【レビュー】

ソニー PSX vs NEC AX300

1 ソニー PSX vs NEC AX300 - 激突!! ユニークハイブリッドデッキ

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昨年5月の経営説明方針会でその存在が明らかにされ、10月のCEATEC JAPAN 2003で実機が正式に公開された「PSX」。デジタル三種の神器のひとつとして話題性の高いハイブリッドデッキ(番組を録画するHDDと、書き出すためのDVDドライブの両方を搭載したデッキをここではこう呼称する)であること、PlayStation2のコアエンジン部分をそのまま使用し、ゲーム機としても使用できること、動画のみならず、音楽や静止画などさまざまなメディアを扱えることなどが話題を呼び、年末商戦の台風の目になった。

かたやNECのAX300は、AX10、AX20で培ってきたメディアサーバー的な機能性に磨きをかけながらもDVDドライブを搭載し、DVD書き込み機能を付加してきた。前モデルのAX10/20は書き込み対応DVDドライブを内蔵していないため、書き出し作業を行いたい場合にはPCとの連携が必要となっていたが、AX300はハイブリッドデッキとしても十分に魅力的な製品に仕上げられている。

今回はこの2つのユニークなハイブリッドデッキを比較してみる。録画と再生というハイブリッドデッキとしての基本機能、録画した番組データをDVDとして書き出す際の機能性、さらにはそれぞれの製品だけにしかない機能を詳しくチェックしていこう。若干価格帯が異なるので(価格帯的には、160GBのHDDを内蔵するAX300の下位モデルと、250GBのHDDを内蔵するPSXの上位モデルが近い)なかなか単純には比較しにくいところではあるが、それぞれのモデルが目指す方向性、そしてどういったユーザーに向いているのか、ということを考えていきたい。なお、AX300については発売前の機種であり、試用機での評価であることをお断りしておく。

○HDD録画、再生機能 - 常時タイムシフトで放送中の番組も遡って見られるAX300

HDDへの録画機能で一番気になるのは、やはりビットレート設定の柔軟性とEPGへの対応だ。ビットレートの設定については、両機種ともそれなり、といった印象。PSXではプリセットは6段階でユーザー設定は不可、AX300ではプリセット3段階とユーザー設定が1つと、自由度という面ではどちらも今ひとつといった印象だ。ただ、AX300のユーザー設定では、解像度とVBR/CBRの組み合わせによって、かなり細かいところまで画質を調整できる

○AX300で設定可能なユーザー設定とビットレート

設定 ビットレート
MPEG-2 (CBR) /352×240ドット 2~6Mbps
MPEG-2 (CBR) /352×480ドット 3~9Mbps
MPEG-2 (CBR) /720×480ドット 4~9Mbps
MPEG-2 (VBR) /352×240ドット 1.2~3Mbps
MPEG-2 (VBR) /352×480ドット 3~6Mbps
MPEG-2 (VBR) /720×480ドット 4~7.5Mbps
MPEG-1 (CBR) /352×240ドット(※) 1.15Mbps
※ビデオCDクオリティ。この場合にはその番組データをDVD書き込みには使用できない

EPGは両者ともに対応している。時間帯、チャンネル別、番組ジャンルなどで表示を切り替えることが出来るため、非常に快適に予約作業を行えるはずだ。このEPGのデータベースに対して、キーワード検索も行える。普通に使う分には特に不満はないが、ダウンロードできるデータ量が豊富なAX300のEPGは、検索の精度が高く、しかも複数のキーワードを組みあわせて検索作業が出来る。また、AX300の録画予約には「○日後に削除する」というオプション(予約録画した映像を指定した○日後にHDDから消去する)が用意されており、めんどくさがりにはなかなか便利。

AX300の番組表データ。時間帯やチャンネル、分野別に表示を切り替えることが可能だ

AX300で録画クオリティをユーザー設定する画面。解像度と圧縮方式(CBR/VBR)、そしてビットレートを設定できる。ビットレートはCBRなら1.15~9Mbps、VBRなら1.2~7.5Mbpsの範囲で設定可能

