【レビュー】

デュアル+新CPU+新チップセットで長足の進歩を遂げた? Athlon MPデュアルシステムの実力を探る

13 性能は十分、価格も明るい見通し…… - あとは実際の製品の登場だけ

    橋本新義  [2001/07/28]

    ○性能は十分、価格も明るい見通し…… あとは実際の製品の登場だけ

    こうしたAthlon MPのベンチマーク結果からは、"Athlonの性能を落とすことなく、確実に改良を重ねたCPU"という性格を見出すことができる。今回のベンチマーク結果の傾向は、Athlon MPだけでなく、Palominoコアを採用したAthlonすべての共通の傾向と考えていいだろう。

    従来のAthlonが(いくつかの欠点ももちつつも)ほとんどの自作派パソコンユーザーに勧められるものだったことを考えると、性能の面においてAthlon MPを勧めない理由はほとんど見つからない。

    ただしもちろん、マザーボード側の対応やCPU自体の価格を考慮する必要はある。冒頭で「コストパフォーマンスを重視するユーザーはデスクトップ用を」と述べたのは、そのためだ。

    こうした結論から、大ヒットとなることは間違いない(実際の販売数だけでなく、ユーザー心理上も)PalominoコアAthlonだが、もうひとつの要、デュアルAthlonシステムはどうだろうか?

    こちらに関しては、マザーボードの状況が改善されれば、かなりコスト低減が可能だ(と言っても過言ではない)。

    Thunder K7は自身がハイエンドマザーボードである上、専用電源が必要で、メモリがレジスタードDIMMにしか対応していない点がトータルコストを圧迫している。レジスタードDIMMは、おなじDDR SDRAMでも、一般的なDIMMと比較して2倍以上の価格となってしまうため、メインメモリにかかるコストは非常に高いのだ。

    しかし、これも冒頭で述べたとおり、PentiumIII用デュアルマザーボードまでとはいかないものの、比較的低価格な製品が登場する予定だ。

    実際に、一般向けデュアルAthlonマザーの第一弾となりそうなTYANの「Tiger MP」という製品は、販売価格が700ドル程度とされているThunder K7と比較して、半額以下での提供が見込めるという(実際にアメリカの通販ショップでは、250ドル程度の予約価格となっている)。3万円台で登場するのであれば、個人向けとしても十分にアピールできる価格だ。

    こうした仮定的な状況がすべてうまくかみ合った場合、デュアルAthlonシステムは、20万円台のパソコンの性能を圧倒的に改善する存在となる可能性が大きい。

    こう考えると、AMDが試用機で想定したようなワークステーションクラスのシステムでは、デュアルAthlonという選択肢はかなり有力な存在となる可能性が大きい。AMDにとっての悲願だったサーバー/ワークステーション市場に向けた初の製品となるAthlon MP+AMD-760MPは、この市場への橋頭堡を築くには十分な魅力を持ったものといえる。

    願わくば、自作派ユーザーにとって重要な製品(=デスクトップ版Athlon 4と低価格デュアルマザー)の登場が、これ以上遅れないように祈りたい。


    [2001/7/28](執筆=橋本新義)

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    【Computex Taipei 2001レポート】
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