適用後には多くのアプリケーションで日本語のメッセージが表示されるようになるはずだ。
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