タイムシフト再生については、「バックグラウンドで常時タイムシフト録画を行う」という特異な仕様を持つAX300が面白い。テレビを見ながら「あ、見逃した!」という場面をすぐに遡ってチェックできるのだ。録画作業やタイムシフト状態への移行作業を行わなくても、実に自然に前の場面に戻れるのだ。今までのテレビの視聴スタイルを変える、画期的な機能といえるだろう。PSXでは「録画ボタンを押して」「録画作業中に当該の録画ファイルをチェックする」という2ステップの作業が必要になるため、AX300と比較するとタイムシフト機能の使い勝手はあまりよくない。

PSXのEPG番組表はこちら。時間帯やチャンネル、分野別に表示を切り替えられる。情報量はAX300と比べると少ないが、通常の使用では特に問題はないはずだ

番組表データから録画予約作業を行ったところ。録画クオリティを変更すると、それがDVDに書き込んだときに何%程度になるのかを表示してくれる

画質は両者とも良好だ。筆者の自宅はCATVなので、ゴーストリダクション、デジタルノイズリダクションの効果については検証できないものの、ソースの環境がいい場合には、両機種とも実に良好な録画作業が行える。

○DVD作成機能について - 簡易操作に徹するPSX、パソコンとの親和性が高いAX300

DVDへの書き込み機能については、簡易性を求めるならPSX、柔軟性を求めるならAX300、といった感じか。

PSXにはDVDビデオ形式でもトップメニュー画面を作る機能がない。しかし、DVD書き込みについては録画したいファイルをいくつか選んで書き込みを行うだけと、操作は極めてシンプルかつわかりやすい。ただし、複数のビデオファイルを記録した場合には、次のビデオファイルへのジャンプ機能を使わないと「複数のビデオファイルが記録されている」ということ自体がわからないのは、ちょっと不便だ。

PSXでは、こんな感じで複数のビデオファイルを選択し、書き込みボタンを押すだけのカンタン作業だ。迷いようがない、シンプル極まりない操作である

DVD-RWへの書き込みモードは、設定画面で決定する。現状ではDVD-VRモードで書き込む必然性がないため、DVDビデオディスクモードにしておいた方が無難だ

対応するディスクはDVD-R(DVDビデオディスク形式)とDVD-RW(DVDビデオディスク形式とDVD-VR形式)。ただし、DVD-RWディスクにDVD-VRで記録した場合でも、再編集や再録画できるわけではないので、現時点では何の意味があるのかわからない仕様ではある。もちろんDVD-RWディスクに記録されたDVD-VRデータは、DVDムービーアルバム等で抜き出すことは出来ないため、パソコンとの連携は基本的に不可能と考えよう。

AX300のメニュー画面はシンプルなカラーバックのみの対応となる。とはいえ、複数のビデオファイルが入っていることを一目で確かめられるので、あるとないとでは大違い

DVD-RAMディスクにDVD-VR形式で書き込んだ場合には、自由に書き換えが可能。削除と書き込み作業を何度も繰り返すことが出来るのだ

一方、AX300では簡単なトップメニュー画面を作成できるが、動画編集機能はGOP単位なので(PSXも同様)、フレーム単位でCM部分を見切った編集作業はできない。しかし、ネットワークを通じてパソコンに動画データを吸い出せるので、きめ細かなチャプタ設定などを行いたい場合には、パソコン上で行えばよい。

AX300が対応する書き込みメディアはDVD-R(DVDビデオディスク形式)とDVD-RAM(DVD-VR形式)。試し書きという用途もあるため、DVD-RWにも対応して欲しかったところだが、これはこれで分かりやすくて良いのかもしれない。ちなみにDVD-RAMに書き込まれたDVD-VR形式のデータは、パソコン上でVRデータとしてそのままのカタチで抜き出せる。こうした意味でもパソコンとの親和性が高い。

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インデックス

目次
(1) ソニー PSX vs NEC AX300 - 激突!! ユニークハイブリッドデッキ
(2) それぞれの独自機能をチェック

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