【レポート】

Macworld 2004が開催

2 誰でもスタジオミュージシャン「GarageBand」

    Yoichi Yamashita  [2004/01/09]

    iPod miniは米国では2月発売、そのほかの国では4月に発売される予定だ。Appleのブースでは、一足早くiPod miniに触れることができた。

    並べただけでは、それほど大きさの違いは感じないが、実際に持ってみるとiPod miniは見た目以上に軽量・コンパクト

    ブースでは、"iPod miniは、基本的にはiPod!"という感想をよく耳にした。それは間違いではないのだが、個人的にはiPodの弟分以上の製品に思える。いちiPodユーザーとして、普段不満に思っている点を、iPod miniがことごとく解決しているのだ。

    iPodに対する不満点のひとつはサイズと重さである。「帯に短し、たすきに……」という感じで、ポケットに入れるとかさばるし、鞄に入れると操作しにくい。リモコンは液晶ディスプレイがなく、プレイリストを操作できないなど意外と使えないので、iPod操作の基本は本体になってしまう。取り出しやすいところにしまっておくには、少々大きくて重い。その点、iPod miniはポケットの中でも自在に操作できそうなサイズで、クリップでベルトにぶら下げてもiPodほど気にならない。また、手に持った感じが、スッポリとフィットするのも良い。

    ホールドスイッチとヘッドフォン・ジャックを備えた上部

    ふたつ目は操作ボタン。ホイールと4つの操作ボタン、特に頻繁に行き来する選択ボタンとメニューボタンが離れているのがiPodでは使いにくい。長く使っていても片手だけで感覚的に操作できない。一方、iPod miniのClick Wheelを使えば、ほとんど指を離さずに、片手だけで楽々と正確な操作ができる。

    最後に価格。貧乏性なのかもしれないが、iPodをMDプレーヤーのように無造作に扱うことができない。iPod miniも決して安いプレーヤーではないが、少し気楽になれる範囲である。また縦長のデザインのせいか、iPodよりも"ハードディスク"を扱っているという緊張感がなく、ポケットや鞄に無造作につっ込めるような親しみやすさがある。

    ホールドスイッチとヘッドフォン・ジャックを備えた上部

    個人的な意見では、現時点でiPodとiPod miniを比べた場合、iPodを選ぶ理由は見あたらないが、iPod miniを選ぶ理由はいくつかある。もちろん40GBの容量に、自分の音楽コレクションを全て収められる人にはiPodの方が便利だと思う。だが、コレクションの一部だけを携帯プレーヤーに入れて持ち歩く人には4GBもあれば十分だと思う。

    iPod miniの第一印象は「扱いやすいiPod」である。それは、iPod miniが、ハイエンドのフラッシュメモリー・プレーヤー市場だけではなく、iPod市場にも食い込んでくる可能性を示している。だから、Jobs氏も、iPodとの棲み分けをはっきりさせるために、あえてフラッシュメモリープレーヤーとの比較を強調したのかもしれない。

    音楽プレーヤーとしては、iPod miniでも十分という印象を受けるだけに、今後は逆にiPodが15/20/40GBという豊富なストレージ容量の活用方法を見いだす必要がありそうだ。

    ○潜在的な需要が高いレコーディングソフト

    iPod mini以外では、デジタルライフスタイル・アプリケーションスイート「iLife '04」が発表された。最新のiTunes、機能がアップグレードされた「iPhoto」、「iMovie」「iDVD」、さらに新ソフト「GarageBand」が加わった。

    GarageBandは、Macをレコーディングスタジオに変身させるソフトだ。ビギナーでもシンプルなインタフェースを使って、簡単に演奏、録音が行える。USBやMIDIのキーボードで50種以上のソフトウエア楽器を演奏、1,000種類以上のループを組み合わせてバックトラックを製作し、ボーカルやギターなども、マイクやアナログ入力を使ってデジタルデータとして録音できる。録音したトラックは、200以上のエフェクトを駆使して、プロ顔負けの編集・ミキシングが可能。さらにヴィンテージ・ギターの音色を再現できるギターアンプ・エフェクトも用意されている。完成した曲はAACまたはMP3にエンコードして、iTunesにエクスポートできる。

    積み木を重ねるようにして簡単にトラックを編集できるGarageBand

    GarageBand用のアクセサリー、ビギナー向け49鍵のUSB MIDIキーボード(99ドル)

    音楽製作ソフトというとユーザー層が限られるように思われるが、Jobs氏は「米国家庭の半数では、少なくとも一人は何かしらの楽器を弾いている人がいる」と指摘する。

    自分の曲は披露せずに、GarageBandのデモに徹したJohn Mayer

    アナログ楽器として最後にギターを録音

    基調講演では、新譜「Heavier Things」が好調なJohn Mayerが登場してGarageBandのデモを披露した。

    「キーボードを使って、ギターの音色をこれほどリアルに響かせることができるソフトは初めてだ」と、その音色を絶賛。「自分が13歳とか、14歳ぐらいのときにこんなソフトあったら良かったのにと思う。でも、時間を忘れて部屋にこもることになるだろうね」。

    iLife '04の価格は49ドル。同様のソフトを別個に揃えると…

    ○Mac誕生から20年、「2004」は登場するか!?

    Mac誕生から20年目を迎えて、「今年はMacの年になる」とJobs氏は断言している。Mac OS Xユーザーはまもなく1,000万人に到達するそうだ。現在、提供されているネイティブアプリケーションは10,000本以上に達し、Jobs氏はOS Xへの移行の完了を宣言した。

    登場から2年でOS Xへの移行完了を宣言

    520万ドルという低コストで世界第3位のスーパーコンピュータの座を獲得した「System X」

    とは言え、今回の主役となったiPod miniは、昨年のデジタル音楽戦略の延長である。"Macの年"がどのようなものになるかは、iLife '04からだけでははっきりとは見えてこない。しかし、現時点で「1984」をこれだけアピールするということは、今年の2月1日、20年目のスーパーボウルでも何かが起こるのかもしれない…。

    サーバ製品では、「Xserve G5」と新しい「Xserve RAID」が発表された。Xserve G5はXserveに比べて約60%高速になり、システム当り30ギガフロップの処理能力を実現。Xserve RAIDは、3Uラックサイズのストレージシステムで、ギガバイト当たりのコストをおよそ3ドルに抑えながら、3.5TBのストレージ容量と最大毎秒210MBのスループットを可能にしている

    世界で3番目に速いスーパーコンピュータ、バージニア工科大学の「System X」を紹介するJobs氏

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