【レビュー】

ATIから登場したビデオ統合チップセット「RADEON IGP」をテストする

7 まとめ
メモリ周りの改善に期待

佐藤 晃洋  [2002/07/17]

今回のRADEON IGPのテスト結果を見ると、どうしてもメモリ周りの性能の悪さが目に付く。おそらく統合されたグラフィックスコアが持つ潜在能力はもっと上だと思われるのだが、メモリまわりの処理効率の悪さが全ての足を引っ張ってしまい、本来のポテンシャルを出すところまで至っていない、というのが現状ではないだろうか。

今後BIOSのアップデートなどによってこの値はある程度改善されてくるとは思うが、抜本的な対策を行うにはVIAのApollo KT266→KT266Aなどの例のように、チップセットコア自体の改良が必要ではないかと考えられる。また、最近のチップセットではもはやDDR333のサポートが当たり前のように行われていることを考えると、ATIが本気でチップセット市場におけるシェア確保を狙っているのであれば、メモリ性能の改善だけでなくDDR333/400のサポートを行ったチップセットを早急に投入する必要があると思われる。

しかも、現在市場に出回っているRADEON IGPマザーは、バリューセグメントをメインターゲットとしている関係上、サウスブリッジにVIAの686Bなどが使用されることが多いようで、USB 2.0やUltra ATA/133などといった最新のインタフェースをサポートしていない、ノースブリッジ~サウスブリッジ間の接続スピードが劣る、などといった点で他社のチップセットを使用したマザーに比べて不利な条件を抱えてしまっている。となると、当面、自作市場での人気はどうしても限られたものになるだろう。日本FICによればAT31 Fusionの店頭実売価格は12,800円前後になる見込みだとのことなので、まずは「安価なシステムが欲しいけど、ゲームもそれなりに楽しみたい」というユーザーが主な購買層となるのではないだろうか。

ただ逆に言えば、メモリ周りの性能さえ改善されればRADEON IGPのパフォーマンスは大きく上がる可能性があるわけで、今後その点に関してATIがどのような動きを取ってくるかが気になる。また9月には専用サウスブリッジである「IXP 200/250」が登場し、外部インタフェースなどの部分に関してはその時点でようやく他社に追いつくことを考えると、RADEON IGPの本当の評価はそれ以降にならないと定まらない、とも言えるだけに、秋以降に登場すると見られるIXP 200/250搭載マザーには注目が必要だろう。

何しろATIは「Intelとのクロスライセンス契約」という切り札を持っており、Pentium 4/Celeron用チップセットではVIAやnVIDIAといったライバルに先んじることができるため、今後の開発が進めば、Pentium 4/Celeron用の統合チップセットとなると今のところi845GやSiS650ぐらいしか目立ったライバルがいないだけに、RADEON IGPも一定のシェアを確保できる可能性は高い。それだけにATIには今の状況を放置することなく、早急にメモリ周りの性能に関して何らかの改善策を講じるよう、より一層の努力をお願いしたい。

ATI、「RADEON IGP」ファミリーでチップセット事業に参入
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/03/14/51.html
【COMPUTEX TAIPEI 2002レポート】
チップセット「RADEON IGP」搭載マザーも並ぶATIのプライベートブース
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/06/04/22.html

ATI Technologies
http://www.ati.com/


[2002/7/17](執筆=佐藤 晃洋)

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